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小笠原へのひとり旅(5日目・6日目)

(3日目・4日目からの続きです)

 旅の5日目は、父島をレンタカーで巡ってみました。そして午後の「おがさわら丸」で帰る日です。
 船の中で目が覚めた6日目、初めて小笠原に行った一人旅が終わります。

5日目

 父島で迎える2回目の朝です。朝5時過ぎに目が覚めた後、布団の中で読書。久しぶりに藤原 和博さんの「45歳の教科書 戦略的『モードチェンジ』のすすめ」という本をKindleで読み返しました。今回の小笠原の一人旅は、転職することに決めたので有給消化期間が生まれたので来ました。周りに反対されようが、自分の人生は自分で決めるべきだと改めて思いながら二度寝。こういうのも一人旅のいいところです。

父島をドライブ

 今日の15時に出る船に乗って帰るというのが、長かったような、あっという間のような複雑な感覚です。
 荷物をまとめて布団を上げて民宿をチェックアウト。スーツケースを民宿に置かせてもらい、レンタカーをお借りして島を巡ります(事前に要予約)。
 ナビが付いていない車は久しぶり。1DINのデッキに残されていたCDはなぜかジプシー・キングス。以前乗った方の忘れ物でしょうか。どうも空耳アワーが思い出されるのでラジオにするも、二見港から離れると電波入らず無音でドライブすることに。

トンネル手前で信号待ち
街路樹も熱帯だ
最初は「境浦海岸」の駐車場にとめて海岸を見下ろす。
後ろ側の川の音が豪快

 「境浦海岸」の次は「小港海岸」を目指すことにしました。駐車場は少し離れた場所にあり、海岸までは遊歩道を歩くのですが、地面からカサカサと音が聞こえ、何だろうと思っていましたらカニでした。

3日目の夕方来た「小港海岸」バス停
土砂降りで、きちんと撮れなかったので再度堪能
乗り鉄の私は最果てが好き

 今度は「中央山」を目指して、夜明け道路を上っていきましたら、途中で右折できる道があったので行ってみると行き止まり。ここは都道最東端でした。

やっぱり「最果て」とか「終点」が好きなのは乗り鉄のサガでしょうか

 向かっていた「中央山」は、車をとめられるスペースがなかったため断念し、JAXAの門の前で写真を撮ってから「初寝浦展望台」、「国立天文台」の望遠鏡などを見学しました。

展望台に行く途中にあった防空壕(立ち入り禁止)
展望台からの眺め
国立天文台の電波望遠鏡

 ループやトンネルを抜けて(まるで鉄道のよう)、夜明け道路を降りて中心地に戻る前に、「小笠原海洋センターに行きました。アップダウンの激しい道路を走って、こんなにも色々なところをまわれるのはレンタカーのおかげです。そして道路を作った人(路線の調査・計画から用地買収に設計・施工まで)もすごい。
 最後にお弁当を買って「ウェザーステーション展望台」の駐車場でいただき休憩しました。またあのウグイスの下手な鳴き声が聞こえてきました(3・4日目の日記ご参照)。

餌をくれると思って人間のほうに来るウミガメの皆さん
ウェザーステーション展望台の近くにある戦跡

帰る日

 島唯一のガソリンスタンドで給油した後レンタカーを返却して民宿に戻るとまだ少しだけ時間があったので、玄関の椅子で休みました。知らないうちに座ったままうとうと眠っていました。旅の疲れが出てきた頃でしょうか。
 13時50分ごろ、民宿を出発。スーツケースを転がして二見港に行きますとすでに乗船開始となっていました。往路よりも乗客が少ないように感じました。チェックインした後、乗船記念のスタンプを観光案内所で押してから14時25分ごろ乗船。これからまた24時間かけて帰る日です。

ここから980キロメートル北の東京・竹芝を目指す復路の「おがさわら丸」

 二見港の出港時には、噂に聞きし、皆さんのお見送りをデッキから見ながら気持ちが熱くなりました。船も追いかけてきてくれます。港の防波堤がどんどん離れていきます。

小笠原にまた来れるだろうか。これが最初で最後になるだろうか。

お見送りをしていただいた
小笠原に来れて、本当によかった!!

帰りの船では母島について本を読む

 6月の中旬だというのに今年(2024年)は本州がまだ梅雨入りしていません。梅雨前線が南(つまり小笠原に近いほう)にあるため、今回の旅は天候に恵まれない面がありました。前線の影響で帰りの船もまあまあ揺れたのですが、だいぶ慣れてきました。外部デッキは曇天の景色と雨だったので、船内の共用スペースの椅子で本を読みました。

雨でぬれる外部デッキ
こんな海況(しかも外洋)でも「おがさわら丸」に乗って安心な航海

 4デッキにある本棚から星 典さん著「小笠原は楽園」をお借りして読破しました。3日目の午前中、原付でこわごわ走った道路を思い出しながら、母島に住んでいた著者の苦労と知恵を読みました。

船の中で読了した本

 19時半ごろ、船内レストランで夕食を頂きました。今日は少し軽めでかき揚げそばとライス。かなり大きく揺れる海域を進んでいるようです。こんな海の中で温かいおそばを食べることが出来ているなんてすごいことだなと感じました。

温かいおそばを土砂降りの外洋のなかでいただく
(Kindleお行儀が悪くてすみません)

 食事のあとにシャワーを浴び、シュノーケリングの時にご一緒した方がいらっしゃったのでご挨拶してから、船内の自販機で買った缶酎ハイを飲みながらもう少し読書。22時ごろ自席に戻り就寝しました。

6日目

 日の出の時刻に外に出てみましたが、案の定雨。布団の様にどっかりと居座った雲を水平線のかなたに見て、日の出の景色をあきらめて再度眠りました。
 そして7時ごろには、船内放送で運航状況や朝食の営業開始の案内を聞きました。和定食と洋定食ともに500円と1,000円のものから選べました。私は500円の洋定食に白身魚フライとホットコーヒーを追加でお願いしました。

船上でいただく朝食。しめて900円はお得

 ところで、船内レストランには、窓の外を向いているカウンターのような席と同じ方向で向かいあうテーブル席があるのですが、短辺側に数席だけ進行方向の前後で向かい合うテーブル席があります。すいていたので後者に座って食べたところ、幾分快適であることに気づきました。
 ロングシートよりもクロスシートのほうが乗り心地がいいのと通底するものがあります。船内で食事しているのに「枕木方向のほうがいいな」などと思った私がおりました。

雨が降っている海域を抜けたものの、デッキは濡れています。
東京湾に戻ってきました
富士山と東京湾フェリーを同時に見ることが出来ました。

 東京湾の景色を見ていたかったのですが、席に戻るよう案内されたので、14時ごろから自席で横になり、機関の音を聞きながら、どのあたりにいるのかななどと考えながら到着を待ちます。そして定刻に着岸。15時過ぎには下船。久しぶりの東京に戻ってきました。ビルが高い。ペデストリアンデッキもすごく高いところにある。帰ってきたな。
小笠原、いい冒険旅行でございました。

おまけ

 帰宅した翌日、横浜市内のプールに行きました。通路から東京湾ごしに房総半島を見て「昨日はここを船で帰ってきたな」と思いました。そして、なんでこんなにいい天気なのでしょう。

帰宅した翌日、横浜市から東京湾ごしに見る房総半島


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