📝子どもの教育にAIを使う？使わない？📝

2023年12月21日 14:37

モニタリングみたいなタイトルになりましたが。

こんにちは。スクイズと申します。普段はしがないサラリーマンをしており、０歳と４歳の子どもがいる二児の父です👨
ここでは普段から様々な最新技術やコンテンツにまつわる情報を集めていきながら、サラリーマンからの脱却を目指して、先行者利益のゲットを目標に日々精進している様子をお届けします💪

今回の記事では、二児の父である私が実際に子どもにAIを使わせていくのか、使わせないでいくのかについて語っていきます👶
教育現場では、子どもの生成系AIの使用を禁止するところもあるようですが、果たして禁止とすべきなのでしょうか。

個人的な結論からすると、「使う」か「メッチャ使う」の２択です👍
ただし「適切な使い方」があるよというお話です。

１．教育に不適切な使用法

まずは個人的な意見ではなく、文部科学省による公式資料に記載されている、不適切な使用方法について、簡単にまとめてみましょう。
参考文献：「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」https://www.mext.go.jp/content/20230718-mtx_syoto02-000031167_011.pdf

「教育において適切でないと考えられる例」が記載されています。
（引用文が長いので、後ほど要約しますね。）

① 生成AI自体の性質やメリット・デメリットに関する学習を十分に行っていないなど、情報モラルを含む情報活用能力が十分育成されていない段階において、自由に使わせること
② 各種コンクールの作品やレポート・小論文などについて、生成AIによる生成物をそのまま自己の成果物として応募・提出すること（コンクールへの応募を推奨する場合は応募要項等を踏まえた十分な指導が必要）
③ 詩や俳句の創作、音楽・美術等の表現・鑑賞など子供の感性や独創性を発揮させたい場面、初発の感想を求める場面などで最初から安易に使わせること
④ テーマに基づき調べる場面などで、教科書等の質の担保された教材を用いる前に安易に使わせること
⑤ 教師が正確な知識に基づきコメント・評価すべき場面で、教師の代わりに安易に生成AIから生徒に対し回答させること
⑥ 定期考査や小テストなどで子供達に使わせること（学習の進捗や成果を把握・評価するという目的に合致しない。CBTで行う場合も、フィルタリング等により、生成AIが使用しうる状態とならないよう十分注意すべき）
⑦ 児童生徒の学習評価を、教師がAIからの出力のみをもって行うこと
⑧ 教師が専門性を発揮し、人間的な触れ合いの中で行うべき教育指導を実施せずに、安易に生成AIに相談させること

引用：https://www.mext.go.jp/content/20230718-mtx_syoto02-000031167_011.pdf
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大きく３つに分類すると
・子どもがAIの性質や情報モラルを理解しないまま使用すべきではない。
・子どもが独創的な作文を作るとき、AIの文章生成を使用すべきではない。
・教師が、教材代わり・指導・評価に使うべきではない
となります。

確かにその通りですね。

生成ＡＩはあくまで文章を生成するものであり、その内容の真偽は定かではありません。「昔々」ときたら「あるところに…」と来るだろうと、次の文章を予測して生成しているため、誤った事でも平気で出力します。
そのため出力した文章のファクトチェックが必要ですが、「子どもが果たして真偽を判断をできるのか」という点が不安材料です。
保護者が横についていることが必須と言えるでしょう。
無論、その保護者もしっかりしている必要はあります。

また、ここでは「教師」がAIを使う事に対しても言及されていました。
確かに、教師の仕事は忙しいので、効率化を図るために利用することも必要だとは思いますが、教師自身もAIの性質を理解しておく必要があります。

２．利用規約の大前提

そもそも、生成系AIには利用規約において、年齢制限の大前提があります。

ChatGPT…13歳以上から使用可能。ただし、18歳未満は保護者同意。
Bing AI…成年は使用可能。未成年は保護者同意。
Google Bard…18歳以上から使用可能。

つまり、保護者がいる場合でも、小学生はBingAIしか使えず、中学生からChatGPTが使えるようになります。
ネットリテラシーの教育を先に行う必要があるからですね。この辺りは、前述の「子どもがAIの性質や情報モラルを理解しないまま使用すべきではない。」という部分にかかってきます。
AIを正しく使用できれば、子どもの学習の一助となるので、早めにネットリテラシーから鍛えていく必要がありますね。

３．教育に活用が考えられる例

再び、先ほどの文部科学省の資料から、活用例を見てみましょう。

①情報モラル教育の一環として、教師が生成AIが生成する誤りを含む回答を教材として使用し、その性質や限界等を生徒に気付かせること。
② 生成AIをめぐる社会的論議について生徒自身が主体的に考え、議論する過程で、その素材として活用させること
③ グループの考えをまとめたり、アイデアを出す活動の途中段階で、生徒同士で一定の議論やまとめをした上で、足りない視点を見つけ議論を深める目的で活用させること
④ 英会話の相手として活用したり、より自然な英語表現への改善や一人一人の興味関心に応じた単語リストや例文リストの作成に活用させること、外国人児童生徒等の日本語学習のために活用させること
⑤ 生成AIの活用方法を学ぶ目的で、自ら作った文章を生成AIに修正させたものを「たたき台」として、自分なりに何度も推敲して、より良い文章として修正した過程・結果をワープロソフトの校閲機能を使って提出させること
⑥ 発展的な学習として、生成AIを用いた高度なプログラミングを行わせること
⑦ 生成AIを活用した問題発見・課題解決能力を積極的に評価する観点からパフォーマンステストを行うこと

引用：https://www.mext.go.jp/content/20230718-mtx_syoto02-000031167_011.pdf
5/24ページ

いくつかピックアップしてまとめると、こうなります。

・あえて生成AIの誤りを示して、生成AIの特性を教える
・先にアイデア出しをした後、足りない案を生成AIで補強させる
・英語学習や、外国人児童の日本語学習に使用する
・作文した内容を、生成AIに修正してもらいつつ、推敲する

全体的に「まず自分で考える」⇒「ＡＩを使って補強」という流れですね。
子どもの独創性を生み出してからアドバイスとして活用してもらうのが適切です。

私が子どもの頃、課題の読書感想文を書いたとき「どう書くのが正解なのか」がいまいち分からぬまま、とりあえず提出していました。
すると、とりあえず指定文字数はクリアしていたのでＯＫとなっていました。特に指摘もなく、手ごたえは全くありませんでした。
生成ＡＩに作った文章を全部突っ込んで、客観的に伝わらない部分などを指摘してもらえば、より良い文章にできたことでしょう。そうすることで、新たな気付きが生まれるはずです。

４．各教科での使用法

では教科別にどのように活用すればよいか考えていきます。
ここからは私見となります。
ChatGPTを使用する場合について考えていきます。

4-1.国語

読解力を身に付けるには、長文に慣れてそれを要約する力が必要となります。ChatGPTには長文を要約してくれるという機能があるため、自分が要約した内容と、ChatGPTが要約した内容を比較して、自分の足りなかった部分は何かを考えるなど、活用方法はありそうです。

また、古文を入力し現代語訳してもらいましたが、さすがに古文までは詳細に学習されていないのか、少し解釈が異なっていました。

伊勢物語の冒頭。「昔、ある男が成人し、奈良の都の春日の里に自分の領地があったので、
狩りに出かけた」が正しい現代語訳。

4-2.算数・数学

以前のChatGPTでは少し桁数が多いかけ算でも、平気で間違えていました。
文章生成ですので、「４桁×４桁なら恐らくこれくらいの７桁の数字だろう」という適当な出力をしてしまいます。
しかし、2023年12月現在では、掛け算を聞くと、勝手にプログラムを組んで出力するようになっているようです。これはこれで凄いですね。

また、「答えを教えずに解法を教えて」というと、その通りにアドバイスしてくれます。問題の解釈が難しい場合には利用できそうですね。

画像を取り込むこともできるので、分からない問題をレクチャーしてもらうことも可能です。
計算結果が本当に正しいかはまだ不安視される部分もありますので、全て鵜呑みにしないことが重要です。数学では簡単な解法のレクチャーをしてもらう程度に留めておいた方が良さそうです。

4-3.理科・社会

理科の計算問題や分子式構造などは、前述の数学と同様に、簡単なレクチャーのみで使うようにすれば良いかと思います。
一方、知識や用語を問われる問題については、共通して「ChatGPTに何らかの問題を入力して答えを聞く場合にはファクトチェックが必要。ならば最初からGoogle検索すれば良い」ということになります。

いちいちChatGPTを介する必要はありません。ネット上には答えが大量に転がっていますからね。（もちろん、その中でも間違った情報があるので注意は必要です。あくまでネットリテラシーはクリアしているものとします）そのため、事実を元にした暗記項目の多い教科では、実力をあまり発揮できません。

4-4.英語

ChatGPTは英語学習に使用するのが最強だと思います。特に、日本語の文章を英訳する際に、その文法が正しいかどうかを判断するときに猛威を振るいます。
ChatGPTは既に日本語・英語の両方で、人間とほぼ同等の文法で話をすることができるため、英作文のアドバイスは容易です。

もはや、隣に翻訳家がいるかのようですね。チートそのものです。
たった一文、少し誤った英文を示して「合ってますか？」と聞くだけで、品詞・主語・現在進行形・受動態などのアドバイスを徹底的に出力してくれます。

当然、ChatGPTの間違った使い方は『「〇〇」という文を翻訳して』という様な、答えをそのまま出す使用方法です。そもそも翻訳に関しては翻訳サイトがあるので、AI使わずにそっちを使えば良いじゃんという話です。

５．まとめ

今回は学校での教科別にChatGPTとの付き合い方について考えてみました。

・事実に基づくもの⇒Google検索し、正しい情報か吟味してから覚える
・理論に基づくもの⇒手順が分からない際にChatGPTにアドバイスをもらう
・作文関係⇒一度自分で考えた後、ChatGPTに適切な文に修正してもらう

というそれぞれの使用方法をすれば良いでしょう。
ただし、全てはネットリテラシーを学んでからとなります。

家庭教師や塾などにはお金がかかり、一般的に「教育にはお金をかければかける程、優秀な子どもに育つ」とも言われていますが、「24時間いつでもアドバイスを聞けて、文句ひとつ言わない」という優秀なAIが横に付いていれば、教育にお金をかけられなくても一発逆転できる可能性も秘めています。
子どもたちの成長が楽しみですね。

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