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よく食べることの利点

わたしはよく食べる

わたしはよく食べる。実家の家族もよく食べる。遺伝的なものなのか生活習慣的なものなのか知らないが、胃腸が強く燃費が悪い。

正直外食の一人前では物足りないことも多い。高校生のときは、男子高校生向けのボリュームの学食ですら、女友達が残した余りを貰って食べていた。

ちなみに肥満でもない。BMIは標準ど真ん中であるし、背が高い人によくあることなのだが、特段痩せているわけではないのに、縦長効果でどちらかというと「すらっとしている」と言われることが多い。

よく食べること、たくさん食べないと元気にならないことはデメリットしかないとかつては思っていた。まず気を抜くと太る。そしてもちろん食費も嵩む。そりゃあ少食で済むならば済むほうがいい、健康的だしお金も使わなくて済む。体型維持のためにわざわざ時間を割いて運動しなくていい。

よく食べることの利点

が、アラサーになった今、少食な人たちからよく食べる能力を羨ましがられることが増えた。

恐らくきっかけはCOVIDだったと思う。
少なくともわたしの周りでは、COVIDに感染し発症した人のうち、少食な人は苦しい期間が長引いた。感染症状が治っても、今度は体力が著しく低下し、感染前の生活を満足に送ることができるようになるまで数が月も要した、という人が多い。
一方でわたしの周りのよく食べる人は、感染したとしても回復が早かった。倦怠感の後遺症もほとんどない人が多かった。わたしもそのひとりだ。5日間の隔離期間のうち、3日目までは喉の痛みと熱に苦しんだが、4日目にはほぼ回復し、5日目ははやく外に出たくて仕方がなかった。

よく食べることの利点、それは体力がつきやすいので、病からの回復が早いことだと個人的に思っている。

よく食べることによって病の治りが早くなるのは、何もCOVIDのような身体的な病だけではない。鬱病のような精神的な病もよく食べる人のほうが回復が早い。

わたしの姉は一時期鬱病を患っていたが、それはそれとしてよく食べた。むしろストレスを感じると過食になるタイプであったため、鬱を患っていないときより食べていた。そのせいで太ったが、家にこもっていた時期も体力や筋力をそこまで失わずに済んだため、鬱病が寛解したあとの立ち上がりが早かった。すぐに積極的に外出して人と会うようになり、心も体もみるみる回復した。

わたし自身も心療内科に通っているが、「食べられていますか?」は「眠れていますか?」の次くらいによく聞かれる。(めちゃくちゃ寝ているしめちゃくちゃ食べている)
聞くに、身体と精神は相互関係するので、精神が回復したとしても、精神を病んだ期間に弱った身体が精神の回復も遅らせるというのだ。わかる気がする。健康な精神は健康な肉体に宿るというやつだ。逆に言えば、精神を病んでしまったとしても肉体がある程度の元気を維持できたのであれば、肉体の元気に引っ張られるようにして精神も上向きになりやすい、ということだ。

よく食べると体力がつき、体力があると好きなことができる

よく食べるためもちろん体力もある。少なくとも同年代の女性たちよりかは遥かにある。

そのため、これまで「これをやりたいけど、体力が心配だからやめておこう」という判断をしたことがない。行きたいところに行き、見たいものを見て、食べたいものを食べて、やりたいことをやっている。

昨年末、行き先不明のミステリーフェリーに乗った。行き先は伊豆大島だった。伊豆大島には日本唯一の砂漠と、伊豆大島のランドマークである三原山がある。どちらも行った。行きたかったので。

もしも自分の体力に不安があったら、思い立って砂漠に行ったり山に登ったりはできなかっただろうと思う。自分の体力に自信があった、自分のやりたいことくらいはできる体力がわたしには備わっているだろうと思うくらいには体力がある自覚があったからこそ行けたのだ。ちなみに砂漠で迷子になってえらい目に遭ったが無事帰還した。

ソクラテスも食べろって言ってる

古代ギリシャの賢人ソクラテスは数多くの名言を残しているが、そのうちの一つにこういうものがある。

Eat to live, not live to eat.
生きるために食べよ、食べるために生きるな

ソクラテス(紀元前470年〜紀元前399年)

「生きることは食べること」という有名な言い回しがあるが、その由来はこのソクラテスの言葉なのではないかと思われる。

ソクラテスのこの言葉は何も食べすぎるなと言っているわけではなく、食べることは生きる手段であると自覚せよということを伝えている。

「食べることは生きること」はわたしの好きな言葉だし、本当にその通りだと思う。食べたものが血肉になり、体を作り、その体を使って我々は生きている。

食べるのをやめると胃腸の働きが弱まってさらに食べられなくなる。そして体力もなくなる。病もなかなか治らない。体力もないし病になったりもしてさらに食欲がなくなる。その悪循環だ。

もし「よく食べる人はいいな、体力があるな」と思うなら、徐々にでもいいから食べる量を増やすべきだと思う。食べたものからでしか体も力も作られない。

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