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「ない」ものを証明するのは難しい

※結構デリケートな話題かもしれないけど、大事なことでもあるので書く。ちょっと読んでダメそうなら今日のは読まなくてもいい。



私は無性別という性別自認でいる。
無性別は男女その他の性別の誰にも当てはまらないことを指し、その名の通り性別が「無い」。

ただ、この世界では見た目では男女の二つでしかなく、これ以外に各自が「これ」という性別自認を持っていたり持っていなかったりするのだが、無性別であることを自認したのが大学生の頃で、今は8年くらい経つ。

親しい友達にはカムアウトしているし、無性別だと確信がなかった時まで(少なくとも20数年)は「女子」として育ってきたわけで、「女子のロールプレイ」はそれなりに板についている自信がある。


女の子らしくしなさい
スカートを履きなさい
男の子みたいな髪型にしないで
ピンクや赤じゃなくていいの?
似合ってるからって男の子みたいな服にしなくても
スーツ両方作るのもったいないよ
どんどん男の子っぽくなるの気になる
男の子になりたいわけじゃないんだよね?


…とまあ、特に母親からはよくこんなことを言われた。下の2つに関しては最近も言われる。

私は一般的な女性としては背が高く、175近くある。元々の好きな服の嗜好もメンズ寄りで、可愛い服は見てるだけだった。丈、胸囲、股下の長さ等々、日本人女性のおおよその身の丈に合わせて作られた服は殆どうまく着れた試しがない。
それなら元々丈もあってて、好きな服着た方が得じゃん!と思ってメンズ服を好んで着ている。

あとガールズとかウィメンズの服って重ね着前提で一枚一枚が薄いと思ってる。なるべく枚数は減らしたいし、おしゃれなやつも着たい。(ファッションセンスは置いといて)
メンズ服は1着ずつが高いけど、一枚で着れてあったかいのが多い。
そういうとこも含めてメンズ服は好きだ。


「見えているもの」が結局全て

本題。ちょっとセンシティブかもしれない。

私は無性別でありノンセクシャルである。
Twitterでも(というか主にツイキャスにおいて)公言はしてた。聞かれたら答えられるレベルには公言している、と思う。

ノンセクシャルは日本由来の言葉らしく、世界的にはノンセクシャルという単語はないらしいのだが、私は説明が簡単かな〜と思うのでここではそのまま使う。

ノンセクシャルは、相手に恋愛感情を抱くものの、性的欲求を抱かないセクシャリティのことだ。

性的欲求っていうのも、ハグまで!とかキスはいいとか、性的行為は無理だけど前戯までならとか、人によってかな〜〜〜り細かいラインが存在する。私は大学生の時にひょんなことからアンダーグラウンドに足を突っ込み、ハプバーに集中的に行っていた時がある。
その時に合法的に仲のいいお兄さんたちにお願いして自分のセーフラインを探る、というなんとも大胆かつ生殺しみたいなことをしていた。

まあでもそれは無駄じゃなかったと思うし、自分のセーフラインを相手に説明するのにかなり役立っていると思う。お兄さんたちに感謝。

私の性的欲求のセーフラインに関してはこの場で話すことを避けるが、性的欲求が自分の中で存在するかどうかについては話すことができる。

乙女ゲームもやるし、BLもバリバリ成人向けも読む。これは人の趣味嗜好だと思うので軽くスルーしてもいいはずだ。

自分の性的欲求に関してだが、あるにはある、と思う。
思う、って曖昧にしたのは、これが生理前〜後のおおよそ1週間ちょっとくらいに限られるから。
昔はそれがめちゃくちゃに嫌だったし、性嫌悪もあるのに性的コンテンツに興奮する自分が本当に吐き気がするくらい嫌だった。

じゃあ今はどうなのかってことだが、「生理だからしゃーなしやな…」と受け入れることにした。人間的本能だと思うし。外付けハードディスク的なもんだと割り切ることで乗り切ろうとしている。

世の中の無性別を自認している人の中には、生理が来ることで自分の女性性を感じて嫌になるからと生理を止めている人もいるし、胸部切除をしている人もいる。私の理想の体はアニメで見る性器のないまっさらな状態の素体そのものなわけだが、そうすると人間的に老廃物の排出とかできないわけで、その辺考え始めると人間の構造についてまで考えないといけなくなるので省く。

性別がどんなに無いと話しても、結局この身は女性の体で、女性の体を持っている限りは女性扱いされるし、それを是としてしまう自分はいる。
思想は色々あると思うし、それを完全に理解する頭も知恵も足りてない自覚はあるので、その点についてもここでは省く。

長年付き合いがある友達に無性別でノンセクシャルなんだ、という話をかいつまんで話した時、「性別がどうとか、そんなの関係ないよ。お前はお前じゃん、何も変わらないよ」と言われたのをずっとずっと覚えている。
書面で性別の欄に変更があったとしても、あなたという人物に変わりはない、と重ねて言ってくれた。
めちゃくちゃに覚えてるし、思い出すだけで嬉しい。何も変わらないのだ。なにも。

まあでも「女性です」と紹介されるともやっとするし、「全然女の子らしくなくて〜」とか「髪型も男の子みたいにしてて…」とか聞くと好きにさせろや趣味の範囲やぞと思うけど、それも全部「女子の体で生まれてきて」、「娘」だからなんだよな〜〜と仕方なく受け入れている。

どんなに自分が「そう」であると思っていても、目に見える変化、目に見える状態でなければ他者にそれを説明することは不可能な気がする。
母のように、女の子なら女の子らしくしてほしい、結婚してほしい、出産してほしい、可愛い服を着て欲しいと思う人にとって、背も高くてメンズライクでぱっと見男の子にしか見えない時期もあったような人間は自分の常識から外れていて怖いんだと思う。
実際男の子になりたいの?って聞かれたし…

好きなものを着て、好きな髪型にしてるだけだと説明しても聞く耳を持たない。父に「似合ってるんだからいいでしょ」とたしなめられて、なんとか黙ってくれているような状態だ。

父にはノンセクであることは話していないが、性嫌悪がある話はしている。無性別であることもふんわり伝えてある。「好きなようにしたらいいよ」と言ってくれたし、「結婚はしたいけど出産はしたくない」と言った時も、理由について話した時も、非難しなかった。

感謝しかない。

最近はセクシャリティ向けのアプリとかも開発されてきて、ちょっと考えが似てる友達を作れる機会が増えて嬉しい。
段々まとまりがなくなってきたので、今日はこの辺で締めようと思う…

たくさんたくさん余計なことを書いた気がする。

それでもわたしは自分が「何」であるかをわかってるつもりだし、今後誰かに説明を求められたらその都度自分を知ってもらうために話をしようとは常に思っている。それだけ。


次は推しの話とかしたい。もっと楽しい話したい…


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