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アーティスト・声優の山崎エリイ、「最大露出」の衣装でキュートさ全開!考え抜かれた曲構成が印象的だった初の”夏ワンマン”

午前中から35℃以上を記録するなど、1週間連続の猛暑日となった7月30日の東京都心。ありあまる熱気が渦巻く中、負けじとアツい空間が、お台場Zepp DiverCity(TOKYO)にあった。

アーティスト・声優、山崎エリイによる6度目のワンマンライブ『山崎エリイ 6th LIVE 2023 〜Bubble〜』。約1年半ぶりとなるワンマンは、ひさびさの「声出し解禁」ということも重なり、「気合がみなぎる」とも言って良い2部構成となった。そのうち、1部の模様をお伝えする。

■明確な“意志”が見て取れた前半の構成

はじめての“夏ワンマン”となった、メモリアルづくしのこの日。
入り口にはいまかいまかと待つファンで溢れかえっていた。ライブタイトル『Bubble』をイメージしたファンシーな舞台セットには、早々にバンドメンバー4人がスタンバイ。

アッパーなSEと観客の手拍子に迎えられ、いよいよ本日の主役が登場。鳴らされたのは今年1月にリリースされたシングル「Adore me」のカップリング曲「いっそ」。「みんなー!思い切り行くよ!」という山崎の掛け声とともに、会場のあちこちで光るペンライトが一斉に同じ動きを見せる。

立て続けに披露されたのは、「Last Promise」。テレビアニメ『デート・ア・ライブIII』エンディングテーマの楽曲。儚い中に芯の強さを感じられる歌詞&メロディーが、会場を包み込む。

「すごい元気だ!ありがとう」と最初の挨拶とともに、「みんな、お待たせです!最初から勢いをつけたいと思って、『いっそ』『Last Promise』からはじめました。念願の生バンドでお送りすることができて嬉しいです」と、笑顔で語る。

「多幸感で一杯のあの曲を歌おうと思います」というMCの後にスタートしたのは「Adore me」。冒頭から「アダムとイヴ」の言葉が出てくるように、大切な人への「愛」をまっすぐに歌ったラブソングだ。

その流れからか、4曲目はシンセサイザーのポップなイントロが印象的な「恋ゴコロ」が披露される。キャッチーなメロディラインもそうだが、細やかなステップを踏む山崎のキュートな振り付けにも目が留まる(むしろ終盤はそればかり見てしまっていた)。

続く「a little little thing」でも、ソロとしては初めてMV内でダンスに挑戦したというだけあり、しっかりとした振り付けが。前半の構成だけでも、かなり丁寧に流れを意識したセットリストなんだということがわかる。

その答え合わせは、初の個人名義楽曲「Dreamy Princess」後のMCでできた。「今回のテーマは“Bubble”ということで、可愛く、キラキラした感じがほしかったんです」まさに、そのように総括できる前半だったのではないだろうか(余談だが、その後「夏ということで過去最高に露出した衣装です!」というコメントに会場が沸いていた)。

■「あっという間でびっくり」と本人が語るほどのエンタメ感


「ここからは少し雰囲気を変えてお送りしたいと思います」の「十代交響曲」当時19歳の山崎の“十代だからこその葛藤や悩み”を描いた、ダークでシリアスな楽曲。それに合わせて会場のライティングも赤を基調としたものに変わり、「不安定に感情が揺れ動くさま」を表現しているように見える。

愛しい人へ届けられなかった想いを辿るミディアムナンバー「I miss you」、「魔法は起こらない 知っているけど」という、冷えた関係の二人をリアルに描写した「雨と魔法」が続けて歌われる。「十代交響曲」からここまでの3曲は、2部ではガラッと違うセットリストになっており、声援が解禁されたLIVEを、存分に楽しんでもらおうという山崎の心意気が感じられる。

「夏に何しました?」というバンドメンバーを巻き込んだMCからは、アップテンポなナンバーを連発。観客にサビの歌唱を仰いた「全部キミのせいだ」、「Zi-Gu-Za-Gu Emotions」、「like it ?」と続き、一瞬も“飽きる”ことなく、終始ステージ上に釘付けにさせてくれる。

こう書いたのは、次の「トキメキズム」で本編が終わりということを聞いた時、「えっ、もう!?」と思ったからだ。実際、山崎も「あっという間でびっくりしています」と話し、観客の「え〜〜〜〜」の声もかなり大きかった。名残惜しいまま、8月9日にリリースされる新曲「トキメキズム」が鳴る。楽曲・映像・アートワークの全てに「カワイイ」を詰め込んだという情報をふと思い出し、そして現場で確認し、まさに今日のライブテーマには「軸」が通っているなと感心する。

本編終わりの演出、会場にシャボン玉(Bubble)が舞う中、観客から「エリイ!エリイ!」との声でアンコールが求められる。そして、バンドメンバーだけがステージにいる中、「レースと日向とマキアート」のイントロが鳴る。衣装をグッズTシャツに着替え、さらに“キラキラ”をまとった山崎が登場。等身大の「今」をナチュラルに表現したこの曲を、胸に手をあてながらしっとりと歌い上げる。

今日もっともアッパーな曲のひとつ「星の数じゃたりない」間奏途中、バンドメンバーの紹介を挟み、「そして、ボーカル・山崎エリイでした!」と、音源だけ聴いていては決して味わえないエンタメを届けてくれる。

そして「本当にありがとうございました!」との挨拶で、アンコールラストに「Cherii♡ 」が披露。「Erii」名義で最初のシングルで、山崎自身が作詞を担当し、ファンへの感謝の思いをつづったメッセージソングだ。「笑顔を集めて 何度も力に変えていくから」と、まさに今日の熱気に応える曲として最適ではないだろうか。“可愛さ”と、今日のライブで得た“経験値”を持ち合わせた山崎エリイは、これからの「未来の物語」をどう編んでいくのだろうか。

【セットリスト】

『山崎エリイ 6th LIVE 2023 〜Bubble〜@Zepp DiverCity TOKYO』
2023年7月30日(日)1部

M1. いっそ
M2. Last Promise
M3. Adore me
M4. 恋ゴコロ
M5. a little little thing
M6. Dreamy Princess
M7. 十代交響曲
M8. I miss you
M9. 雨と魔法
M10. 全部キミのせいだ
M11. Zi-Gu-Za-Gu Emotions
M12. like it ?
M13.トキメキズム

EN
M1. レースと日向とマキアート
M2. 星の数じゃたりない
M3. Cherii♡


ライブレポート/東田俊介

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