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ビタミンCって何色?

こんばんは。level 4です。

子供の頃、みかんを食べすぎるとおしっこが黄色くなりビタミンC摂りすぎなーって思った記憶があります。
ビタミンCと言えば、黄色のイメージがあります。
また酸っぱいイメージもありますよね。

しかし、ビタミンCは無色透明、またほとんど酸味は感じない物質です(あまり酸っぱくもない)。

ビタミンC(アスコルビン酸)の化学構造

【専門的なお話】(つまらないので飛ばしてください)
物に色があるのは化学構造に由来します。
二重結合が多く(線が2本の構造)、電子が飛び回る構造だと黄色以外の光を吸収して黄色のみ跳ね返すので黄色く見えます。
アスコルビン酸の場合二重構造が少なく発色しないために、無色透明なのです。

次に、アスコルビン酸は一応【酸】です。
酸は舌の酸を知覚する味蕾を刺激するため酸っぱく感じるのですが、それはかなり酸性度が強くないと感じません。
アスコルビン酸はかなりの弱酸なので殆ど味覚では感じ取れないのです。つまりほぼ無味です。

ちなみに、炭酸水ってちょっと酸っぱくないですか?
あれは、溶けてる二酸化炭素が若干酸性だからです。
(専門的な話終わり)

おしっこの黄色は何?

おしっこが黄色くなるのは、ビタミンCではなくリボフラビンと呼ばれるビタミンB2が出てるからです。
みかんなどの柑橘系植物に多く含まれています。

また、ビタミンCを売りにしている飲料水が黄色いのは黄色の着色料を入れているためです。
黄色い方がビタミンCがより多く入ってそうですよね。

ちなみに、ビタミンCを売りにしている飲料水が酸っぱいのはクエン酸など、酸っぱい成分が入っているからです。

企業戦略として、酸っぱそう、多くの成分が入ってそうと感じさせるためにビタミンCのイメージが作られているのですね。

ビタミンCを摂りすぎるとどうなる?

ビタミンには、水に溶けるものと溶けないものの2種類があります。
人間は、水に溶けるものはおしっことしてすぐ出せるので過剰に摂取しても一定量以上は体に残りません。

ビタミンCは水に溶ける物質です。
ということはいくら摂取しても問題ありません。

逆に言えば、いくら摂取してもおしっことなって出てしまうので美容や健康のために多く摂るのは意味のないこととも言えます

【専門的な話】(飛ばしてください)

薬剤師は化学構造からその物質がどんな色なのか、匂いなのか、水に溶けやすいかどうかを判断します。
例えばアスコルビン酸の構造を見るとOHがたくさんあります。OHは酸素と水素を表す記号ですが、H2O(水)と非常にくっつきやすい性質があります。
(水素結合といいます)
水分子とくっつきやすいということが推測できれば、水に溶けやすいということが分かります。

また、炭素-水素構造が多い物質ほど油に溶けます(脂溶性)。
脂溶性のものは体内で吸収されやすく体内に残りやすい性質があります。(細胞膜の構造上の性質です)

摂取量に上限が決められているビタミンはすべて油に溶けやすい脂溶性のものです。
摂りすぎると体に残ってしまい過剰摂取になってしまうからですね。

その物質の構造を見ただけで色や匂い、味、毒性などなどが分かるのは非常に興味深いですよね。

最後に

なぜビタミンCについて書こうと思ったかと言うと、社会的な共通認識が間違ってるということが多々あると感じたからです。

例えばビタミンCを例にとると、企業広告としてビタミンCは「酸っぱい」「黄色い」という認識に誘導すると商品の購買意欲向上に繋げることができます。

みなさんが思う当たり前は、ほとんどは誰かによって作られたものというのはすごく面白いですよね。

みなさんも身の回りの当たり前をぜひ見つめ直してみてください♪

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