ちょっとした誤解

開業税理士だった頃の話。

忙しくしていた私に脱サラして子育てしてくれていた主人が、何か手伝えないか言って来た。

どうしようかと思ったけれど、彼はもと営業とは言え、簿記3級を勉強中だったし、子供も保育園に行く事になったし、お願いすることに。

じゃあ、明日、書類渡すから、仕訳、伝票の起票してくれる?

わかった。

次の日。
出納帳と入金、出金、振替伝票、勘定科目印を渡して。
先ずは、金額と摘要だけうつしてください。
相手方の勘定科目は、うつし終わったら説明します。

言い終わるか終わらないかで彼の口が動いた。

オマエ
俺を馬鹿にしてるの?
なんだこれ?

試算表作るから、仕訳して。
その後会計ソフトに入力するから。

言い終わるか終わらないかのうちにまた彼の口が動く。

だから、なんなんだよこれ?
荷物どこにあるんだよ。
仕分けすんだろ?
伝票は?

大手企業出身で、成績優秀バリバリ営業マンだった彼は、税理士事務所の仕事を知らなかったのだ。

仕訳と仕分け
会計用の伝票と売上(納品)伝票

似て非なるもの。

今でも思う。
私の説明、本当にお客さんに伝わってるのかな。

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