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温度を感じる市役所広報 伝えたい人や話題を見つける仕事

私の所管する仕事のなかに「広報」があります。

とはいえ、私が、実際に広報誌をつくったことはありません。
校了を宣言することくらいかな。

そしてもちろん、
動画もSNS投稿もしません。
ホームページ編集も、
緊急ページの上げ方と下げ方しか知りません。

広報の職員が楽く、安心して広報をつくり
動画やSNS投稿ができるように、
提案したり、励ましたり、驚いたり、
最低限の注意事項を話し合ったり、
ちょっと先を考えながら
職員に話しかけるのが私の仕事です。

なぜなら、市役所の一歩外に出ると、
いや、出なくても、
広報を丁寧に作り、
SNSにせっせと投稿している職員の努力を見ずに、
市の情報をフォローせずに、
広報も読まずに、
新聞も購読せずに、
ホームページも見ずに、
「広報が全然できてない!」
というご批判ばかりいただくような職場です。

一字一句に、取り返しのつかない影響力があります。
「誤字を見つけたら100円」は、私の常套句です。
100円どころか、
修正の手間、謝罪の煩わしさを考えると、100万円かも。
実際に100円を渡したことはありませんが。

また、「広報がへたくそ!」とは、
全国の自治体はほぼみなさん、
住民からそう言われているのでは。

あ、万が一、
うちは住民からお褒めの言葉が多いです~っていう
自治体広報があれば教えてください!
ぜひ視察させてください。
あ、もちろん、
公務員どうしのおだて合いじゃなく、
住民による評価で、でお願いします。


そんな逆風しかない自治体広報の世間の荒波で、
ひたすら前向きに、
市民のこと、季節のこと、
他課の職員の頑張りなどなど、
ステキな話題をお知らせしようと、
広報の職員は、
せっせと愛ある広報の仕事に励んでいます。

そんな職員の励ましが主な私の仕事ですが、

最近気づいたんです。
広報における私の仕事はもう一つあるのではないかと。


取材対象の「人」を探してくることです。


市の広報や印刷物、市のSNSや、
TVや新聞でご紹介したい、
ステキなことをやってらっしゃる方はいます。
そして、
知って欲しいと思っている人も本当に多いです。

そんな人を見つけ、市役所の力で紹介するだけで、
喜んでくださる人は本当に多いです。

その結果、ますます元気に活躍されるし、
私たち広報に「ありがとう!」とも言ってくださる。


広報の職員にとって、
上司である私が「ありがとう」「よかったわ」と言うより、
数倍、広報の職員の喜びになるんじゃないかと思います。


50歳を越えた私の役割は、
ある意味、厚かましくも、お願い、提案できること。

市民でも市職員でも、
私の年齢になると、聞いていただけるようになります。

紹介させてくださいと言って断られたのは、
DVで逃げている親子1組くらい。
ほぼ99%、たいてい引き受けてくれます。


今日は、わざわざ保育園の先生が、
お礼を言いにお越しくださいました。

その件は、こんなんどう?って提案しただけで、
実際にがんばったのは保育園の先生だし、
実際に取材し、紹介したのは広報の職員。

私はちょっと考えて
ちょっと提案して
市役所内で情報共有しただけ。



「○○なところがステキですね、紹介させてください」
「こういうふうにやれば、時期的に話題になるかも~」
「今度、新聞記者さんに伝えておきましょうか?」

ちょっとした声かけだけなのですが、
そこから実際に紹介させてもらえると、
本当に喜んでくださる。


「広報が全然できてない!」
「広報もがんばってる!」

そんなふうに言われる市役所になるといいなと願って、
広報の仕事をしています。

あ、もちろん、提案する前には、
広報の職員に、
「こんな提案しようと思うんだけど、どう思う?」
「もし引き受けてくれたら、取材に行ける?」
って相談してからです。


私個人として、職員であれ市民であれ、
「人」が見える自治体広報をしたいと思ってるんです。

ただ「花が咲いた」だけのお知らせじゃなく、
花を咲かせるまでの努力や、
関わる「人」の温度を感じる広報をしたいなぁ


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