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1日早い、ひとり年越し蕎麦

占い師という仕事を始めてから、自分の誕生日とか元旦とかGWとか、特別な日に仕事が入ることが当たり前になった。

だから11月に、「今年大晦日は、人が多いと思うので、シフト入ってください」とお店からLINEが来た時も、「あーあ、さいごのさいごまで仕事か」とがっかりすることもなく「はい、わかりました」と淡々と返事をした。大晦日の仕事場所は横浜中華街。行動制限のない3年ぶりの年越し。明日はどれくらい忙しくなるのだろうか。
 
中華街の占いは、なぜか鑑定中に笑いが多い。暗いイメージが全くないポジティブ占いだ。その笑いに引き付けられるように、次々とお客様がやってきて、気づけば周りが薄暗くなっているってこともよくある。クリスマスも11時から17時まで1度もお客様が途切れることなく鑑定が続き、トイレに行くことも水を飲むこともできず、喉はカラカラ、頭はクラクラだった。こんなにお客様に来ていただけることは、ありがたき嬉しいことだけど、大晦日の明日、私は一体何時に家に帰らせてもらえるのだろうか?
 
大晦日の年越し蕎麦、毎年母と二人で食べるのが、もう何年も前から習慣だけど、明日は年越し蕎麦ではなく、年明け蕎麦になっている可能性が高い。
 
よし!今日の予定変更。今来た道を引き返し、大好きなあの蕎麦屋で、1日早い年越し蕎麦を食べちゃおう。あの蕎麦屋なら、いつも元気でてきぱき動いているおばちゃんか、いらっしゃいませとありがとうございますの挨拶で、いつも癒してくれる気の利くバイトの女の子がいるかもしれないから、ひとり蕎麦も問題なし!
 
大晦日1日前のひとり年越し蕎麦。冷たくさっぱり、つるつるっと一気に食べられるあのざる蕎麦を食べながら、今年頑張った自分をたくさん褒めてあげよう。