見出し画像

うつに効く?!ハーブ

前回書いた、うつに有効と言われている「セントジョンズワート」を紹介します。

和名が怖い…

セントジョンズワートは、6月の夏至の頃に黄色い花を咲かせる背丈1mくらいの多年草です。

和名が、「セイヨウオトギリソウ」

ゲーム好きな方はご記憶でしょうか。昔「弟切草」っていう怖いゲームがあったのを。小説を読むように、その都度色んな選択をしながら進んでいくゲームだったと思います。私はバイオハザードとかメタルギアソリッドとか、撃ちまくるゲームが大好きだったので、これには手が伸びず内容は知らないんですが。

でも漢字で見るとなんだかおどろおどろしいですよね。弟を切るんだから。

そのときは架空の植物の名前だと思ってたんですが、ハーブで知ったときは、えっ!現実にあるんだ!とびっくりしました。しかも由来がやはり怖かった。

弟切草の由来は…
昔鷹匠(鷹で狩をする人)が鷹で怪我をしたときに、代々伝わる秘伝の薬を塗って治していて、その薬がとてもよく効いた。でもそれは門外不出の秘薬。なのにその鷹匠の弟が作り方をうっかり人にもらしてしまった。怒った鷹匠は弟を斬り殺した、という話からきているそうです。こわっ!ゲームもこんな内容だったのかしら。

この黄色い花びらには、赤黒い小さな斑点がポツポツとついているんですが、それはそのときに飛び散った血である、と言われてるらしいです。

ヨーロッパでも!?

ところが、西洋でもこの赤黒い斑点は血ととらえられているそうで、聖ヨハネがヘロデ王に首をはねられたときの血、と言われてるらしいんですよ!なんという一致!(セントジョンズとは聖ヨハネのこと)

ヨハネってキリストの半年前に生まれていて、神の国は近い、悔い改めよと言って川でみんなに洗礼をして、キリストにも洗礼を授けた人。

でもそんなことしてたらユダヤのヘロデ王に捕らえられ、幽閉されてしまった。ある日ヘロデ王の誕生日の祝いか何かのときに、後妻の連れ子であるサロメが王の前で踊りを踊って、上手く踊れたらご褒美にヨハネの首をこのお盆にください!って言った。結果見事に踊り、打ち首になったという…

ご褒美が首って…オソロシイ娘だわ。(でも実際それを所望せよ、と耳打ちしたのは後妻の妃なんだけどね)…ひどすぎる。

ちなみにヨハネの誕生日は「聖ヨハネの日」といって6月24日。そう、夏至のあたり。このハーブも夏至の日に収穫したものが一番効き目があるという言い伝えがある。

でも科学的にいうとこの斑点はヒペロシドという暗赤色の色素成分らしいです。赤黒いから血に見えるんでしょうか。

効果・効能は?

さて、前回私は睡眠障害のひとつである「早期覚醒」タイプであることが分かったと書きました。セントジョンズワートはまさにこのタイプに有効とされているんです。

それは、近年のヨーロッパの研究でヒペリシンやハイパーフォリンという成分がセロトニンの分泌を高め、うつ症状や気分の落ち込み、不安、不眠を改善するという結果が得られたからです。ヨーロッパでは抗うつのハーブとして定着、処方されています。

セロトニンって別名幸せホルモンというのは聞いたことあると思うんですが、精神安定剤ととてもよく似た分子構造をしているらしく、これが欠乏するとうつ症状やイライラ、疲労、ヤル気が出ない、不眠などの症状が出てしまうらしいです。

このハーブは、そんな暗く沈んだ気持ちを明るく前向きにしてくれる作用があるということで「サンシャインサプリメント」とも呼ばれていて、その名の通りサプリメントとしても広く使用されているようです。買ったことはないんですが。

また、ヨーロッパでは北の方は冬が長く冬の間の日照時間も日本に比べたらぐっと少なく、ドイツに住んでいた友だちに聞いたら、冬は午後4時前には真っ暗になり、朝も8時くらいまで暗いらしいです。しかも日本みたいに冬晴れの日は少ないので、自然と気持ちもふさぎこんでしまうんだとか。それを季節性感情障害といって、そんなときにもこのセントジョンズワートが処方されるそうです。

太陽の光を浴びるとセロトニンが分泌されるらしいので、暗く長い冬はセロトニンが欠乏しがちなんでしょう。晴れが多い日本の冬とは大違いです。

ちなみに朝起きてすぐ窓の下にいって空を見上げるだけでもセロトニンは分泌されるそうです。最低15秒でもいいみたい。くもりや雨の日でも光量はあるので大丈夫、と睡眠学の先生が言ってました。

それ以外にも、このハーブには更年期のうつ症状や月経前症候群、外用では鷹匠が使っていたように怪我したときなどの鎮痛効果や止血作用、炎症を抑えるはたらきがあります。

おススメの飲み方

私はこれで不眠が改善されたわけなので、もし同じような悩みの人がいたら試して頂きたいハーブですが、味は単独だと美味しいとはいえません。草っぽいというか土っぽいというか…。なのでブレンドがおススメ。

例えば…リラックスさせてくれるジャーマンカモミールとか

不安を和らげ、鎮静効果にすぐれているオレンジブロッサム(オレンジフラワー)とか

私が最初に試したのはパッションフラワーとのブレンドです。

前回書いたハーブティーの飲み方をもう一度書いておきます↓

飲み方は、
❶ポットに3gのハーブを入れる(ティースプーン軽く2杯くらい)
❷熱湯を200ml入れる(マグカップ1杯)
❸フタをして3分(根っことか硬そうなのは5分)待つ
❹茶こしを当ててカップに注ぐ(ポットに茶こしが付いていれば不要)

ブレンドするときはトータルで3gになるように調整する。


あとセントジョンズワートは、ちょっと注意があって、以下の薬を飲んでいる人はその薬の効果を弱めてしまうので使用を避けて下さい!

 ●インジナビル(抗HIV薬)

●ジゴキシン(強心薬)

●シクロスポリン(免疫抑制剤)

●テオフィリン(気管支拡張剤)

●ワルファリン(血液凝固阻止剤)

●ピル(経口避妊薬)

の6種類です。

最後に基本データを載せておきます。

【セントジョンズワート】
学名                    Hypericum perforatum
和名                    セイヨウオトギリソウ
科名                    オトギリソウ科
効能                    抗うつ作用、炎症を抑える、鎮痛作用
こんなときに…  軽度から中程度のうつ、更年期障害、月経前症候群、切り傷など  の怪我

次回はパッションフラワーについて書きたいと思います。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?