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はじめまして

はじめまして、塚田怜央と言います。
昨年度、東大の理学系研究科物理学専攻で博士号を取り、今春からアメリカのペンシルベニア州立大学 (通称 Penn State)でポスドクとして宇宙物理の研究をしています。
具体的には、『重力波』と呼ばれる時空の歪みが光速で伝わる波動現象を解析することで、ブラックホールなどの高密度な天体の性質を調べる仕事です。
昨年度をもって、果てしなく長かった学生生活を終えたこともあり、しっかり文章で情報発信する機会を設けようと決意しました。
具体的な理由は主に以下の2点です。

1. 研究者は個人事業主に近い

つい最近まで学生だった身分で、研究の「け」の字もまだわからない僕ですが、研究者(特に常勤職をとる前)は個人事業主に近いと思っています。自分個人の情報をできるだけ多くの人に知ってもらわないといけません。物理的に体がアメリカにあるという事情もあり、オンライン媒体を通して多くの人とコミュニケーションをとっていきたいです。


2. マンモス研究グループでの研究生活

僕の研究室は「LIGO Scientific Collaboration」という、アメリカ全土に構成員を有する巨大研究グループに所属しています。「LIGO」というのは"Laser Interferometer Gravitational-wave Observatory (レーザー干渉計重力波望遠鏡)"の略称で、アメリカに二台ある重力波を観測するための望遠鏡のことです。この施設の詳細は後日説明しますが、どれくらい巨大かというと、構成員が1000人近くいます。それに加えて、同様の施設がヨーロッパと日本にあり、それらに携わる研究者も全員構成員に数えられ合計1500人(!!)ほどにも及びます。言い換えるなれば、世界全体に支社があるマンモス企業で働く会社員に近いものがあります。
大学院生時代からこれに所属しており、研究者の友人から聞く話と比べると、文化であるとか働き方がだいぶ違っていると実感することが多くありました。民間の世界からすると「アカデミック」と一括りにされがちですが、いわゆる民間での「社会人」のなかにいろんな生き方働き方があるように、研究者の世界にもいろんな生き方があると思います。その一つの例として、これから研究者の世界を目指す人、僕と同じくひた走っている人、外部から興味本位で話を聞きたい人、に届いたら嬉しいです。

今までの人生で、先人の方々が発信する情報で助けられた場面が数多くありました。そのもらった恩を還元するためにも自分が人生で得た経験、情報が少しでも誰かの役に立てたらという一心でゆるく、細々と発信していきたいと思います。
初投稿ということでここら辺で筆を止めて、次回は「大規模コラボレーションで研究してるとよくあること」をつらつらと書いていきたいと思います。

では。

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