(創作)その時彼女の目は鋭くなった
麻雀したことありますか?わたしは全く経験ありません。
私が入局した1980年代後半はすでに医局で当直しながら麻雀というところはありませんでした。4、5年上の先輩は皆さん嗜んでいたようです。
今回は介護生活を送りながら麻雀をたのしむレディのお話です。
結婚前は地域の神社の巫女さんに選ばれたほどの美人。
お料理上手で子供の服も手縫いしてしまうほど、子供達が独立してからはパッチワークに凝って、バッグやカードケースなど実用的な作品を作っては孫や友人に分けていました。
徐々に歩くのが不自由になり介護生活を過ごす彼女に欠かせないのは麻雀仲間の存在です。
彼女は実は麻雀はプロフェッショナル級。
数年前に訪問した時は、全国麻雀連盟の行末を憂い、近くの支部がなくなったことを残念がっていました。
要介護でヘルパーサービスを受ける彼女の居室の隣には
自動麻雀卓があります。
そして、週に1回かつてのジャン友が集まります。彼女は1局、他の方は長い時間麻雀をしながら遊ぶ。
デイより楽しいし、元気になれそう。
先日は占いみたいのなものよと私に坊主めくりのような、トランプのカップル&モンテカルロのようなゲームを教えてくれました。
ちょっと震える手が牌を返すは滑らかに動きます。
縦や横に進んで同じ模様の牌があれば、ひっくり返していく。
行き詰まると、ちょっとズルをしましょうと言って、離れたところにある牌を返して「ズルをしてるの😎」と笑います。
だいぶ前のことになりますが、麻雀で悪い仲間に捕まりそうな人を正しい麻雀、楽しい麻雀に誘って更生させた経験を話してくれました。悪い人がちかづいてくる地方の名士や作家さんですね。その方達のご家族もレディに永く感謝していました。
そう言うながら、「本当に強くなるには真剣勝負が必要。私は思い切りがいいタイプだった」
牌を掴みながらもペアが見えない私に指導する時、彼女の瞳が鋭く光りました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?