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クロエからみるレザー

クロエは、プレタポルテの需要をきっかけにフランスで1950年代に設立されました。

プレタポルテが何かというと、クロエが造った言葉で、高級既製服という意味です。
当時は、高級服は受注生産が主流で、オーダーメイドしないと良い服は買えないのに、注文が殺到していたという時代でした。

そのコンセプトとデザイン性が海外のセレブから評価され一躍有名になり、80年代にはリシュモンの傘下へ。世界でも代表的なブランドの地位を築きます。

そんなクロエが革製品の取り扱いを開始するのは2000年に入ってからと、割と歴史は浅いですが、リシュモングループ内でのノウハウを共有できる強みがあります。

クロエの革製品を見ていて驚くのは、いい意味で革を革として扱っていないということです。

大量のギャザーを作って、フリルのような使い方をしていたり、レースのようにパンチで模様が細かく入っていたり、洋服のデザインを基盤としてきたブランドならではの個性があります。

また、スーツの仕立て屋さんのように裏地にもこだわりを感じますし、裁断や裁縫部分も細かいデザインが光ります。

UNIQLOで話題になった+Jもシャツやジャケットのようなパーツの多い服のデザインに定評がありますが、仕立ての良さを追求したデザイン性は細やかで、品のある個性を感じさせます。

仕立ての良い革製品という新たな概念を与えてくれたクロエの商品は、フェミニンなブランドイメージを繊細に表現し続け、レザーの可能性をますます広げてくれることを期待させます。


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