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マイナンバーカードひもづけトラブルのフォローを誰がするのか問題

私は、市役所で行っているマイナンバーカード事務のうち、
マイナポイント申請支援を昨年度まで所管していました。

今回のマイナンバーカードトラブルのニュースで、
トラブルのタイプは4つに分けられるんじゃないかなと思います。

1つめ。
カード交付申請、カード発行の時の人為的ミス。

カードの写真が別人のと入れ替わっているもの。
そもそもカード作成の作業、処理中におきた人為的ミスです。

マイナンバーカードを印刷する工程でおきたのか、
申請書を送る際、封筒に入れ間違えたのか、
数千万枚と作業をしていると、
確率がいくら低くても0でない限り、
そういう失敗はおきるものでしょう。

これはカード交付の際に本人が気づくはずです。
今、わかったことではなくて、
ちらほら、あったのかもしれません。

これは気づいたご本人が指摘して、
再作成を依頼するしかないでしょう。
マイナンバーを受け取るときによく確認して、
市役所に修正の連絡を早めにしましょう。
たぶん、すぐに対応してくれると思いますよ。

2つめ。
保険証とのひも付け時に別人とひも付けてしまった人為的ミス。

これは本人が「保険証ひも付けOK」と申請したら、
保険者、いわゆる健康保険組合、共済組合などが
手続きするものです。
そのときに別人がカードにひも付けされていたら・・・
これはまずい。
保険証をつかうときに発覚することが多く、
病院にかかるときに発覚して訂正されていくでしょう。

これは保険者、健康保険組合や共済組合などが
ひも付け作業をするときの人為的ミスです。
これも、数千万件の処理をやるので、
どこかのだれかがミスすることは、
確率が0でない限りは、可能性としておきうるものです。

これも気づいたご本人が、
自分の所属している保険者に連絡して、
ひも付け修正をしてもらうか、または、
保険者がどうにかして資格者情報を再確認して
誤りがみつかれば修正していくしかありません。


3つめ。
マイナポイントが別人に付与された人為的ミスが取り戻せないシステム的ミス。

これは自分のスマホなどでマイナポイント申請をしていれば、
あまりおきない事象です。
おきてしまうのは、
同じ端末で、複数のマイナンバーカードをつかって
マイナポイント申請をしたときです。

なので、このトラブルは、
マイナポイント申請サポートの会場でおきることが多いです。

マイナポイント申請が終わったら
端末操作として「ログアウト」をしなければならないのに、
しなかったときにおきます。

別人にマイナポイントが付与されてしまった問題。
これは、一度付与されたら取り消せないシステムだったようで、
ミスに気づいても取り戻せないという、
システム上、そういうミスを想定していなかったわけです。

でも、
あちこちにマイナポイント申請サポート窓口を置くことは、
国は想定していたはずです。
だからこそ、
「市町村役場にサポート窓口があるよ♪」
勝手に国民に周知していたのがデジタル庁。
ということは、
連続してマイナポイント申請することは
想定されていたはずです。

ちなみに、私の部署では、
このマイナポイント申請支援の最後の『ログアウト』操作を、
派遣さんにお願いしていたのですが、
最後は、声に出して確実にログアウトしてください!」と、
口うるさいくらい言っていたので、
たぶん、うちの市役所ではないんじゃないかなと思います。
実際そんな話はうちには寄せられていません。
これも人為的ミスと言えますね。
ただ、サポート窓口があるということで、
想定可能だったことかもしれません。

ひも付けができていないことは、
今の時期にわかるというミスではありません。
その人がマイナポイントまだかな~と待っていて
待ちきれず確認したら起きてたというインシデントです。

なんとか修正可能なシステム設計であれば、
よかったのにね~。

キャッシュレス事業者さんにも協力していただくことが必要とのこと。
デジタル庁さん、頑張って!健闘を祈ります。

4つめ。
これが一番びっくり、驚いているミスです。
別人の口座が登録できるシステムだったってご存知でした?

まさか、本人以外の口座番号が登録できるシステムとは思いませんでした。
0才のお子さんでもマインバーカードはつくれるし、
マイナポイントも申請できる、
保険証のひも付けもできる、
キャッシュレス手段も親が代わりに用意すれば持てる。
ただ、
「口座の登録は、その本人名義じゃないとダメです、
親御さんの口座登録はできません」
と、うちの支援窓口では案内してきました。

なぜなら、
「本人名義の口座しか登録できません」と
国からもはっきり示されているので、
てっきり、
入力システム上でも「本人名義の口座しか入力できない」という扱いになってるんだろうなと思っていました。

で、で、できるんだ😨
逆に驚き!

氏名と口座名義を、照合するシステムはなかったなんて!

もちろん、うちの市役所で支援したカードについては、
別人口座がひも付けされてしまっていることはないと思います。
実際、そのような話はありません。

あるとすれば、
個人で自分のスマホで申請した場合じゃないでしょうか。


さて、ここからが本題です。
別人の口座を登録した人に対して、
どうやって変更をお願いするのかな~
と思っています。

あなたのマイナンバーカード、
別人口座ですよ~って、電話するのかな。

で、


だれが?




まさか、また市役所じゃないでしょうね💢


誰のミスなんですか?
電話して操作を案内するくらいだと思うから、
今度こそデジタル庁さんが直営で対応するだろうとは思いますが、
国サマが基礎自治体に対してなされることは、
ご無体でございますゆえ。



国は、マイナンバーカード事務だけにとどまらず、
マイナポイント事業まで市役所に押しつけちゃった件について。


燃えるような赤い花に寄ってくるミツバチ

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