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禅の響 - ZEN no OTO-

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「禅の響 - ZEN no OTO -」は2020年10月から始動した年4回行われるコンサートです。 ここに、言葉と音のアーカイブを残します。 尺八の音は音楽ではない。   …
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#心

「禅の響 -ZEN no OTO- | 虚空」無我の境地

 人は意識する。何故、意識するのか。 自我。他人。社会。環境。あるいは人生の意義。 それは生に執着する心の顕。 様々は知っている。意識は浅はかで、都合がよく、とても儚い。 手に溜められた一掬いの水に自分を映すようなものであると。 時間と空間の支配の顕。 一心は、それを淘汰する。  今年に入り虚空をどれほど吹禅したでしょうか。純粋に尺八と向き合いたかった。そして、どれほど自分が尺八を愛しているのかを知りたかった。ただそれだけだったのかも知れません。  今年1月か

「禅の響 -ZEN no OTO- | 本手ノ調」生きる事の深さを見つける

生命は息し、それは無から一瞬に解き放たれ放出し、やがて終焉を迎える。 無は次のはじまり。生命力に溢れ、命を凝縮している。 この一連の流れは、地球が生を終えるまで無常に繰り返される。 人間はありとあらゆる死から目を背ける。 恐怖は極端に萎縮され、小さな個人の枠組みを形成し、そして全てを盲目にする。 万物の過程は人間が考えている以上に、美しく、幸福に満ちている。  人は何故、死に抗おうとするのでしょうか。それは呼吸を止めてしまうのと同じように思います。自身が死して尚も、血や形状

「禅の響 -ZEN no OTO- | Prologue」はじまりのお話

 早いものですね。先週、「禅の響 -ZEN no OTO- vol.1」を終えて、既に1週間が経ちました。今後、6週間にわたり、vol.1の動画を7曲、公開していきます。第一弾の「Prologue」は本日、公開です。動画の公開に伴い、本番では話せなかった思いなども、お伝えできればと思っています。  「Prologue」で使用している楽器は5尺2寸(2m)尺八です。通常では、そのような尺八はありません。また尺八は一般的に真竹を使用しますが、今回の竹は孟宗竹を使用しています。2