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死ぬ気で遊び抜いた経験はあるか

「遊ぶこと」が「生きること」と直結した経験はあるだろうか。
私は少なからず1か月半の間は「ある」。

私は一か月半、イギリス・ブライトンに留学していた。
イギリスの郊外でありながらナイトライフが盛んな観光地という不思議な街だ。東京に住んでいた私にとっては夜に飲んだくれ、街中から路上シンガーが歌っているこの街があたかも杉並区の高円寺のような感覚に陥った。

ブライトンの街並み(昼)

留学で鍛えられる能力として「コミュニケーション能力」がある。このコミュニケーション能力は少なからず語学力だけとは限らない。言語の壁を払った人間的な本人の魅力そのものがコミュニケーション能力である。面白いキャラ、優しいやつ、頭が良いキャラ………このような細かいキャラを自分に合わせてブランディングし、適切に言葉で魅力を伝えてコミュニティの輪に入ることが出来る。こうして現地に足を付けて生活していく。

私自身はどうかというと、結構奥手なタイプで自己主張は集団においてあまりしないタイプだ。このタイプはどうしても埋もれてしまう。

そのため短期留学者であった私は友達を作って溶け込むという点に対して非常に焦りを覚えていた。最初はなかなか友達が増えず、英語力もゴミで、苦労した。だけど留学生活を充実させ、トラブルなどにも対応するためにはコミュニティに入り、自分の人脈を築く必要があった。

困っていた中で通っていた語学学校で流行ったのが「ナイトクラブ」だ。
私はクラブに行くような人間ではない。中学・高校は吹奏楽部といった具合にクソ真面目な学生だった。しかし現地の同級生たちがこぞっていくのだから仕方ない、溶け込むためには私も意地だった。クラブ遊びは手っ取く仲良く現地の学生と友達になれる方法だったのだ。

現地のナイトクラブ

音楽は心を一つにしてくれる。
沢山の友達や顔見知りが出来た。それと引き換えに、イギリス留学は遊びで終わった。
しかし本気で遊んでいた。ナイトクラブで朝の4時まで遊び、その後の朝8時から始まる語学学校の一時間目の授業には必ず出席した。そして15時に学校が終わればそのあとは図書館。仮眠して、夕飯を食べたらまたクラブ。この繰り返し。
同じクラブは飽きるからと3店舗くらいローテーションして、たまにVIPルームを取って巨乳のイギリス美人にサーブしてもらった。

酒は英語力のなさをカバーしてくれた。
だから酒を覚えた(渡航時は20歳になったばかり)。ビールにジンジャーエールを割って味を誤魔化して安パブに居ついた。テキーラもショットで開けまくった。酒があれば何でもできると信じていた。

私はホームステイだったが、ステイ先には朝帰りで寝る為だけに帰っていた。糖尿病の初期症状が出たけど、現地に馴染むためにキャロットケーキやらとめっちゃ甘いミルクティーを欠かさずオヤツに頂いた。みんなで放課後、お茶をしていた。皆、出会った時よりも顔が丸くなっていった(笑)

激甘スコーン。更にホイップを載せるという暴挙は日常。

私も勿論太った。でもあのデブ具合は傷の功労だ。私があの時に頑張っていた証拠が贅肉だ。

少なくとも私の留学は渡航前に思い描いていた理想とは離れていた。
だけど、頑張り方は別になんだっていいのだ。自分の力で人脈を切り拓いて不自由なく現地で生活が送れているのであればそれでいいのだ。

とにかく留学先ではコミュニティに入ることが命。
友人の存在=生命線だ。嫌でもコミュニケーション能力は生き残る為に磨かれていく。クラブに行こう等という殻破りが出来たのも生存本能に近いものだと思っている。
やり方は人それぞれだが、窮地に陥ったどの場所でも生き延びることが出来るという実績はその後の自分の人生を明るく灯してくれることだろう。
私の場合はミラーボールが照らしてくれている。なんちって。

結論、留学に行くことは生存本能を呼び起こす原体験になり得るのかもしれない。どうぞお試しあれ。



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