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即興詩(2022.1.5)


穏やかさと残り物の余白が

はかなくたなびく晴天へ

なけなしの息を吹きかけた

あれを太陽と呼ぶことの

おこがましさなど知りたくなかった

怖くないぞと口を結んで

大丈夫だと虚言を吐いた

経験と引き換えに預けた子猫は

里親猫にくわえられながら

ミャアのひと声であの空と癒合する

焦がれ続けてきたものたちが

虚空へと吸い込まれてゆく刹那を見た

人に与えられているのは

真似をするかしないかの二択だけだ

なのになぜ

音や意味ばかり思い煩い

みすみすチャンスを逃すのだろうか

腐らないから切り札なのだと

思い上がりの冷笑を浮かべ

あの空に背を向けたら

窓枠の縦に引き伸びた影に

すっぽり猫がおさまっていた


#詩  #ポエム #猫

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