(五)加賀の千代女の「渋かろか知らねど柿の初契り」を読んで一句作る

「渋かろか知らねど柿の初契り」の句の書きに「初めて嫁ぐ時」とある。この句は、女人としての未熟さを表現した句とも受け取れる。また、嫁ぐ覚悟というのも感じられない。「渋かろか知らねど」が、それを示している。
この句は嫁ぐ相手が「未熟」なのかどうかは知らないが、「渋い柿」である自分と結婚するのだという意味に受け取れる。寧ろ、作者自身の未熟さを表現したかったのかもしれない。
もう少し年を取ってから、嫁ぐ際の気持ちを歌ったら別な歌い方になったかもしれない。「正信寺住職のこぼれ」話によると、千代女は18歳のとき、金沢の足軽であった福岡弥八に嫁ぐが、結婚後五年に夫が、翌年その愛児も亡くなったため、松任の実家に戻った。(浄土真宗 正信寺 (shoshinji.jp)を参考方。)その後再婚することは無かったとされているが、確たることは不明である。
私は、この句を読んで次のような句を作った。
  渋柿を 甘くするのも 日の光


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