遠く離れた父の癌④~父の血尿~
父の肺がん再発と転移について、
綴っています。
精密検査の結果がでて
腎臓とリンパ節へ転移したと父から聞いた
数日後に、
母から連絡がありました。
昨日、家に帰ったら、「お父さんから血尿3回出た」と聞きました。
今朝は手でお腹をなでる様子があり、どうしたの?と聞くと「お腹がおかしい」。
詳しく聞いてみたら、5月19日からまた血尿が出ていたみたい。今まで私も聞いていなくて知りませんでした。
病院には連絡したの?と聞くと、「連絡していない」と言って、わたしの気持ちも不安です。
(母のLINEより)
母から連絡があった時点で、
血尿が出てからすでに4日経っていました。わたしは、ちょうど出勤途中の電車の中で、また不安でいっぱいになりました。
実はこの父の血尿
3月31日から続いており、
5月10日から3日間の検査入院では
一時的に止まっていたんです。
そのため止まっていたように見えていた
血尿がまた出てきたことになります。
父から毎回トイレにいく度
真っ赤になるのが嫌だと聞いていたので、
また血尿が出て不安だろうと父の気持ちを考えると辛くなりました。
そして、コロナの影響でベッドの空きがなく
すぐに治療をはじめる必要はあるが、空いたらすぐに連絡しますと父は病院からの電話を自宅で待っていたときでした。
でも、
なぜ父はこの状況を病院にすぐ
伝えないの?
どうして?
血が出てるのに、なんで?
と父への疑問も沸きました。
再び不安の感情に飲み込まれそうになりながらも、今自分は父のことでとても不安なんだという気持ちをしっかり受けとめ、自分を落ち着かせながら仕事の合間で母へ父の様子を確認しました。
母からの話だと、父は頑なに病院へ連絡する様子ではなく、これは心配と仕事が終わった後すぐ父へ電話をしました。
この電話の際に、
わたしが意識したことがあります。
それは、
自分にも相手にも思いやりを持って
自分のニーズを表現する
NVCというスキル。
(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)
ちょうど直前にわたしが学んでいるオンラインサロンで先生から講義があり、きっとこのスキルが大切だと思い出しました。
このスキルには順番があり、
次のようなプロセスをふみます。
観察→感情→ニーズ→リクエスト
①観察
観察では、まず父の血尿の具合や病院に行かない選択をしている考えを聞きました。
父は、次のことを話してくれました。
・3月末に血尿が出たときも病院は何も手当てをしてくれなかった。だから今回連絡しても手当てはしてくれないだろう。
・ベッドの空き待ちだから、連絡してもすぐに入れるわけではない。だから連絡しても家で待ってる状況は変わらないだろう。
わたしは、とにかく父のことばを否定せずに「お父さんはそう考えているんだね。」とまず受けとめました。
②感情
感情では、父からの考えを聞いてみてわたしが感じている気持ちを素直に伝えてみました。
「また血が出てるけど、病院はお父さんの体の状況を知らないのは、すごい私は嫌だし心配だよ。それにこのまま出続けて、もし倒れたり具合が悪くなったら嫌だからさ~」
普段父へ気持ちをストレートに伝えることがないので、少し恥ずかしさもあり遠慮ぎみでしたが真っ直ぐに伝えました。
③ニーズ
感情の裏にある理由を伝えました。
「◯◯(孫の名前)もわたしも、●●(夫の名前)もお父さんには長生きしてほしいからさ。
状況が変わらないかもしれないけど、
細かい変化やお父さんの気持ちも、なんでも病院に伝えてほしい。
それによって順番待ちが繰り上がることもあるかもしれないし、待つだけだったら急患が入ってきたときに、もっと待つことにもなるかもしれないよ。」
④リクエスト
父にどう行動してほしいか、
強要しない言い方を意識して伝えました。
「今日すぐにじゃなくても、明日病院に状況だけでも伝えてみたら。」
父は、わたしの話を全部聞いてはくれたものの、う~ん…う~ん…と唸りながら「医大病院だし大きいからすぐ動くのは難しいんじゃないか。電話も取り次いでくれるまで、こないだは大変で」としばらく後ろ向きでした。
そうだったんだね、それは大変だったね。と、しっかり共感のことばをかけ、父の気持ちを受けとめることにまた専念しました。
最後には、
「今回の転移についても詳しく知りたいし、娘だと信じてくれるか分からないけど、
私から病院に電話して血尿について伝えてみようかな。」というと、
それが父にとっては気が楽だったようで、
一旦承諾してくれました。
しかし、気持ちが晴れたからなのか
「明日電話してみるよ」と最終的には父自ら言ってくれて電話を切りました。
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