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定例会の想定質問「デジタル人材の確保と育成」

2022年、令和4年の12月、
内閣府は「デジタル田園都市国家構想総合戦略」推し推しで
通常国会に突入しました。

その勢いで、
市議会でも代表質問や一般質問、予算質疑では、
「デジタル人材の確保と育成」をどう考えているのか、
質問が来るんだろうなと覚悟していました。

というのも、市議会議員さんは「人材」の話題は大好物。
「これからどうする」議論は、大盛り上がりします。
・・・とっつきやすいんでしょうね。
おしゃべりの話題としては、抜群にわかりやすい。


デジタルを担当する課長と、
これからどうやってDXを進めるか、
人員要求、予算要求のタイミングだけでなく、
どんな人、どんな体制が必要か、常々議論はしてきました。

課長もよく課員と議論してくれ、
「デジタル人材」について、
ひとつの考え方を整理してくれていました。

うちの市の考え方

「デジタル人材の確保だとか育成だとか、考える前に、
市役所が業務のデジタル化を進めるのであれば、
これから目指すべき職員像を考えます。
デジタルをつかって仕事を変革する能力がある職員であり、
デジタル化してくれるのを待つ職員ではない。

長期的には職員全員のデジタル意識の定着であり、
ゴールの状態には「デジタル人材」という特別な人はいない。


ただ、短期的には、
デジタル化に特化した機能または能力を持つ人材が必要。」

なるほど。


つまり、短期的に必要なことは、
何をどうやってデジタル化するか、
多少強引でも主導するトップの決断機能と、
それをどうやって実現するかという能力
能力とは、
実務を行い、前線で市民と向き合う職員の、
伴走的、技術的支援をするチームのこと。

市長が決断できないのであれば、
市長の代わりに多少強引にでも決断し指導する、
「参与」のような機能を持つ人を、
特別職として採用することがあってもよい。

技術的支援ができる職員がいないのであれば、
様々な提案を事業者から提案してもらう
優秀な「業務委託」のようなアドバイスがあるとよい。
ただ、最終判断は職員だから、
判断する職員の「質」を高めにすることが必要。


なるほど。


なかなか、
うまく指導できる能力の高い人が、
日本全国各自治体に1人ずつ「参与」として配置できるかというと、
そうはいかない。
市長の権威が見えるような、
特命を担う能力ある職員を配置するか、
市長自らが先頭に立って、
あれこれ直接指導、判断するしかない。
(うちの市長にできるかな~ww)

技術的支援をする優秀な職員は、人事異動で確保するしかない。
任期付き、有期での採用ではそんな優秀な人が確保できるはずがありません。
現実的な手段は、庁内での人材確保、配置です。
職員の中でもエース級を情報セクションに集めて、
事業者からの提案を判断し、
各職場のデジタル化を徹底的に支援する体制を整える。
そんな判断ができるかどうか、それもトップ次第です。
(うちの市長にできるかな~ww)


短期的なデジタル人材の確保と育成とは、
今やることは、
トップが頑張ることであり、
チャレンジ意欲のあるエース級職員を見抜き、集めること、です。


3月定例会での実際の質問は?

以上のような答弁を用意していました。

3月定例会まで待つこともなく、
すでに1月には市議会のあちこちで議論になりました。
もう、みなさん、好奇心いっぱいでしゃべりたがりだから。

私の所属する委員会だけでなく、
各会派を回るときにはこの方針を、
何度も何度もご説明しました。
「うちのデジタル人材の確保と育成とは、
短期的にやることは、
優秀な人材の配置という体制強化だと考えています。」

なんとなく、伝わってご理解いただけたのか、
3月定例会では、
「デジタル人材の確保と育成をどう考えるのか」
という単純な質問はありませんでした。

どちらかというと、
業務量が多すぎて職員が疲弊している現状で、
そのなかでデジタル化が進められるのか、
もしくは、新規事業に取り組めるのか?
という質問が主流でした。

人事課さんは、なんて答弁してたのか記憶にないです。
ということは、精神論だけ並べた、
通称「がんばります答弁」だったのかな。

・・・こっちの方が、
想定していた質問よりも難しい質問だったことは言うまでもありません。

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