添い寝

昨日出張から帰ってきた彼氏にハグしてもらってよく寝た。

添い寝すると、相手の皮膚の感触や匂いや温度の集合体みたいな成分を吸収して、精神安定剤や睡眠薬と同じ効果があると思う。
でも依存性の高い薬でもあるから、用法、用量を守って正しく使いたい。

自分達の添い寝が確立するまでには、いくつかのステップがあった。

1.共寝期
添い寝初心者の頃は、寝返りすると相手を起こすんじゃないかと緊張したり、背中を向けると嫌がってるように思われるかもと気になって、ただ隣で息を潜めて横になるだけだった。
あまりよく眠れないけどドキドキを楽しんだし、彼氏が帰った後のベッドに潜り込んで余韻を噛み締めた時期だ。

2.満喫期
スリスリしたり、相手の寝息と自分の呼吸を同期させる楽しみを味わう余裕が出てくる。
相手が寝返りして向こうを向いた時こそチャンスで、背中にぴったりくっつける幸せを感じる。
お互いの手の置き場所や足の絡め方など、自分達のちょうどいいフォーメーションが構築されて、ハッピーしかない時期。

3.抱き枕期
相手の抱き枕になると、ずっしり体重をかけられて重いけど、受け止めてる感があって満足度が高い。
抱き枕にするのもいいし、抱かれ枕になるのもいい。
でもさすがに朝までは疲れて続かないので、途中で重さをすり抜けたあとは少し離れて寝るようになる。
くっついてるだけが添い寝じゃない、お互いに背中合わせになってても、少し離れていても添い寝だと気づく時期。

4.フリースタイル期
2〜3で構築された型が進化または崩壊する時期。
遠慮がなくなり、好きなように振る舞う。
Tがひどいのは、向き合ってハグして寝てる状態のまま、俺を抱えてTの体の上を通過して逆サイドに寝返りすることだ。
さらに、相手の腕や脚を引っ張って、自分の好きなようにポジショニングする。
添い寝の形は∞だと知る。

用法に関する考え方はみんな違うだろうけど、オーバードーズの結果として「ぶっちゃけ誰でもいいから添い寝してほしいと思う夜がある」のは、みんな同じだろう。
浮気とかじゃなくて、そう思うときがある。
用量を守るのは難しい。


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