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一次創作オタク向け:フリーゲームの作り方④ プログラム編

こんにちは。
超初心者向けフリーゲーム制作講座の第四弾、プログラム編です。
第三弾ではシナリオや素材の注意点について説明していますので、もしよければご覧ください。


※立ち絵は後半のお楽しみ

前回は実際にゲームのシナリオを書き、そこで必要となった素材を書き出してもらったかと思います。それでは次は素材の準備か、というとそうではありません。

これを読んでくださっているあなたは、おそらく立ち絵やイラストなどが得意な方だと思います。多分ですが、立ち絵を描くことなどには苦痛を感じにくいのではないのでしょうか。この記事の第一弾では、「ゲーム制作において一番大切なのはモチベーションだ」という話をしました。モチベーションを維持するコツとして、得意な作業をとっておいて、苦手な作業を先にやる方法が有効です。

今からするプログラミングは、慣れていないとかなり苦戦するかもしれない部分です。途中で嫌になって横になる場面も多々あるでしょう。立ち絵など、あなたが得意な作業は、どうしても進まない時の気分転換のために取っておいてほしいのです。立ち絵のラフを仮のグラフィックとして、後半で清書していくとテンションが上がりますよ!
ゲーム制作のいいところとして、色んな作業を並行して進めやすいというところがあります。同じ事ばかり何時間もしていると嫌気がさしてしまいますが、別の分野に切り替えて作業をすると続きやすいです。算数の後に国語のドリルをやるのと同じです。

チュートリアル

プログラムと聞いて、みなさんはどう思われたでしょうか。
正直よくわからない、やったけど挫折した、という方が多いかと思います。
ゲームを作る上で、プログラムを作ることは避けては通れません。経験がなく、不安に思う方もいるかもしれません。でも大丈夫、そんなあなたのためにゲーム制作ツールがあります。

レンジはとても便利で、ボタンさえ押せればレシピなどなにもしらなくても料理を作ることができます。
ただし、説明書を読まなければ、そこまではたどり着けません。

ゲーム制作ツールは、難しいプログラミングの知識がない人でも、簡単にゲームが作れるようになっています。
ただし、公式資料を読まなければ、使い方はわかりません。

家電に説明書があるように、ゲーム制作ツールにも説明書があります。
説明書通りにごく小さなゲーム(3分にも満たないもの)を試作することで、効率よくツールの使い方を学ぶことができるのです。
逆に言うと、この試作をせずに作り始めるとめっっっっちゃくちゃ遠回りになります。自分が作りたい内容じゃないから、といってスキップするにはもったいないほどの経験値が得られる、大事なステップなのです。
立ち絵や文章などは、自分が描いたものなどに差し替えて楽しんで大丈夫ですから、必ず試作してからゲーム制作に取り掛かるようにしてください。これはゲーム制作ツールのみならず、ほかのプログラミング言語などにも応用できる重要な考え方ですので、覚えておいて損はないはずです。

前回紹介した各ツールの公式資料、おすすめの学習サイトをご紹介します。


ティラノビルダー

一番初心者向けだと紹介した、ノベルゲームに特化したツールです。こちらは公式にチュートリアル資料があるため、まずはこれをしてみましょう。チュートリアルを終えるまで1時間もかかりませんし、簡単なのでぜひ。

また、有志の方が作ってくださったWikiもあります。
「日本の小学6年生から対象」とのキャッチコピー通り、どれもわかりやすい内容となっているので、行き詰ったらこちらを見てみてください。

900円でガイドブックを買うこともできます。

「カッコいい演出とか、便利な機能を作りたいけど、自分で作れる気はしない……」そういうときのために、公式やユーザーの方が沢山の機能を用意してくださっています。数クリックで実装でき、簡単に使える優れものです。もし何か機能が欲しいときは、まずはここを見てみましょう。


ティラノスクリプト

ティラノスクリプトはティラノビルダーとは異なり、テキストエディタでの編集が主な作業です。タグと呼ばれるコマンドを指定していくことで、立ち絵の表示やセリフの表示をしていきます。一個一個書いても動くのですが、何しろ沢山書くことになるので、効率的な方法を取りたいところです。

前回のシナリオ編で紹介した「Mery」というテキストエディタには、ティラノスクリプトが書きやすくなる拡張機能が用意されています。ほかにも「VSCode」「サクラエディタ」「Atom」といった各テキストエディタに対応した補助ツールがありますので、まずはこの導入をお勧めします。

ティラノスクリプトにも、ティラノビルダー同様にチュートリアルが用意されています。基本的な学習のため、まずはこちらをクリアしましょう。

そしてティラノビルダー同様、有志によるWikiも存在します。

ティラノスクリプトは自由度が高い分、問題が発生しても自力で解決しなければならない場面が増えてきます。行き詰った時は、公式サイトにある「タグ解説」もチェックしてみると、解決の糸口が見つかるかもしれません。
各コマンドの詳しい仕様が書いてあります。「何時間も直せなくて悩んでた部分が、もともとそういう動きしかできないっていう機能だった……」というような事態を早めに解決できます。

有料(1200円)のガイドブックも存在します。もし資金に余裕があるならご検討ください。

ティラノビルダーと同じサイトに、様々な機能を借りることができるサイトも存在しています。


Light.vn(ライトヴィエン)

マップを歩く、読み上げ音声を付ける、リアルタイムプレビューなど、かなり多様な機能を持つLight.vn。比較的新しいツールであること、公式コミュニティが活発なこともあり、手厚いチュートリアルが用意されています。

公式Discordへのリンクが乗っているサポートページもぜひご覧ください。


WOLF RPG Editor(ウディタ)

ウディタには「基本システム」と呼ばれる機能が最初から用意されています。メニュー画面、戦闘、パーティーメンバーの離脱や合流といった、RPGに必要な基本的な機能はすべてそろっています。自力でシステムをくみ上げるよりかなり簡単に作ることができるので、初めて作るならこの機能を活用しない手はありません。というか、しないとつらくなります(なりました)。もしRPGとは違う独自のシステムを作りたいんだ!という場合でも、基本システムは入れたまま作りましょう。一から作る場合、本当にセーブやロードから作ることになります。

そんな基本システムの使い方を解説してくれているのがぴぽやさんによる「はじめてのウディタ」です。小さな短編RPGの作り方を、基本操作からリリースまで説明してくださっています。

公式の逆引き辞典も存在しています。
わかりやすく書いてくださっているので、困ったらまずはここを見ましょう。

そして、ユーザーの方が作った機能(コモンイベント)が無料で配布されているサイトもあります。機能が欲しくなったら、ここを探してから自作を検討しましょう。

困ったときは

制作を進めるうち、突然エラーが出て動かなくなったり、バグがでて途方にくれたりすることがあるかと思います。
そんなときには落ち着いて、次の方法を試してみてください。

  1. 不具合、バグが出た場所をスクリーンショットする
    エラーが出ているなら、エラー内容をそのままGoogleで調べる
    ※例「ウディタ 1フレームの処理が10000回を超えました」

  2. どんな条件で、何をしたときにその不具合が出たかをメモする

  3. 「(制作ツール) (状況) (不具合)」でGoogle検索する
    ※例「ウディタ ループ 緑の帯」

基本的に、エラーやバグが出た時には落ち着いて対処することで解決できます。Twitter(X)のツイート検索をしてみたりしながら、ゆっくり原因を調べていきましょう。

締め切り駆動方式

使うツールについての理解が深まり、いよいよゲーム制作が本格的に始動し始めたころかと思います。もう一段階やる気が欲しい!という方は、ゲームのイベントに参加することを検討してみてはいかがでしょうか。
インターネット上では、フリーゲームのコンテストやフェス、イベントが数多く開催されています。一年に一回、定期的に開催されている場合が多いので、作品を完成させる締め切りとして参加するのも楽しいですよ。
賞金が設定されている場合もあるため、夢をもってゲームを作ることができます。

※いくつかのイベントを紹介しますが、これらは主催者の方が善意で運営してくださっているものです。主催の方々の体調などもありますので、必ず開催され続けるわけではないことを留意してください。

ティラノゲームフェス

ティラノスクリプト、ビルダーで制作されたゲームを対象に行われているオンラインイベントです。応募条件が幅広く、参加ハードルが低い大会です。

新人フリコン

名前の通り、ゲームを始めたての方をメインとしたコンテストです。ベテラン部門もあるので、是非チェックしてみてください。

クリエイターズ文化祭

こちらはオンラインイベントになります。全年齢からR-18作品まで幅広く受け入れてくださっています。

WOLF RPGエディターコンテスト

ウディタで作られたゲームを競う、年一回のコンテストです。ゲーム性の高さが焦点となる傾向があり、最初に出すには少しハードルが高いかもしれませんが、挑戦してみるのもいいですね。

最後に

ここまでお読みくださりありがとうございます。
次回は「プログラム編」として、各ツールの学習の仕方、行き詰った時の調べ方などについて解説していきます。

お読みくださり、ありがとうございました。
次回はこちらです。

また、プログラム部分は難しい内容ですから、一人で考えてもわからない場面が多いかと思います。筆者が作ったゲーム制作者向けのDiscordサーバーがあるので、よければ一度ご相談ください。


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