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ロザリーナ、“2年ぶりの再会”にふさわしい会心の15曲ワンマンライブ『ロザパーリーナイト』レポート&終演後インタビュー

シンガーソングライター、ロザリーナが2年ぶりのワンマンライブ『ロザパーリーナイト』を、6月16日(金)渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて開催した。

2年の間に「声出し」が緩和され、CM、ドラマタイアップが決まるなど、着実に期待値が上がっている中でのライブは早々にチケットがソールドアウト。そんな状況を受けてのことなのか、本人も相当に緊張が高まっている様子だった。ライブ後のインタビューも合わせ、当日の模様をお伝えする。

■開演前から外には人だかりが

梅雨期ということもあり、前日まで悪天候が続いていたこの一週間。当日も不安視されていたが、この日は打って変わり、約1ヶ月ぶりの真夏日。そんな熱気と比例するかのように、開場前から外にはいまかいまかと、始まりを待つ人たちで溢れていた。

舞台上にはドラム、キーボード、ベース、そしてロザリーナが奏でるギターと、シンプルな編成。より彼女の魅力でもある「声」を体感できるセッティングであることがうかがえる。そして、ほぼ開演時刻にフロアが明転し、拍手に迎えられて主役が登場。ピアノの旋律からはじまった1曲目は「Good Night Mare」。「はじめようか さぁ目を閉じて 会いに行くよtonight」と、まさに“特別な夜”のスタートを飾るのにピッタリな一曲だ。

「ロザパーリーナイトにようこそ。盛り上がっていきましょう!」

そんな掛け声とともに次に演奏されたのは「ドレスコード」。インディーズ時代に配信シングルとしてリリースされた、とびきりポップな一曲だ。そして、「この曲のタイトルは、“今日という日は毎日最後”という意味。ロザパーリーナイトも今日しかないんです。最高の“今日”にしましょう」というコメントの後に「最後の今日」が披露される

少ししっとりとした流れで続けられたのはラブソング「Stereo」。お客さんがサビで手を掲げる光景を見て、曲間に「ありがとう」とつぶやく。そして、「今の私が“愛”というものについて、しっかり向き合えた曲になったのではないかと思います」と話した後に、テレビ朝日系ドラマ『unknown』挿入歌にもなった「I knew」が鳴らされる。2年ぶりのライブを盛り上げるには十分な序盤の構成だ。

■MCでは“朗報”が続々

その後、自らがギターを持ち始めて披露されたのは、2016年に発表されたファーストミニアルバム『ロザリーナ』にも収録されている「真夏のスノーマン」。「未来に何が起こるかまだわからない でも輝きたい 恥ずかしいけど強くなりたい」というむき出しの歌詞には、多くの人を勇気づける力を秘めているのではないだろうか。

再度ギターを置き、ストリングスが印象的な「ネフィル」、BSテレ東土曜ドラマ9『ナイルパーチの女子会』の主題歌「涙の銀河」が続く。YouTube再生はすでに600万回再生以上、受験生や就活生を中心に、コメント欄には想いを吐露するメッセージが書き込まれている「何になりたくて、」では、ステージをゆっくり左右に移動しながら、観客の顔を見て歌い上げる。

ここでMCに入り、ロザリーナは「みなさんのお陰で(メジャー)5周年目を迎えました。本当にいろんなことがありました。そしていま、やりたいことが明確になってきました。これからはライブをもっとしていきたい!」との宣言に、フロアからは大きな拍手が。合わせて、新曲「my star」がアニメ『EDENS ZERO』の第二期エンディングテーマに決定したこと、秋には大阪、東京でワンマンライブ『ロザパーリーナイト vol.2』を開催することを発表。彼女にとっても、ファンにとっても嬉しいお知らせが続く。

■最後は“パーリーナイト”にふさわしい一曲

ライブ再開後に披露されたのは、メジャー5年を振り返る意味も込めてか、デビューシングル「タラレバ流星群」。続いて「声を聴かせて」というアナウンスとともに「悲しみのセル」、コカ・コーラのCMソングになった「Life Road」が続く。ソウル、ゴスペルの要素が加わっていることもあり、会場が一体となって手を叩いて歌う。

続いて「知ってますか?知っていたら一緒に歌いたいです」と、アコギを持って「モウマンタイ」。管楽器のアレンジが施され、こうしてレポートを書かなければいけないとわかっていても、ついつい体が弾んでしまう。「どこでも歌ってほしい!次の曲も歌ってくれるかな」との言葉とともに「通行人B」、そして本編最後は「See u again」。「変わる環境 その中でもいつも通り一緒に笑い飛ばそう」「寂しいけどgoodbye でも次いつ会えるかわからないけどまた話そう」と歌いながら観客席に向かって手を振る。元気でいれば、生きてさえいれば、いつか同じ空間をともにするという彼女なりの“フェアウェルソング”だ。

一度会場は暗転したものの、すぐにアンコールを求める拍手とともに、自然発生的に「ローザ!ローザ!」という声が巻き起こる。再び登場して「生きてたら嫌な思いはひとつぐらいあると思います。私は嫌なことがあるとすぐ歌にします(笑)。だからもし嫌なことがあったという人は、声を出してストレス発散しよう。今日のライブタイトル知ってる?『ロザパーリーナイト』だよね、パーティしよう!」の掛け声とともに披露されたのは「Rolling Rolling」。「大人の事情にドロップキック いつか分かるから Rolling Rolling 今は踊ろうよ」と、すべての人々のモヤモヤを吹き飛ばす勢いで明るく歌い、大団円を迎えた。

「どうもありがとうございました!気をつけて帰ってね!」

最後の言葉とともに、笑顔で去っていったロザリーナ。秋にはどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、ただただ期待感が高まる。

■ライブ後インタビュー


ーー2年ぶりのライブを終えてみて、いまの気分はいかがですか?

「楽しかったです。『See u again』っていう曲の歌詞の中に『まだ帰りたくないな あっという間だった まだここにいたいな』っていうフレーズがあるんですけど、本当にそう思えた一日でした」

ーーTwitterで見たんですけど、楽屋では相当緊張していたとのことですね。

「コロナでずっとライブができていなかったから、『大丈夫なのかな』みたいな不安が強くて、胃が痛くなるほど何回も練習してきました(笑)」

ーーお客さんが久しぶりの再会を噛みしめるかのように、じっくり歌を聴いている印象がありました。

「温かい空気を作ってくれてるなとはずっと感じていました。普段私がインスタとかでふざけたりとかしてるときも、突っ込んでくれたりとか、具合が悪そうなときとかに『大丈夫?』とか、心優しいファンの方が多いんです。こんな私でも、待ってくれてる人がいてくれるんだったら、もういくらでも歌いたい」

ーーそんな気持ちが現れてか、MCでは「今後ライブをもっとやっていきたい」という話をしていましたね。

「基本引きこもり体質なんですけど、“パリピ”な気持ちが出てくることもあって、とくに最近は曲を作っているときに『これライブでみんなと歌いたいな』と思うことが多いんです。一緒に歌って、嫌なことをみんなで吹き飛ばそうみたいな、そんな時間をもっと増やしたいんですよね」

ーーそんな“基本体質“があるんですね。

「よくインスタライブをするんですけど、いつも一番みんなが見てないだろうという時間狙ってやってるんですよ。早朝の4時、5時とか(笑)。暗闇の中で弾き語りしてるのは、もはやおなじみかもしれないです」

ーー新曲「my star」がアニメ『EDENS ZERO』のエンディングテーマになることも発表していました。

「『I knew』が“愛”をテーマにした曲だったんですけど、『my star』は、“命”について書きました。何か大切なものを失ったとき、それをプラスに変換できるのかっていうことについてずっと考えてて、本当に1ヶ月ぐらい悩んで悩んで、出来上がった歌です。反動で『ピースな歌が作りたい!』と思って完成した曲もあるんですけど……早く言いたい(笑)!今後お楽しみにという感じです」

<「ロザパーリーナイト」セットリスト 6月16日 @渋谷duo>

M1 Good Night Mare
M2 ドレスコード
M3 最後の今日
M4 Stereo
M5 I knew
M6 真夏のスノーマン
M7 ネフィル
M8 涙の銀河
M9 何になりたくて、
M10 タラレバ流星群
M11 悲しみのセル
M12 Life Road
M13 モウマンタイ
M14 通行人B
M15 See u again
En Rolling Rolling

<マネージャー談>

一見クールに見えがちでも、一度口を開けば無邪気でキュートな一面が次々に溢れだすロザリーナ。
それがたくさんの方に観て頂ける機会になったのではないかと思います。小さく華奢な身体全身でパフォーマンスしている姿はたくましく、今後もたくさんの人を巻き込んでいくんだろうなと感じました。

<プロフィール>
ロザリーナ
東京都生まれのシンガー・ソングライター。2018年4月、小袋成彬率いるTOKYO RECORDINGS プロデュースによるシングル「タラレバ流星群」でメジャーデビュー。2020年12月には『映画 えんとつ町のプペル』のED主題歌を担当。2023年4月より放送開始したテレビ朝日系ドラマ『unknown』の挿入歌に、最新曲「I knew」が起用された。10月29日(日)大阪・梅田シャングリラ、11月19日(日)東京・Shibuya eggmanで、ワンマンライブ『ロザパーリーナイト vol.2』が決定している。


取材・文/東田俊介
写真/SHUN ITABA


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