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ありがとう、そして、これから ~「俺たちなりのageHa」を終えて~

あけましておめでとうございます。

去る2021年、8月12日。

突如として発表されてしまった、新木場STUDIO COASTの閉館。その時が、残り1ヶ月を切ってしまった。

そんな中で、おそらくこんなに大きなイベントは最後だろうというパーティー。秋葉原MOGRA、渋谷clubasia、川崎月明かり夢てらす、合同主催。「俺たちなりのageHa」に行ってきた。

そこで感じた全てのageHaの思い出、そこに連れてきてもらうまでに辿った全ての音楽たちとの思い出をつらつらと書いていきたい。暴カワの時にもこんなこと書いた気がするけど。お付き合いください。よろしくお願いします。

ここに立っている自分の全てを作り上げたものが全て、そこに存在していた夜だった。アニソンも、インターネットも、ダンスミュージックも、それを通して知り合った人達も、みんなそこにあった。ageHaの後ってもう毎回最高だったって言ってると思うけど、その中でも絶対の自信を持って最高だったって言えます。

印象的だったこと。まずすごかったARENAはMasayoshi Iimoriさん。それまで平成のアニメソングで思い出に浸ってきたところで、まさに今自分の中で熱いベースミュージックを浴び切った。最高に燃えた。夜はまだここから長いというのに。

イイモリさんが終わってから、知り合いでもあるWATERのゆべしさんの勇姿を見届けに。月夢ってこんなだっけ?って思うようなアニソンとKawaiiを織り交ぜる自分の大好きなスタイルをこのageHaでも貫いててかっこよかった。そして電音部の新曲、NEW FRONTIER!がかかったところで...

隣にいたオタクがプールに飛び込んだ。

いや、噓だろ...?一応説明するとageHaのWATERというフロアにはプールがあって蓋とかはないので普通に落ちるんだけど... いや終わり際ならともかくこんな中盤で飛び込む奴がいるかって... まぁ最後だし面白かったけど。その後各方面から𠮟られてたところまで含めて面白かった。

そして人がずっと外に溢れてるBOXフロア。こんなBOX見たことないけど...?という感じだったのでGeneZもサノカモメさんもYUC'eさんも音漏れするしかなかった...

その後は外でよくイベントでお会いする電音部の統括プロデューサーの子川さんと話したり。今回は同じく統括の石田さんと客として来てたnaePi-YOさんときあと先生とかいうとんでもメンツに混じって乾杯させてもらってしまった。(何で?) そこでまた電音部こんなことやってほしい!みたいな話をいろいろしたり。今年も電音部、面白くなりそうです。そんなことをしていたら今回こそは見たいって言い続けてきたGenickさんをまたしても逃しました。悲しい...もうRIPTokyoに行くしかないのか...?

そして、言わずもがな、今回のメインイベント・kz先生を見に。その空間で、蘇ったいくつもの記憶。

高校時代、塞ぎ込んでいたいた自分がたまたま聴いたkz先生のミクから、今の全てが始まったこと。ニコニコで超会議やボカニコナイトのDJを見ていた頃のこと。kz先生の音に魅せられて、人生初のライブ遠征をClariSでやったこと。ageHaという箱の存在も、この出会いがなかったら知ることもなかったかもしれない。そんな、恋と呼んでも差し支えない感情を抱きながら今に至っている。

この日見たその光景は、kz先生が作り上げた歴史そのもので、今の自分を作り上げた全てだった。全てが始まった曲・Packaged。そして、俺妹の名曲・reunion。

ageHaはなくなるけど、ここからまた新しい物語が始まっていく。何年も好きだったこの歌はこの夜に文脈として完成した。音楽で手を取り合い、夢を見るひとときは、これからも続いていく。

その後のことは何をやったかよく覚えてないけど、自分をクラブに引きずり込んだ全てがそこにあったことだけ覚えてる。そしてそれを見ている場所はもう暗い部屋じゃない。楽しいひとときを共有している人達に囲まれながら、暗い部屋で見ていた「楽しそうな人達」の1人に自分もなっていた。最後にそれを体験出来てよかった。ありがとうございました。

それからイノタクさん。実は今回は別の人のところに行こうと思ったがやっぱり抗えなかった。暴カワからこの短い間で何回も見てきたはずなのに、最後と分かるとやっぱり感慨も一入だった。ageHaで最後に聴く3時12分。そうだ。ageHaにせよ、箱っていつなくなるかわからない、そういう意味でも「不安定で歪な場所」なんだ。続いていくものじゃなく、「続けて」いかないといけないもの。そんなメッセージがあったのかもしれない。いろいろな感情が渦巻いた。来ないで、次の朝よ。あの夜そこにいた人間の総意だったと思う。

MU2020の時に一番衝撃を受けたDJ・youthaquaさん。この日も圧巻の、どうしてそれが繋がるんだの連続を見せてくれた。これをARENAで見れたのは本当に貴重な体験だったと思う。これもまたクラブ。あの時衝撃だったラジオ体操とライオンの繋ぎは今聴いてもやっぱり訳が分からなかった。

そしてそして、これが終わった後、僕はとうとう、kz先生と直接話す機会を得ることができた。kz先生の音楽があって、初音ミク、電子音楽、クラブという場所に出会えたこと、告白にも近い感謝を伝えることができた。やっと。もう悔いはないと思った瞬間だった。

そして最後のワイパさん。ageHaが出来てから20年間、アニメとサブカルが辿った音楽史がそこに凝縮されていた。そしてageHaという場所との別れの曲としてかかったのは藤井風の「さよならべいべ」。最近好きになって聴きまくっていたアーティストの曲で、思い出の箱に別れを告げる、自分としてはこれ以上ない選曲だった。ありがとう。

そしてラストフィナーレは、やっぱりTell Your World。この曲がなかったら生まれなかったであろうものがたくさんある。もちろん今の自分も。この曲が生まれて10年。そして新たな10年が、あの瞬間から始まった気がした。

こんなに素晴らしいイベントを作り上げてくださったMOGRAのD-YAMAさん、月夢のMuraさん、asiaのスーさんはじめ運営の皆さん、ageHaスタッフの皆さん、出演者の皆さん、感謝してもしきれないです。本当にありがとうございました。

そして。ageHaという場所はなくなるけど、これからは自分たちが「俺たちなりのageHa」をやっていく番なのかもしれない。今年は自分にとってもいよいよ大学を卒業して社会人になったり、Twitterでこそそのことに愚痴を言ったりしているものの、間違いなく転機の年になる。今年こそはの気持ちでDJを始めたいと思っていたりするわけだけど、もし現場に立たせてもらえる日が来たらどんなプレーをしたいかまでこの夜なんとなく浮かんできた。たくさんの人にたくさんの夢を見せてもらったこの場所から、自分も、何か自分に自信を持てるような未来にしていきたいと強く思った。それが音楽でも、それ以外のことでも。

これで終わり。感想と呼べるかもよくわからない代物が出来上がってしまいましたが、最後まで読んでくれた皆さんありがとうございました。改めて、2022年、楽しい1年にしていきましょう。そして、これを読んでもし少しでもクラブに興味持ってくれた人がいたりしたらぜひ行ってみてほしい。未成年の方、成人になるまで頑張って楽しい場所を守るので、成人したら一緒に音楽と素敵な夜をやろうね。待ってます。

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