添い寝よりも添う
添い寝が捗る季節になった。
これから数ヶ月は「Tの上着に潜り込む」という、添い寝よりも密着度の高いボーナスタイムを満喫する。
暖かくて落ち着くし、Tの胸にぴったり耳をあてて胸伝導?で聴く声は、いつもより低音で心地いい。
年間数十日をこうやって過ごしている潜り込み専門家として、今年は少し上級者向けの楽しみ方を見つけた。
①彼氏をソファに仰向けに押し倒す
②彼氏の上に乗り、上着の裾からもぐり込む
③ぴったりくっついて、しばらくお腹の上での時間を楽しむ
(ここまでは例年通り)
④③に満足したら、彼氏に寝たまま頭の後ろで手を組んだ形になってもらう
⑤そこにさらに潜り込み、彼氏の上着の袖に自分も腕を突っ込む
⑥ムチムチの二の腕を揉みながら、彼氏の胸に耳をくっつけて心臓の音とリズムに異常がないか、健康状態を確認する。
Tの健康チェックのために潜っているのだから、⑥を「診察」と命名した。
筋肉ムッチリの二の腕は揉み心地がいいことを知ってしまい、毎日モニモニしているが、あくまで身体のチェックだ。
今では俺が「診察します」というと、自分でソファに寝るようになった。
よくしつけられた犬のようだ。
Tは俺を上着に入れていることが普通になってしまい、昨日はその体制で上司からの電話に出て「お疲れ様ですー」と話しはじめた。
その状態の時にTの脇腹をつんつんすると、ボリュームを落として静かに話してくれる。
静かになると眠くなってきて、つい寝落ちしてしまった。
極稀にTが俺の上着に潜り込んでくることもあるけど、目的はほとんどが乳首への攻撃だ。
つんつんで仕返しされているうちは我慢するけど、執拗にくりくりされると痛いからブチギレて蹴飛ばす。
しつけは大変だ。