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舞台「SaGa THE STAGE~再生の絆~」七瀬恋彩、プロのブレイクダンサーでも「かけっこでは一周遅れ」 幼稚園でダンスと運命的な出会い

2月22日より、東京・サンシャイン劇場で舞台「SaGa THE STAGE~再生の絆~」がスタートする。ヒロインのジョセフィン・リン・ウッド役に抜擢されたのが、今回インタビューを受けてくれた“プロブレイクダンサー”七瀬恋彩(ななせ・ここあ)だ。
 
SNSの総フォロワー数180万人超を誇る彼女は、まだ舞台経験も数えるほどだが、数々のダンスステージを経験してきた度胸、何よりこのアクション劇を盛り上げる身のこなしを備えている。だが意外にも「運動神経はまったくない」と苦笑いする。

■アクションシーンの連発に「何を表現できるか模索中」

「1月後半から舞台の稽古が始まったんですけど、毎日が面白くて新鮮です。周りがすごい人たちばっかりで、最初は緊張していたんですけど、始まってみたら、みんな優しくて、温かい現場で、良かった……って(笑)」
 
今回、彼女が演じるキャラクター、ジョセフィン・リン・ウッドは、無鉄砲でわがままな性格。それゆえ、行く先々でトラブルに巻き込まれ、必然的にアクションをする場面も多くなる。
 
「今回、ステッキを持つんですけど、その状態でいろんなアクションとかをやったりするので、片手が塞がっているんですね。ブレイクダンスでは両手を使うので、その状態で何ができるかなとか、模索しているところです」
 
いまでこそ舞台に対する緊張感は和らいだが、「今でも難しい」と思うことがある。
 
「舞台って、声の大きさがすごく重要なんですよね。もちろん、大きな声を出せばいいって問題じゃないんですけど、これまでダンスステージでは声を発することがなかったので、毎回最初の声量には気をつけています」

■ブレイクダンスで一番の得意技は「ハローバック」

アクロバティックなダンススキルをいくつも持つ彼女だが、意外や意外、運動神経は「まったく良くない」という。
 
「そうなんですよ。鉄棒とか、キャッチボールとか、体育の授業でやることが基本的に全部ダメでした。運動会でかけっこ競争があるじゃないですか。みんなでよ〜いドン!ってやるんですけど、1周差つけられちゃうぐらい。なんなら今も自転車は乗れないですね」
 
そう考えると、彼女の現在の仕事にもなっている「ダンス」と早くに巡り会ったのは、運命的だ。
 
「幼稚園の時でしたね。お母さんが、あまりにも運動神経がない私を見て『これは良くない』ということでダンススクールに強制的に入れられたんです。ただ、ダンスは割と上達が早くて、先生にも気に入ってもらえて、ステージではいつもセンターにしてくれて。やっぱり、褒められると楽しくなるじゃないですか。それで続けることができました」
 
学校が終われば、そのままダンススクールに直行する毎日。いつからか「ダンスに命をかける」生活になっていたという。ブレイクダンスに出会ったのは8歳の時だった、
 
「あるとき、動画でくるくる回っている人を見て、お母さんに『私もこれやりたい!』って言ったんです。習っていた先生は特殊で、『ハローバック』っていうフリーズ技は、普通まっすぐに倒立したところから習うんですけど、私の柔軟性を考慮してもっと先に進んだ状態で教えてくれて…今では一番の得意技です」

ハローバック

■最初の舞台は毎日泣いていた

その後、コロナ期間中に始めたSNSの“毎日ダンス投稿”で彼女は一気に認知度を上げる。自ずと、「ダンスを仕事にしていきたい」という意志も芽生える。
 
「高校を卒業したらダンスの専門学校に行こうかなと思っていたんですけど、ちょうどそのときにホリプロデジタルさんからスカウトしていただいたんです。もともとお芝居にも興味はあったから、お母さんとかにも相談して、やってみようと」
 
同時期に、『DustBunnySHOW』という舞台への出演オファーがやってくる。願ってもいない「芝居への挑戦の第一歩」だ。
 
「最初ダンサーとして呼ばれたと思って台本を見てみたら、ものすごい量のセリフがいっぱいあって『えっ、大丈夫私!?』となりました。振付師の方が結構厳しい方で『今踏み出した一歩、何の感情で動いたの?』みたいなこと言われる感じで、『何もないです……』みたいな(笑)。最初の3ヶ月は毎日泣いていた気がします。でも、それを経験して精神が強くなりましたね」
 
今後は、ブレイクダンスもアクションもできる女優を目指しているという。
 
「いろんな方の映像作品を見たりはしているんですけど、誰かを目標に……とはしていないです。ブレイクダンスもアクションもできる女優という、まだ誰も切り拓いていないジャンルで名前が知られていきたいですね」

【リーズンルッカ’s EYE】七瀬恋彩を深く知るためのQ&A

Q. 七瀬さんが最近ハマっていることは?

A.この舞台にも出演していらっしゃる、伊澤彩織さんというアクションがめちゃくちゃすごい方から『柔軟ストレッチ』を教えていただいたんですね。それ以降、ストレッチをするのにすごいハマっています。身体が柔らかくないとできないものもありますが、筋膜ローラーでゴロゴロするのだけはみなさんもやった方がいいと思います。寝る前にやると、次の日の朝の体調が変わりますよ!

<編集後記>

「人生で一度は達成したいこと」聞かれれば人それぞれの答えがあるだろうが、自分は「180度開脚」もとい「身体をめちゃくちゃ柔らかくしたい」だ。インタビュー前には動画でお伝えできずに申し訳ないぐらい(あとで公開されるかも)、柔軟性を生かしたポーズ、アクロバティックなスキルを見せてくれた。ひとまず筋膜ローラーから始めることにしよう。

<マネージャー談>

プロダンサーでありながら、女優業にも挑戦している七瀬。
ダンサー業と女優業、両方やるのは本当に大変だと思うのですが、それぞれで結果を残している姿はすごいなと感じます。
七瀬恋彩の性格を一言で表すと”まじめ”。休みの日でもダンスやアクションの練習をしていますし、完全オフの日はほとんどないくらいです。笑
ダンスも演技も全力で頑張る七瀬恋彩をもっとたくさんの方に知ってもらえるようこれからも頑張ってほしいと思います。

<撮影の様子はこちら> 

【プロフィール】
七瀬恋彩(ななせここあ)
2003年生まれ東京都出身。ブレイクダンスを主とするプロダンスチーム「KOSÉ 8ROCKS」に所属し、タレント・女優としても活動。
8歳から始めたブレイクダンスは日本国内で圧倒的な実力を持ち、ダンスショーやダンスバトルにて多数の受賞経験を持つ。女優としても舞台「DustBunnySHOW」(2021)、「志立彩色女学院アイドル科」、「大正浪漫探偵譚-エデンの歌姫-」(2023)などに出演。近年では、広告にも出演するなど活躍の場を広げ、またアクションにも精力的に取り組んでいる。SNSで投稿している動画では、ブレイクダンスを踊っている時のかっこよさと、可愛らしい表情とのギャップが話題に。ダンスと個性的なロングヘアを特徴としたSNSを発信し、SNSの総フォロワー数は180万人を超える。

取材・文/東田俊介
写真/まくらあさみ

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