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年収600万円を超えたときの生活の変化

数年前に転職をし、年収が600万円を超えた。
それまでは年収470万円だった。

年収600万円というのは、思うに、日本の労働者の中ではひとつの区切りになっている数字ではないかと思う。
例えば、婚活をしている女性で、相手に求める条件として「年収600万円以上」をあげる人は少なくない。

年収600万円というのは、まごうことなき高年収である。

年収600万円の人はどれくらい少ないのか

国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」にもとづく集計結果は以下の通りです。

年収600万円を超える人は全体の約23%という結果となっています。足元数年は賃上げの風潮が一部企業で散見されるものの、年収600万円を超える方は依然として少数派です。

なお、男女別で見てみると、男性は全体のおよそ33%が年収600万円を超えていて、全体平均より割合は高くなっています。

一方で女性についてはおよそ8%となっていて、女性の方が年収600万円に到達する方は少数であることがわかります。

日本で【年収600万円】は何パーセント?男女別「平均年収600万円以上の業種」はあるのか

ちなみに、20代女性に限れば、年収600万円以上は2%を切る。

25歳で年収600万に乗ったわたしは、かなりの少数派といえるだろう。

年収600万円になって生活はどう変わったか

一言にまとめると、欲しいものの下位互換で我慢することがなくなった。

わたしは20代独身なので、あくまでその立場での生活の変化の話をする。
結婚している人や子育てしている人は全然話が変わってくると思う。

下位互換で我慢することがなくなった、とはどういうことか。

本当は手触りのいいユニクロのカシミヤセーターを買いたいけれど、一万円もする。高い。安いエクストラファインメリノセーターで我慢しておこう。
といったようなことがなくなった。

定食屋で、それが食べたいのならば、いちばん高いメニューであっても頼むようになった。

海外旅行は近場で比較的物価の安い国、例えば台湾やタイなどを選んでいたけれど、今では本当に行きたいところ、ギリシャやイスタンブールに行くようになった。

一方で、特に欲しいわけではないが必要だから買っているもの、消費財については変化がなかった。
年収が少し上がったからといって、買うもの全てグレードアップしようとすると、それはそれでお金は足りなくなる。

年収が数千万や数億であれば消耗品の日用品すらも好きなだけよいものを買っても大丈夫なのかもしれないが、年収600万や1,000万ではその程度までは辿り着けない。

下位互換を買うストレス

当時は気づかなかったのだが、下位互換を買うことがわたしにとってストレスになっていた。
欲しいものを買えていないのだから当たり前だ。

下位互換を買って、いちおう欲しいものを買ったような気持ちになっても、本当に欲しいものはずっと頭の中にある。

年収がまだ400万だった頃に欲しかったものの下位互換を買ったけれど、年収600万を超えてから結局欲しかったものを買い直した、ということが何度かある。
わたしの場合は下位互換なんて初めから買うべきではなかったのだ。
下位互換を買ってお得に欲しいものもどきを手に入れたつもりになっていたが、あれは全部無駄遣いだった。過去のわたしは反省してほしい。

健康で文化的な最低限度の生活を楽しめる人と、楽しめない人がいる

なにも贅沢三昧したいと言ってるんじゃない、ブランド品なんて欲しくない、ただほどほどに欲しいものを買えて、毎月美容室やネイルに行けて、友達とご飯に行きたいだけなのに、お金がなくて苦しい。

と、こないだ友達が言っていた。その友達の年収は300万台らしい。

その「ほどほどに欲しいものを買えて」のところが曲者だなと思う。

わたしが欲しいものを買えるようになったのは、年収が600万円になってからだ。
労働者の上位20%、20代女性の上位2%に食い込んでからだ。
これは結構大変なことだと思う。

ただし、欲しいものがあまりない、社会的な見栄がなく、社会的低層にいる自分に居心地の悪さを感じず、中層上層へのステージアップの渇望がない人ならば、年収600万なんてなくても、欲しいものを手に入れ、満足のいく生活を送ることができる。

わたしの友達には、たまの贅沢として、土日の午前中に映画を見に行き、帰りにパン屋でパンを買うことを楽しみにしている人がいる。彼女はそれで満ち足りるのだ。いい意味で身の丈にあった幸せを見つけるのが上手い。稀有な才能だと思う。
彼女のようなケースでは、言うまでもなく年収は600万円もいらない。せっせと働いて残業して昇格してお金を稼ぐよりも、今感じられているささやかな幸せを感じる時間をたくさん取ったほうがよい。

彼女のような幸せ低燃費タイプでない、あれも欲しいしこれも欲しい、出かけたい、趣味を楽しみたい、友達と遊びたい、をすべて叶えるような生活は、健康で文化的な最低限度の生活ではまったくない。まったく最低限ではない。かなり贅沢な生活である。

贅沢な生活をしたいなら、腹を括って高年収を目指したほうがいい。業界さえ間違えなければ、あと体力があれば、年収600万円を目指すのは、さほど難しいことではない。

幸せになれる年収は人それぞれ

健康で文化的な最低限度の生活で十分満ち足りることができる幸せ低燃費型の人は、高年収を目指す必要がない。ほどほどに食い扶持を稼ぎ、あとは自分の生活を楽しむのがいいと思う。

が、健康で文化的な最低限度の生活ではとても我慢できない、贅沢な生活をしたい幸せ高燃費型の人は、残念ながら稼ぐしかない。

ちなみにわたしは600万ではまだ足りなかった。次の区切りは800万円かな?めっちゃ税金取られるね。

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