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フリーライティング#15 韻文的アイドル

【フリーライティング#15】
 2023/6/6 a.m. 10 min.

出逢ってしまったのだ。理想の偶像アイドルに。それは8年ほど前に配信が始まったゲームアプリに登場する2人組アイドルデュオ、つまり2次元アイドル(男性)というわけだ。
不惑の年に手が届こうとしているオッサンが、2次元に手を染めることは気持ち悪いだろうか? たいがいの人は「キモい」と答えるかもしれない。でも……
正直「キモい」と言われる方がマシなのだ。情熱を押し込めて変な方向に捻じ曲がるより、素直に好きを推してキモがられる方がずっとマシだ。人生の楽しみが減じてしまうことを思えば、他人に眉を顰められるくらいどうってことない。
1曲のうちのたった2単語である、僕がそのデュオを推すきっかけになったのは。キャラクターと声優の見事な掛け算、いや「べき乗」だった。可能性無限大、強すぎる。ほんのちょっとした発音の機微、ビブラートの振幅、声帯の締め具合。歌唱の解像度を高めていくほどに、自分がハートを射抜かれた理由がいくつも顔を出してくる。
小説にしても詩にしても、こういった小さな工夫や試行が深い情趣に結びついていくのが理想だ。さすがに2つの単語では難しいだろうが、2つの文ならばどうにかなるのではないか? よくよく考えたら、それは短歌(句切れ)や俳句(取り合わせ)がずっとやってきたことなのだろう。
2次元アイドルと日本の韻文的情趣が繋がるとは思ってもみなかったが、こじつけでなく腑に落ちてしまった。とりあえずアイドル万歳。

#フリーライティング #日記 #エッセイ

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