インポスター症候群 克服への道【序章】
「インポスター症候群なんじゃない?」
そう言ったのはパートナー氏だった。
インポスター症候群というのは、仕事に成功し評価されているにも関わらず自分を過小評価してしまう心理状態のことで、
『自分は過大評価されている』
『本当の自分はそんなに凄くないのに』
『自分が成功したのは運が良かっただけだ』など、
自分に対する周囲からの高い評価を受け取ることができず、まるで自分が周りを騙しているかのように感じてしまうのだと、彼は説明してくれた。
このシンドローム、米国では比較的知られており、黒人初のファーストレディとなったミシェル・オバマやハリーポッターの女優エマ・ワトソンなど、「え!?まさかこの人が?!」と驚くような社会的に活躍している女性たちもインポスター・シンドロームで苦しんでいたことをカミングアウトしているそう。
(インポスターとは「偽物、詐欺師」という意味で、別名、「詐欺師症候群」とも言う。)
その説明を聞き、確かに、いや、きっと、と言うか間違いなくそれだ、と思った。
というのは、私は誰かに褒められたり高評価をもらったり、好かれたりすると、非常に嬉しい気持ちと同時に、謎な居心地の悪さを感じることがあるのだ。
また、これまでに自分が思ってもいなかった素晴らしい仕事をする機会が何度もあったのだが、それについて高評価されるたびに、「自分は運が良かっただけ。別に普通。誰でもできること。なぜ自分にこの役割をもらえたのか分からない。本当に自分は出会い運がよく、運がいいから、たまたまこの役をいただいただけ」と心の底から思っている。
周囲の人たちから「いや、そんなことないでしょ。あなただからその仕事を頼まれたのだし、あなただからこの評価を得られているんだよ」と言われても、「いや、本当に運が良かっただけだよ」と思ってしまう。
つい最近も複数の人たちから高評価をいただき、褒めちぎっていただく機会があった。やはりと言うべきか、嬉しい気持ちと同時に、謎な居心地の悪さを感じ、悶絶して苦しんでいる。(そう。これはかなり最近の出来事なので、現在進行形、悶絶-ingである)
思い返せば、なぜかこの数ヶ月の間に連続パンチのように、色んな角度からおのれのインポスター症候群を突きつけられる出来事があった。
これはきっと、「そろそろインポスター症候群と向き合うべし!」という天からのお告げに違いない。
ということで、今回から、私の、私による、私のための、「インポスター・シンドローム克服日記」を始めることにします。