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寝る前に流し聞きなどいかがでしょうzZ
【あおいろ万華鏡ch】にてお待ちしております🩵
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2022年6月の記事一覧
おばあちゃんへの手紙 外伝
おじいちゃんありがとう セミ編 1
僕はおじいちゃんが大好きだ。
どちらかというと無口で物静かなおじいちゃん。
おじいちゃんは玄関のとなりにある
少し奥ばった部屋の縁側にいつも座っている。
僕が小学校から帰ると、
いつもやさしい目でほほえみ
「おかえり」と言ってくれる。
その静かな「おかえり」はどこか涼しげだった。
夏の暑い日にさわやかな風がそっと吹いて、
チリリンと風鈴が鳴るように。
おばあちゃんへの手紙 外伝2
おじいちゃんありがとう セミ編2
僕の家は“水元公園”という
大きな大きな公園のすぐそばにある。
埼玉県との境に位置するその公園は、
東京ドーム30個分だと
どこかのテレビ番組が言っていたような気がする。
中川から枝分かれした、
大場川の行き止まりのような形で小合溜が形成され、
その水辺に沿って存在する水元公園は、
コイやフナを狙う釣り人たちもよく訪れる。
現在では釣仙郷とも呼ばれている
おばあちゃんへの手紙 外伝3
おじいちゃんありがとう セミ編 3
夏休みの真っ只中だった。
その日もいつものように、
おじいちゃんの朝の散歩について行った。
まだ6時になったばかりで、
日中の暑さに比べれば幾分か涼しかった。
雄大なポプラ並木を抜けて
メタセコイアの森に入る。
メタセコイアは高く高く生い茂った木で、
そのてっぺんを見ようとすると、
顔が青空に向かって真上に向いてしまい
首が痛いほどなのだ。
恐竜のい
おばあちゃんへの手紙 外伝4
おじいちゃんありがとう
南蔵院編
水元公園に沿って小合溜という水の景観が続く。
その反対側、やはり水元公園に沿って土手が続く。
土手の上は
ジョギングや散歩コースが設けられていて、
その道沿いには桜の木がずっと立ち並んでいる。
通称“さくら土手”。
正式には“水元さくら堤”というらしい。
といっても僕は
人がそう呼ぶのを聞いたことがないけど。
みんな“さくら土手”で通じている。