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移住定住施策の質疑あるある。「アピールポイントを強く出さないのか?」

よく議員からご意見やご質問を受けるもののひとつが、

「市の施策で、
これをやってるんだというアピールしたいものは何か?
もっと移住定住施策としてアピールすべきでは?」

です。

今日も議会委員会でこの話題になりました。

市役所で移住定住施策の担当をされている皆さんも
もしかしたら、このようなご意見、ご質問に、
私同様、動揺していませんか?

「こ、こたえられん!」と。



私も6年半の議会答弁の経験しかありませんが、
総合計画をつくったり、
企画を担当したりしていたので、
難所はいくつもくぐり抜けている認識があります。
議会答弁には一家言があります。

議会での答弁は、
やったこと、やろうとしていることから
逆引きで組み立てるものです。


無責任な答弁は不誠実です。

自分の感想を述べるところでも基本的にありません。
(たまに質問されますが)
市長の補助機関である職員として、
市長の考えと一致した答弁で、かつ、
過去の答弁の流れ、現実の状態、
今後の予測を汲む答弁が必要です。


なので、
「こ、こたえられへん!」と思った皆さん、
こたえられないなら、
こたえられなくていいんです。
きっと、
これまでも誰も答えていないと思います。
むしろ、だから質問されているんだと思います。


もし、「はい!あります!やります!」なんて答弁をしたら、
もう、「なにやんの?」と、2秒後には言われます。

ね、できないでしょう?

こたえられない時点で答えは決まっているんです。
「あります!やります!」答弁は、絶対無理です。


もし、私たちのトップである市長が、
政治力、思考力、発言力に長け、信念がある人であれば、
このような質問はされることはありません。

なぜなら、
もう既に市長がご自身で十分アピールしているはずだからです。


「こういうまちにしたい!」
「アピールしたいのはこれ!」
と。


この質問への答弁に職員が困る時点で、
すでに市長からそんな発信がされてないわけです。

こんな意見、質問が出る時点で、
少なくとも議員にも、何がしたいのか、
市がアピールしている施策は何なのか、
伝わってないからなのです。

また、
職員である自分すらわからない時点で、
市長からは少しも聞いていないし、
ましてや指示なんて、されていないわけです。


うちの場合、今の市長になって、3年半。

こうやって言われるということは、
市長から「これを!」という信念が
あるのかないのかは別にして、
議員や職員にまだ伝わってないってこと。
むしろ、
「ない」と伝わってるかな。

でも、私たち市の職員は、それでも、
移住定住施策担当者ともなれば、
引っ越しを考えている人たちに対して
アピールできるものを用意しなければなりません。

そこで、
「移住定住パンフレット」なるものは作るわけです。


じゃあ、どうするか・・・





どうしてます?




うちにあるいろんな施策を
例え小粒でも、いろいろありますよ、
他市と遜色ありませんよ
と小声であれこれ伝えるのみです。

どれか1つにアピールを絞るのではなく、
いろんな施策がありますよ、
いろんな価値観の人が暮らしていますよ、と、
お伝えするしかないわけです。

その点、前明石市長ははっきりとした信念を持っていましたね。
ずっと同じ事を言い続け、浸透したと思います。
言ってること、行動が一致された方とお見受けします。
だから、その信念のもと、いろんな施策が展開されるわけです。

たとえば、前明石市長は、
おむつを配りたかったわけではないんです。

おむつを運ぶために訪問したときに、
おむつを運び入れるだけの幅のドアを開け、
親子の様子を見て、会話して、
「気づく」ことがしたかったのだと思います。
「こどもファースト」だから。

信念があれば、やりたいことがあれば、
アピールできる施策はうまれてきます。

そして、それがない自治体の場合、どうするか。
それでも移住定住施策として何かしなければなりません。

人は、住む場所を選ぶときに、
何か1つのことだけを選択肢にすることはあまりありません。
いろんなことを総合的に見て、判断して、選ぶわけです。
なので、
いろんな施策がありますよというのが
アピールポイントです。と答えるのみです。


極めて、役人ぽい考え方ですけど、
しょうがないんです!

だって、現実、そうなんだもん。


ただ、ここからがせめてものところですが、

この施策です、といろいろ並べて
もうそれで終わり、ではなく、
来年はもっとよいものにするようにすること、
これが大切だと思っています、と付け加えます。

今から住もうという人にも、
今、住んでいる人にもそれが大切だと思っています、
とかナントカ言ってね。

それを職員対象の説明会で伝えてます!とか言ってね。



言い訳?

・・・しょうがないです。

それが現実なんだから、
答弁はこれしかないんです。

市のアピールポイントをちゃんと言える市の方、
もしくは、
議員から職員にそんな質問をされない市の方は、
とてもしあわせです。
ちゃんと言えない市役所の人!
私もそうです。
がんばりましょう・・・

トップダウンで指示がないってことは、
仕事、ラクじゃん?とポジティブに考える、とかww



それが本当にポジティブなのか、
やる気のある、仕事ができる職員ほど、
がっかりするかもしれませんね。
うちの市のキャッチフレーズ
「がっかりするなら○○○○○市」がぴったりかも😭

住民の皆さん、ごめんなさい😭

鳥さんの定住

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