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禅の響 - ZEN no OTO-

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「禅の響 - ZEN no OTO -」は2020年10月から始動した年4回行われるコンサートです。 ここに、言葉と音のアーカイブを残します。 尺八の音は音楽ではない。   … もっと読む
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#江戸時代

竹取りの話

 尺八の竹を取りに行くようになって、今年のシーズンで4回目です。最初は師匠とそのお弟子さんたちと。そして直ぐに自分が求める竹林を探すようになりました。湘南葉山であったり、茨城であったり。そして今年は群馬で竹取をします。名前は言えませんが、ご縁を繋いで下さった知人に感謝です。竹は竹害にもなり、放っておくと森林を侵食します。そういった事からも切り倒すようにしています。自然保護とその竹が新しい命として生まれ変わる、私の中では、一大イベントです。  竹林に入ると、ついついニンマリし

口伝は守破離の自然体でできている。

 本来、古典本曲(江戸時代の尺八音楽)を吹禅する時、暗譜をして奏します。私は暗譜までに譜面や多くの音源、師匠との録音などを聴いて、身体に入れていきます。そうして稽古に打ち込んでいると、口伝について思いを馳せる事があります。おそらく、現代の演奏家は曲の譜読みを先にして、分析し、演奏する事が多いのではないでしょうか。それは最も合理的である意味、譜面が完成されているからとも言えます。私も古典本曲以外の練習方法はそうしています。が、そうともいかないのが、この古典本曲です。  もとも

まえがき

 今年の5月頃からぼくは実験的に始めた事があります。ブログを書くという事です。それとFace BookなどのSNSを再開しました。ぼくは演奏家の傍ら、環境の啓蒙活動や、これから話す地無尺八をライフワークにしていまして、持続可能的な生き方を目指していました。過度なPRなどをなるべく控えて。演奏家としてはかなり致命的な活動方法だったと思います。でも後々色々と見えてくる部分もあって、それはそれで良かったと思っているのですが。去年くらいから、そんな自分を深い底からひっぱり出してくれた