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患者さんが病棟から出ようとする


声のかけ方

病院に勤めていた時、患者さんが病棟から出ようとするときの声掛けについてはスタッフにとても厳しく指導していました。

これは尊敬するS師長さんから教えです。
「がみがみではなくフワッとお話ししたいのよ」

例えば認知症の患者さんが、病棟から出ようとするとき、つい、「でちゃダメでしょう」「行ってはいけない」と言いがちです。
そこを「いかがなさいましたか?、なにか用事がありましたか?」と聞くようにします。患者さんは「家に帰る時間です」とか「買い物に行かなければ」と答える人もいるし、閉じ込められていると思うと逃げなければと思っている人もいます。
ダメを優先するのではなく、その人の希望を聞く。
強い口調でなく、柔らかく訪ねることにより患者さんももしかしたら注意しているスタッフの気分も落ち着きます。

もう少し後で一緒に行きましょう、食事が終わってからにしてはどうですかと誘導すことで外に行きたい気持ちが落ち着くこともあります。

書いていて一つ思ったのですが、環境設定も大切ですね。
以前の病棟はリハビリテーション訓練室に直結でした。そちらに行きたい患者さんはリハビリがしたい人でした。(一人で言って困ることもありますが、患者さんの気持ちはわかります)
病棟から出にくいように、出口が見えないようにする、出口の先の廊下や背景が見えないようにすることで外に行くという考えが起こらないように設計することも、安全のために必要かもしれません。
病棟を設計するときは考え付きませんでした。病棟設計する方に参考になれば。

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