スパイスとして有名な「シナモン」

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シナモン
学名:Cinnamomum verum
科名:クスノキ科
和名:セイロンニッケイ
使用部位:樹皮
原産地:中国、インド、スリランカ

シナモンにまつわる話
 多くの人がシナモンと聞くと、シナモンロールなどの甘い香りを思い出すのではないだろうか。シナモン歴史は大変古く古代エジプトではミイラの防腐剤に使用され、旧約聖書に登場するモーセが聖別のために使用する聖油にシナモンを加えたことを示す記述がある。日本にも8世紀にはすでに生薬として伝来している。そんな歴史をもつシナモンだが現在は「シナモン」「カシア」「ニッキ」の三種類が知られているが、厳密にシナモンと呼ばれる植物はスリランカ産のものだけである。それぞれ風味に微妙な違いがあるものの、日本では香りが高い「カシア」の人気が高い。1世紀のローマではシナモンの価格は当時の銀の15倍とされ、中世のヨーロッパでも供給量が少なかったことから、シナモンを手に入れることができたのは裕福な人々に限られた。16~17世紀にかけてヨーロッパがアジアに進出したのはシナモンを含む香辛料貿易の独占も目的の一つだったといえよう。現在ではシナモンの流通や栽培も増加し、誰でも簡単に手に入るようになった。
 シナモンが薬用ハーブとして用いられたのは紀元前2700年前の中国で、「発熱、下痢、生理不順」などの治療に用いたと記述が残されている。インドではアーユルヴェータの医師たちが「消化不良、生理不順」を中心に処方し、中世ヨーロッパの医師は「咳や喉の痛み、消化不良」にシナモンを勧めたとされる。現代のハーブ療法ではシナモンは「消化器系の不調、風邪の諸症状、肺の感染症」などに使用され、末梢血管の循環を改善するため体を温める効果もあるとされる。
 その他に、糖尿病にもシナモンは効くとされている。近年、シナモンには血液中のインスリンに似た作用があるとされている。また、シナモンの樹皮にはポリフェノール化合物のメチルヒドロキシカルコンという成分が含まれており、この有効成分が糖尿病患者の血糖値を下げると考えられている。他にもインスリンの受容体に働きかけてグリコーゲン(貯蔵多糖)の生成を促進する。そして、ポリフェノールの抗酸化作用は糖尿病の合併症への効果も期待される。シナモンは漢方として使用される場合は「桂皮」と呼ばれる。

効能
抗菌、発汗、健胃、精神高揚など

シナモンの使い方
【ハーブティーとして】

シナモン単体でお茶にするよりも、紅茶、コーヒー、ココア、他のハーブなどとブレンドすると独特の香りや味がうつってさらに美味しくいただけます。
効能としては辛味成分が身体を温めてくれるので、冷えからくる諸症状や下痢、生理痛の緩和をしてくれます。

作り方
1、鍋でお湯(400ml)を沸かし、細かくしたシナモンスィック(1本)を入れる。
2、薄く色づくまで沸騰させ、その煮出した液を紅茶(ティーバック2袋)に注ぎいれる。
3、お好みで砂糖や牛乳を加える。
★、その他にシナモンスティックをスプーンの代わりに添えて楽しむこともできます。

【気になる方は画像をクリック】
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【料理として】
シナモンはお菓子や紅茶、カレーなどの香りづけとして利用されています。アップルパイや生地に練りこんで使用するシナモンロールなどが有名です。甘味と香り、かすかな辛みがシナモン独特の味わいを作ります。

【クラフトとして】
欧米ではクリスマスのシーズンになると、家中にシナモンを使ったデコレーションをする文化があります。リースやポプリなどを作って冬の季節を楽しむこともできます。

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