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禅の響 - ZEN no OTO-

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「禅の響 - ZEN no OTO -」は2020年10月から始動した年4回行われるコンサートです。 ここに、言葉と音のアーカイブを残します。 尺八の音は音楽ではない。   …
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2020年10月の記事一覧

「禅の響 -ZEN no OTO- | Prologue」はじまりのお話

 早いものですね。先週、「禅の響 -ZEN no OTO- vol.1」を終えて、既に1週間が経ちました。今後、6週間にわたり、vol.1の動画を7曲、公開していきます。第一弾の「Prologue」は本日、公開です。動画の公開に伴い、本番では話せなかった思いなども、お伝えできればと思っています。  「Prologue」で使用している楽器は5尺2寸(2m)尺八です。通常では、そのような尺八はありません。また尺八は一般的に真竹を使用しますが、今回の竹は孟宗竹を使用しています。2

禅の響 -ZEN no OTO-vol.1を終えて

 10月22日に初台にある近江楽堂で無事、「禅の響 -ZEN no OTO-vol.1」のコンサートを終えました。プロローグから始まり、比較的、有名な曲やインパクトのある曲で構成した今回のコンサート。 1 プロローグ 2本手の調べ 3虚空 4手向 5別伝 鹿の遠音 6龍聲 7 エピローグ  上記の内容でお送りしました。  「禅の響 -ZEN no OTO-」を企画する上で、トライアル的な単発の演奏を繰り返してきました。お越し頂いたお客様の反応であったり、場所探しであった

竹取りの話

 尺八の竹を取りに行くようになって、今年のシーズンで4回目です。最初は師匠とそのお弟子さんたちと。そして直ぐに自分が求める竹林を探すようになりました。湘南葉山であったり、茨城であったり。そして今年は群馬で竹取をします。名前は言えませんが、ご縁を繋いで下さった知人に感謝です。竹は竹害にもなり、放っておくと森林を侵食します。そういった事からも切り倒すようにしています。自然保護とその竹が新しい命として生まれ変わる、私の中では、一大イベントです。  竹林に入ると、ついついニンマリし

口伝は守破離の自然体でできている。

 本来、古典本曲(江戸時代の尺八音楽)を吹禅する時、暗譜をして奏します。私は暗譜までに譜面や多くの音源、師匠との録音などを聴いて、身体に入れていきます。そうして稽古に打ち込んでいると、口伝について思いを馳せる事があります。おそらく、現代の演奏家は曲の譜読みを先にして、分析し、演奏する事が多いのではないでしょうか。それは最も合理的である意味、譜面が完成されているからとも言えます。私も古典本曲以外の練習方法はそうしています。が、そうともいかないのが、この古典本曲です。  もとも

まえがき

 今年の5月頃からぼくは実験的に始めた事があります。ブログを書くという事です。それとFace BookなどのSNSを再開しました。ぼくは演奏家の傍ら、環境の啓蒙活動や、これから話す地無尺八をライフワークにしていまして、持続可能的な生き方を目指していました。過度なPRなどをなるべく控えて。演奏家としてはかなり致命的な活動方法だったと思います。でも後々色々と見えてくる部分もあって、それはそれで良かったと思っているのですが。去年くらいから、そんな自分を深い底からひっぱり出してくれた