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名刺のリニューアルをしました#1

こんにちは。レタスです。
先週あたりからもうだいぶ春ですね〜。クローゼットからトレンチコートを引っ張りだし、オフホワイトの靴を買いました。春は衣替えが楽しい季節です。

さて、今月のメインタスクは

最近アップしてた記事や制作物紹介が「jopus」というプロジェクト関連のものばかりでしたが、今月は久々に会社全体に関わる制作物のお仕事を担当しました。
まさに来たる四月、春の一大イベントといえば新卒さんの入社!初めて会社の名刺を渡されると「わ〜(こんな自分でも)社会人になったんだ」って感じますよね。私はそうでした...。それに合わせた名刺のリニューアルです。
名刺って会社の顔の一つなので、自分がそれを作るとなると楽しさ半分、ちょっとドキドキもします。

これまでの弊社の名刺
今までのデザインはこちらでした。小型(85mm×49mm)で一般的な名刺より小ぶりなサイズ。

今年からは社内の組織体制が大きく変わります。また、ベトナムにも会社が増えたり、サービスも増えたり、事業部ごとの顔ももっと出していこう!という方針も諸々あり...記載情報やデザインをがっつり変更することに決まりました。

今回記事に書くこと
今回の名刺リニューアル、画面上のレイアウトやデザインどうしよう...という点ももちろんあったんですが、作っていて勉強になったことがもう一点あったんですよね。記載する情報そのものについて考えることです。
名刺に記載する内容そもそもを考えるのって、頻繁にあることじゃないかもしれないので、制作メモも兼ねて内容とデザイン面の両方のプロセスをそれぞれ書きとめておきます。
当初「名刺って会社名と所属、名前と連絡先があればOKじゃないの?」と構えていたんですが、だいぶ違いました。
一記事でまとめるには長くなりそうなので前編(この記事)・後編にわけて書こうと思います。


デザインを事業部別に

これまでとの一番大きな変化はこれでしょう。
それまでの表面は全員統一のフォーマットでしたが、表・裏両方事業部ごとに変えて作ることになりました。
・Goalist全体の名刺(以下2事業部以外に属するメンバー用)
・HR事業部の名刺
・グローバルHR事業部の名刺
→ 3パターン×各裏面(+外国人メンバー用の英語版)を制作することに。

記載情報が決まっていない状態からスタートし、どうにか入稿まで辿りつきました。ほっ。
完成形を最初からお見せしてしまいますが、最終的にはこんな感じに。3パターン作ったと言ってもレイアウトはほぼほぼ似ているんですけど、でもここに至るまで結構紆余曲折したんです...。


記載情報を考える

リニューアルにあたってまず行ったのは情報の整理。
名刺をまじまじと眺めてみると「この要素って必要かな?最適だろうか?」と検討する箇所が多々あります。これまでの記載情報に追加するものと、逆に削除するもの、変更するもの。それぞれの事業部ごとに精査していきました。

ところで
ん、会社の名刺の記載内容までデザイナーが決めちゃってんの?一体どこまでが担当範囲でゴーリストデザイン部はどんな制作の進め方してるの?という声も聞こえてきそうなので先にお答えしておきましょう。
(名刺も、時にはプロダクトでも)制作物の中身を決めていく際、完全に内容がFIXした原稿をもらってからデザイン作業に入るということは少ないです。基本的にこちら側からたたきを作ってから、デザイン部リーダーと相談→事業部長や代表に提案 & 確認 & 修正を重ねるスタイルで仕事を進めていくことが多いです。
こちらで考えていったんたたきを作り、修正しながら作り上げていく...という傾向にあるので、そういう粘土をこねくり回すような作業が好きな方は仕事がしやすいかもしれません。確認してみたら意図が汲み取れていなくて全然ずれていた!やり直さねば...ということも多々ありますが。実は今回もそう。意思疎通のコミュニケーション力を鍛えねばと日々感じる次第です...。


ちょっと脱線しますけど
そういった環境にいて個人的に思うのは。
・その制作物(今回は名刺)が使われるシーンをふまえて要素の要・不要を考えるようになる
・テキストで記載項目を並べて見せるより、始めから図に起こしたたたきがあるとフィードバックが出やすい
・タスクがふられてから割とタイトな時間で作るので、他の人が原稿作成するのを待つよりも、こちらで巻き取って一緒にやってしまった方が早い
などの点でしょうか。
特に1番目は、名刺交換時にどんな会話が交わされるのかなど、物理的な「名刺」だけではなく前後のシーンを含めた想像が必要でした。恥ずかしながら日頃箱入りであまり他社に出向く機会がないこともあり、これが結構難しかったです。
難しい...のですれど、「利用されるもの」を作るのには必要なプロセスでもあります。もちろん、内容が決まった状態でタスクを振られればレイアウトの作業から入れるので、それはそれで作業時間が短くて良い点もあるんですけどね。

名刺交換の場面をヒアリング

話が脇道にそれてしまいました。名刺の情報整理に戻りましょう。
必要な情報を考えるにあたり、箱入りデザイナーよりも圧倒的に会社訪問の多い営業部メンバーに名刺の登場する場面についてヒアリングしました。
商談のとき、名刺で話題提供できることってある?
裏面にプロダクト名を載せた方が話題にしやすい?
基本的に訪問先は東京が多いけど住所記載は東京本社だけで良い?大阪支社の情報ってどう?
などなど。
他の企業の名刺もたくさん並べて参考にしつつ、私とデザイン部のwatabeリーダーで記載情報について考え、たたきを代表に確認してもらいました。

代表からのフィードバック

いったん商談時に使うケースを考えた...つもりではありましたが、代表や事業部長からのフィードバックでは、
・サービスの商談のみではなくビジネスを広げるための会食時などにも名刺を利用する
・大阪支社やゴーリストベトナムの住所も含め、プロダクト紹介についてももっと具体的なテキストを挿入してほしい。その場の話題にするため。
との意見が返ってきました。

そこまでガッツリ情報を載せた方が良いのかと、ちょっと予想外で驚きでした。
名刺は会社と所属、名前、連絡先を伝えるのが主な役割で、むしろ他の情報が過多にならない方がいいのでは?と考えていたからです。営業部メンバーからのヒアリングを反映させて、裏面にサービス名は載せることにしていましたが、それ以外は極力省いた形でたたきを作っていました。


他社とは違うこと
ちなみに、他の企業さんの名刺では、裏面に企業名や代表的なプロダクトのロゴのみや、ビジョンの標語が載っていたり、というパターンも多くありました。そういった構成はロゴやカラー、言葉の印象が強く残り、シンプルで潔い良さがあって素敵だなと思います。
一方、今回の件で現在の弊社が同じような構成をとるのはベストではない...ということにも気づきました。名刺一つにしても会社の知名度や事業のフェーズ、名刺を渡す場面や対象(渡す業界の方は?日本の企業なのか?外国の企業なのか?)などいろいろな条件で定めていくものなのだなと実感。見た目や印象よりも実用性が先にあるというか。改めて思う事ですけど、当たり前だけど名刺って「ビジネスツール」なんですね。
現在弊社では新規事業のアクセルを踏んでる真っ只中なんですが、会社全体のミッションやビジョンを載せただけでは相手に何屋なのか伝わらない、ということが起こり得る。あるいは名刺交換後に相手がそれを見返してもどんなビジネスをしているのかすぐに思い出せないという可能性もある、等々。
もっと名刺の利用場面や役割について深く知ることが必要だったのでした。

名前を伝えるだけではない「名刺」

「名刺を作る」ということだけに関して言うなら、学生時代にも1,2回ほど制作する課題がありましたし、ウェブ上でもベーシックな名刺の作り方、注意点について書かれている記事があります。
が、前者の学生時の課題で求められたのは個人や肩書きについてビジュアルを工夫して表現することだったり、後者のウェブ上の記事では、文字サイズは最低6ptを推奨する...などの基本的な視認性やレイアウトに関するものだったり。
名刺上にある何の情報がどの場でどう会話されてる?そしてそれがどうビジネスの種まきになってる?なんてこと、なかなか考える機会はなかったです。10センチにも満たないほんのちっこいカードですけど、名のりの目的だけではくて、ちゃんと機能を持つもの、盛り込ませるものなのだな〜と再認識する機会になりました。

後編へ続きます〜