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カジュアル環境のデッキパワーについて
今回は、カジュアル環境のデッキパワーについての話をします。先に断っておきますが、だからカジュアルはつまらないとか、馬鹿だとか、そういうことを言いたいわけではありません。
1. 想定する環境
まず、前提として、どのような環境を想定しているかを話します。
私が想定している環境は、「デュエル動画」や、そのような動画を撮っておられる方々が開く「オフ会」です。なぜなら、私もデュエル動画に出演したことがあり、今でも、そういった方々と対戦したり、そういうオフ会に参加したりしているからです。
ただし、「デュエル動画」「オフ会」と言っても、すべてのデュエル動画、すべてのオフ会のデッキパワーが統一されているわけではありません。私は多くのオフ会に参加したことがあるわけでないのですが、聞いた話によると、地域によっても、デッキパワーに違いがあるようです。
今回は、私が他の地域を知らないこともあって、厳密な定義ではなく、あくまでも「これくらい」という曖昧なニュアンスで話を進めさせてもらいます。
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2. 妨害の有無
カジュアル環境では、トーナメント環境に比べて、「妨害を置く」ということが警戒されがちです。場合によっては、「カジュアル環境では妨害を置くな」と考えている人も居るでしょう。
実際、5期~6期くらいの時代ではありますが、私の周りでも、「妨害は置かない」という不文律があったように思います。誰が言い出したというわけではなく、自然と、妨害をしないことが紳士協定になっていました。
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これには、トーナメント環境側からの批判があります。それは、「妨害を置かなければ、ワンキルし放題になるのでは」という批判です。
これは、ある意味では正しく、ある意味では間違っています。基本的に、カジュアル対戦をする人は、デッキパワーを抑えることで、そのような事態を回避しています。しかし、それはあくまで紳士協定でしかなく、協定を無視したデッキを組む人が現れないとも限りません。
では、何故このような紳士協定・不文律があるのでしょうか。それは、カジュアル対戦では、「相手を不快にさせない」ことを求められているからです。自分のやりたいことをやりつつ、相手のやりたいことを阻害しない。そのためには、妨害を置いてはならないのです。言ってしまえば、カジュアル対戦では、自分はゲームを通して楽しむ「プレイヤー」であると共に、相手を楽しませる「演者」あるいは「奉仕者」でなければならないのです。これは、誰かが明言したわけでも、誰かが規定したわけでもありません。ただ、根底には、このような思潮が流れているのではないかな、と私は感じています。
これは、非常に面倒臭いことです。しかし、カジュアル対戦に身を投じている人たちは、その面倒臭さを分かった上で、それを乗り越えた先にある楽しさを求めているのです。
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しかし、この流れも、今では少しずつ変わって来ています。というのも、遊戯王OCGのインフレが激しく、たとえカジュアル対戦であったとしても、「妨害を置かないデッキ」を組むことが難しくなっているからです。そのため、現在では、カジュアル環境でも、ある程度であれば妨害を置くことも許容されつつあるように感じています。
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3. 許容される妨害量
では、どの程度までなら、妨害は許容され得るのでしょうか。
それこそ、「1. 想定する環境」で述べたように、場所によって変わるところなのですが、私は、以下のように考えています。
・量としては、1~2妨害程度。
・全体除外や《スキルドレイン》のような、被害の大きいものは禁止。
・手札誘発は入れないか、入れても少ない枚数しか入れない。
これに関しては、言語化できるような理由や根拠はありません。ただ、自分が色々な人と戦った上で、肌感覚として感じたものになります。
実際に、戦っていて、1~2妨害を構えられたことは何度もありますし、私もそれで気分を悪くしたというようなことはありません。
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4. 妨害を貫通する
ここで、考えなければならないことがあります。それは、「妨害を貫通する」ということです。先攻側が妨害を置いてくるということは、後攻側は妨害を貫通できる必要があります。先攻側の心理として、後攻側が何もできないままではサンドバッグを殴っているようなものでつまらないでしょうし、後攻側の気持ちとしても、妨害を貫通できないまま負けてしまっては楽しくないと思います。先攻の妨害を許容するということは、後攻を取ったときに妨害を貫通できるようにデッキを組まなければならないということと同義なのです。
しかし、これは非常に難しいことです。そもそも、トーナメント環境であっても、妨害を貫通できなくて負けるということは多々あることです。
・《ふわんだりぃず×ろびーな》に《無限泡影》を当てられて止まってしまった。
・《ティアラメンツ・レイノハート》に《灰流うらら》を当てられて止まってしまった。
・《超重神童ワカ-U4》に《増殖するG》を当てられて止まってしまった。
これらは、ただ下振れただけだと言う方も居るでしょう。実際、上振れれば、これらのデッキはこの程度の妨害を貫通できます。しかし、下振れれば貫通ができないことも、また事実です。しかも、その確率は決して低いわけではなく、現実的に何度でも起こり得る確率です。
このように、トーナメント環境のデッキでさえ、1妨害を貫通できなくて負けることは数多くあります。であれば、カジュアル環境のデッキを、1妨害を貫通できるように組まなければならないということが、難しいことだということは分かっていただけたでしょう。
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ただし、カジュアル環境のデッキは、トーナメント環境のデッキと違って、「汎用の妨害カード」をあまり入れなくて済むというメリットがあります。つまり、トーナメント環境のデッキと違って、40枚すべてを展開用の札で埋めるということも可能ということです。
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5. 目指すデッキの方向性
では、具体的にどのような方向性でデッキを考えれば良いのでしょうか?
これに関して、私は、現在3つのプランを持っています。
これから、それらを順番にご紹介します。
Aプラン
これまで述べてきた通りに、先攻は1~2妨害、後攻は1~2妨害を貫通できるようなデッキ
最初は、これまで述べてきたことをそのまま実現するプランです。
しかし、これは、「4. 妨害を貫通する」の項でも述べたように、なかなか難しいものになっています。現に、私はこのプランでデッキを完成させたことがほぼありません。
そのため、別のプランを考えます。
Bプラン
後攻でも妨害を貫通できるほどの展開力を持ちながら、先攻では大型モンスターを立てるだけであまり妨害しないデッキ
次は、Aプランの派生系のようなプランです。
今回も、妨害を貫通できるほどの高い展開力を持たせることは共通しています。しかし、高い展開力を持つということは、先攻で多くの妨害を立てられるということに繋がりかねません。例えば、前回記事のデッキは、高い確率で毎ターン5妨害を作ることができてしまいます。そのため、カジュアル環境で使うことができないデッキになってしまいました。
そこで、展開力を高くしながら、妨害をしないという方法を採ります。しかし、高い展開力を持っていても、妨害をしないモンスターを並べたところで、意味はないように見えます。言ってしまえば、舐めプのように映るでしょう。そのため、妨害ではなく、耐性を持った大型モンスターを並べることにします。このとき、あまりに耐性が強すぎると無理ゲー感が出てしまうため、「それなりの耐性を持った大型モンスター」を複数並べるようにすると、より良いでしょう。
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Cプラン
先攻は取らず、毎回後攻を取り、後手まくりだけを考えたデッキ
最後に、全く違うアプローチから考えたプランです。
そもそも、先攻を取らなければ、相手の行動を阻害することはありません。だから、後攻を取って、相手のやりたいことを全てやってもらった上で、後手まくりをするという考えです。
AプランやBプランでは、先攻と後攻ではやることが違いました。そのため、どちらの状況でも戦えるような構築をする必要があり、その分難しくなてしまいます。しかし、このプランでは、後攻を取ったときのことだけを考えれば良いため、その分の構築の難しさは緩和されます。
ただし、後手まくりの方法も、ある程度考える必要があります。例えば、「壊獣」モンスターや《拮抗勝負》のようなカードは、汎用的で、あまりにも簡単にまくれてしまうため、カジュアル環境では好まれません。何かしらの「工夫」でもって、まくることを考えましょう。
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おわりに
普段、私が何を考えてデッキを作っているか、ということを言語化してみましたが、いかがだったでしょうか。
「面倒臭い」と思われた方も多かったものと思います。どうしてこんなことを考えながらデッキを組まなければならないのか、と考えてもおかしくはないと思います。トーナメント用のデッキであれば、ただ強いデッキを作れば良いのだから、そういう「面倒臭さ」はありません。
しかし、それでもカジュアル対戦がやりたいと思っている人は沢山居ます。それは、この「面倒臭さ」を享受してでも得たいほどの楽しさがその先にはあるからでしょう。
……まあ、私は、上記のような条件を満たすデッキを中々思いつかなくて、最近はほとんど対戦できていないんですけれども……。
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