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自然と触れ合って健康を回復、森林浴と園芸療法など

 ヒトはアフリカにおいて、自然の生態系の中で進化してきた動物です。そして、多種類の動植物に囲まれながら長期間にわたって狩猟採集生活を営んできました。ヒトの身体は動植物が豊富な環境に適応して進化してきたのです。
 しかし、ヒトは文明を高度化させ、都市生活を営むようになって自然の生態系から次第に離れました。今では土の地面を踏むこともない生活をしている人びとも多いことでしょう。平均寿命は伸ばすことができたものの、健康とは言えない状態で生きている人びとが多くなっています。情報社会と呼ばれる現代では人びとはさまざまなストレスにさらされています。

 自然と触れ合うことは心身の健康の改善に効果があります。
 森林の中で時間を過ごすと(森林浴)、自律神経の安定、ストレス状態の改善、血圧の低下、免疫機能の向上などの効用があります。樹木が放出する化学物質や森林の中の音にヒーリング(癒し)効果があるとされています。
 病気の方、障害のある方、高齢者などを対象として園芸療法が行われています。ストレスの軽減、満足感、意欲の回復、認知機能・身体機能の改善などの効果が示されています。

 本格的に森林浴に出かけたり、園芸活動をするのは簡単ではないかもしれません。植物の多い公園に出かける、ベランダや室内で少しだけ植物を育ててみるといったことから始めてはいかがでしょうか。野菜の切れ端や根元からもう一度その野菜を育てる(リボベジ、リボーンベジタブルの略)のもいいかもしれません。
 また、植物の香り成分を活用するアロマセラピーも心身の健康にポジティブな効果をもたらすことが明らかになっています。使う植物の種類によって効果が異なります。方法もいくつかあって、日常生活にもとりいれやすいというメリットがあります。

*参考
『Shinrin-Yoku(森林浴)』   宮崎良文   創元社
『庭仕事の真髄』   スー・スチュアート・スミス   築地書館
『おうち野菜づくり』   宮崎大輔    KADOKAWA
『アロマ&ハーブセラピー手帖』   橋口玲子   マイナビ出版




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