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Mosquito Blender Trailで、ブレンダーを使いこなそう!

One Controlにとって、ブレンダーは初めてのエフェクターのスタイルとして発売した機材です。その流れを汲むMosquito Blender Trailは、ミニサイズで小さく、機能的なOne Controlらしいブレンダーです。

Mosquito Blender Trailは、2つのノブとスライドスイッチを組み合わせ、様々な使い方ができるブレンダーです。エフェクターの中では個性的な位置にあるブレンダーですが、使いこなすと全く新しい世界が開けてきます。

Mosquito Blender Trailにはドライシグナルとウェットシグナル(原音とエフェクト音)を個別に調整することができます。SENDとRETURNをケーブルで直結して両方を最大にするとブースターのように使えたりもします。さすがにあまりやらないとは思いますが、そういった使い方も一応可能です。
また、PHASEスイッチとTRAILスイッチがあります。PHASEスイッチはブレンダーにとって不可欠なスイッチです。
エフェクターはものによってはONにするとインプットとアウトプットの間で位相が反転することがあります。
位相とは、音の波、波形のことですね。この波形はそのまま音になります。反転しても、それだけを聞けば同じ音が聞こえますので、通常は問題ありません。
しかし、これをもとの波形とブレンドしてしまうと、もとの波形に反転した波形が合わさり、音が小さくなったり消えていまいます。
それを防ぐため、ブレンドして音が変になったり明らかに小さくなるエフェクターを使う場合は、PHASEスイッチを切り替えてみると音が良くなることがあります。
TRAILはMosquito Blender Trailのモデル名にもなっているスイッチで、RETURN側を常時接続としておくことで、ディレイなどの残響を最後まで残すことができます。l

そして側面にBJF Bufferスイッチ。インプット部にBJF Bufferをかけることができます。

このMosquito Blender Trailの内部の構造を理解すると、おのずと様々な使い方が見えてきます。
簡単に図解するとこのような構造になります。

BJF BufferはBJF BufferスイッチでON/OFFできます。しかし、BJF BufferのON/OFFにかかわらず、Mosquito Blender TrailをONにすると別のバッファーがかかります。そして、そこでSENDから出力する信号と、Mosquito Blender Trailの内部にいく信号に分けられます。
シグナルを2つにスプリット(パラレル)するため、BJF Bufferにかかわらずバッファが必要となります。これがないと、音が弱くなってしまうためです。

そう、つまりSENDから出力される音は、原音(バッファは通りますが)そのままの音が出るわけです。

そして、RETURNから戻ってきたシグナルは内部のミキサーに通り、インプットから来た原音とミックスされます。ここにDry、WetのノブとPHASE、TRAILスイッチがあります。
これを踏まえて、いくつか使い方をご紹介してみましょう。

まずは最もシンプルな使い方です。これはファズペダルと原音をミックスする使い方。ギターではもちろん、特にベースで有効。マフなどのぐしゃっと音が潰れるサウンドに原音の芯を通すような音を作ることができます。

そしてMosquito Blender Trailならではの使い方。何が違うのと思うかもしれませんが、エフェクターがリバーブになっています。
そして・・・・・・

TRAIL ON。トゥルーバイパスのリバーブペダルでも、こうすることでエフェクトOFFにしたときに最後の響きを残すTRAILとすることができます。このように使うときは、リバーブをKILL DRYに設定するとより使いやすくなります。Mosquito Blender Trailならではの使い方です。

これは、チューナーをつなげています。さきほど見たとおり、SENDはインプットがそのままパラレル出力されます。つまり、こうしてSENDにチューナーを接続すると、常時音を出しながらチューニングも可能となります。

逆に、RETURNだけを使うこともできます。こうすると、簡易的ですがミキサーのようになります。これは、ギターの音とノイズが出るSCMを組み合わせ、新しい音を作るような使い方ですね。
もちろん、本格的なミキサーのようにはいきませんが、簡易的に、音を混ぜるという使い方も可能です。

そして、Mosquito Blender Trailを2台使った使い方。
これは何をしているかというと、パラレルエフェクトループを作っています。片方にリバーブ、片方にディレイを入れています。1台目でシグナルを分割、SENDからリバーブ、OUTからディレイに送ります。
2台目のMosquito Blender Trailでディレイからの音とリバーブからの音をミックスしています。


このように、いろいろな使い方が可能なMosquito Blender Trail。ぜひとも、新しいシグナルの極みにチャレンジしてみましょう!