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小笠原へのひとり旅(3日目・4日目)

1日目・2日目からの続きです)

 旅の3日目は、母島を原付バイクで探検した後「ははじま丸」に2時間乗って父島に戻りました。父島では"東京都"最南端の路線バスに乗りました。("日本"最南端の路線バスは沖縄県の西表島だそうです。)
 4日目はツアーに参加して南島に上陸し、シュノーケリングでマンタを見ました。


3日目

母島を原付で探検

 ペンションの明かり取りの窓からの光で早朝に目が覚めました。ダイビングで来ている別のお客さんもいるリビングで朝食を頂きました。
 今日は原付に乗るので長袖を着たのですが、コットンの長袖Tシャツを着た途端に汗がまとわりつくような気候。亜熱帯の6月を実感し、ジョギング用のスポーツウェアに着替えました。事前にしまてらすさんで予約していた原付をお借りして、いざ出発です。

走り始めてすぐにいったん休憩。地図を確認

 …なのですが、私40代半ばにして人生初の原付です。普段から普通自動車には乗っているのですが二輪はおろか原付にも乗ったことがありません。18歳の頃、普通自動車免許を取った教習所でも、雨が降ったために駐輪場の屋根の下でスタンドを立てた原付のスロットルを回して終わったので(25年も前のこと)、本当に初めてです。しかも母島の道路はアップダウが激しいので、こわごわ運転しました。

 まずは母島の南を目指していきます。島の全体の地図はこのような感じです。(↓小笠原母島観光協会さんのパンフレットの4ページ目に地図) 

 急激な下り坂で発進してエンジンブレーキがかかるようにギアをつなげる操作になかなか慣れません。「ちゃんと30km/h守ってくださいね」と言われたのですが、怖くて25km/hぐらいしか出せませんでした。普段クルマで60km/hとかで走ってるのはすごいことなんですね。

まずは「都道最南端」に無事到着です。

 母島の南に到着したので、今度は北を目指します。小さな島とは言えアップダウンが激しい道を慣れない原付で13kmも進んでまた戻ってくるわけです。なかなかの冒険です。
 ガイドマップによれば島の中心部から北港までは車で20分と書いてありましたが、私の慣れない原付では信じられないぐらいかかりそう。途中から天気も悪くなる中、途中で霞と雲に囲まれます。携帯の電波も来ないし、引き返そうかとも思いました。

途中で通った「雨中橋
地名は状況を表すのか。この辺りだけ路面がしっかりと濡れていました
やっと見つけた「北村小学校跡地」
昔はここにも集落があって子どもたちが勉強していたのだなと感慨深いもの
母島の道路の終点「北港」になんとか到着

戦争で強制疎開になる前にはこの周りにも集落があり、北港には東京からの船も就航していたそうです。
トンネルをこわごわ抜けて戻る帰り道
「石門」をはじめ、ガイドさんなしには入れない場所がたくさんあります

「ははじま丸」で父島に戻る

 なんとか無事に沖港まで帰ってこれました。88cafeさんで昼食を頂き、お借りした原付を返し、港でスーツケースを受け取った後「ははじま丸」の乗船開始を待つことにします。ここで母島観光協会さんの窓口で、来島証明書(有料)を発行していただきました。

昼食を頂いた後で桟橋を歩いていたら鳥が寄って来ました(「イソヒヨドリ」でしょうか)


 離岸作業をデッキから見た後、「ははじま丸」の椅子席に戻るとウトウト眠ってしまいました。母島を出て2時間後の16時、父島に到着です。

父島の二見港に戻ってきました
昨日降りた「おがさわら丸」が停泊しています

父島の路線バスと徒歩の旅

 民宿にチェックインして荷物を預けた後、小笠原生協さんで明日・明後日の朝食のマフィンを買った後、「青灯台入口」バス停から東京都最南端の「小港海岸」バス停を目指すことにしました。
 バスに乗っていると天気はどんどん悪くなり土砂降りに。本当は終点で降りてバス停を堪能してから海岸で日没でも見て、1時間後の最終のバスで戻ってこようと思っていたのですが、大雨を前に断念し、乗ってきたバスで折り返しました。(1日に数本しか来ない盲腸線を乗り鉄してる時のような感覚です。)

「小港海岸」バス停に到着したときにはスコールのような雨
再度料金を払って1分で折り返し

 乗った「青灯台入口」を過ぎて、「村役場前」バス停まで乗りました。ここがこのバスの終点。小笠原村営バス・オレンジライン全線走破です。
 役場前から郵便局や警察署を見ながら歩き、雨が少し上がったタイミングで「大神山神社」を訪れました。お参りした後、さらに山を登って「メイン展望台」、「頂上展望台」から景色を眺めました。

大神山神社の参道
夕日に照らされた焼けるような空

「あめのひ食堂」で夕食を

 好きで一人旅をしているわけですが、素泊りの宿の場合、食事は大いに迷うところです。若い頃はカップラーメンでも良かったのですが、冷たいビールを飲みながら温かいものを頂けると旅の喜びも大きくなります。
 「繁盛しているお店に入る」というのが定石なのですが、大人数のグループが出来上がってるところにポツンと行くのもどうも居心地が悪く、でもお客さんがあまりいないところもダメということで、カウンターがあって適度に賑やかなお店を探してウロウロし、発見したのが「あめのひ食堂」さんでした。

こちらで夕食を頂くことにしました
チギフライ定食とビール

 おいしい夕食を頂き、小笠原生協横の自販機で買った柿ピー(60円!)をおつまみに缶酎ハイを飲みながら民宿で寝落ち。したのですが、エアコンの強さと、隣の部屋からの巨大ないびきで夜中に目が覚めてしまいました。明日は海に行くのに大丈夫かなと心配しながら、3日目が終わりました。

4日目

ガイドツアーに参加

 4日目は事前に予約した竹ネイチャーアカデミーさんの1日ツアーに参加しました。午前8時30分に青灯台に集合して、ボートに乗って出発です。最初はガイドさんがいないと上陸できない「南島」へ行きました。

岸壁からタラップを降りて乗船
朝一は青空が少し見えました
波は高し
「南島」に上陸!
画面左が「鮫池」で右側が「扇池」
花弁が半分だけついている「ハーフフラワー」ごしの扇池

花びらが半分欠けているのかと思ったらこういう種なのだと教わりました
「扇池」

 そういえば、小笠原に来てからよく耳にしたウグイスの鳴き声が気になっていて、本州から人が持ち込んだウグイスなのか、ツアーの船長さんにお尋ねしました。そうしましたら、小笠原固有亜種なのだと教えていただきました。しかも本州のウグイスよりも泣き方が下手なのだとか。メスをめぐるオス同士の競争が激しくない分、魅力的な鳴き声を発しなくても相手を見つけられるから退化したそうで、その分一夫一妻でオスも子育てに参加するそうです(本州のウグイスは鳴き声うまいオスが一夫多妻)。なんだか人間にも相通じるものがあるななどと考えさせられるものがありました。進化は意思がなく正直ですね。

扇池の岩にいたカニ
カツオドリの巣

イルカを一頭見た!マンタを追いかけて泳いだ!

 南島を後にして、イルカを探しながらボートは進みます。するとガイドさんが一頭のイルカを見つけて教えてくれました。イルカの背びれが見えた!のですが、波が荒かったので一緒に泳ぐのは断念。その後今度はポイントを変えたところにマンタが。船長さんがマンタの近くに船を寄せてくれて、すぐに海に入ると目の前にマンタが! 一瞬の出来事でしたが、マンタの背中を追いかけて泳ぐことができました。写真に写せなかったのが悔やまれます。
 その後、巽湾でボートを2艘係留して昼食。土砂降りの中、お弁当を頂きました。もう1艘の船に乗り移り屋根を貸していただきました。
 その後も天気はあまりよくなりませんでしたが、シュノーケリングを幾つかのポイントで楽しみました。

シュノーケリングでみた珊瑚と魚
シュノーケリングはおもしろいですね

 ツアーが終わり、民宿に戻って水着などを洗濯してシャワー。雨が上がったので、洗濯物を中庭に干して出かけると、ものの数分でまたスコールのような雨。すぐに民宿に戻る羽目に。干した水着をまた脱水して民宿で待機。また雨が弱くなったので今度は民宿の名前のテプラが貼ってある傘を持って散歩へ。
 この日の夕食も昨日に引き続き、「あめのひ食堂」さんで頂くことにしました。きょうはメカジキのあら煮の定食にしました。

あめのひ食堂さんの「あめのひ文庫」

 夕食を終えるころ、雨は上がっていましたが、民宿に戻って入浴した後にはまた大雨が窓をたたく音が。この目まぐるしい対流は天気予報は無理だなと実感しました。日記を書きながら4日目が終わります。

5日目・6日目に続きます。) 


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