フリーライティング#5 巨星
【フリーライティング#5】
2023/5/6 morning 5min.
SNSのTLをスクロールしていて、ここ最近、頭に浮かぶ言葉は「巨星堕つ」の一言に尽きる。2023年が始まってから半年も経っていないのに、いくつもの衝撃的な訃報が電子媒体を駆け巡った。SNSの場合、RTや引用RTによって、新聞やTVニュース以上に、その時代の風ごと引き連れてくるような気がした。大江健三郎氏の訃報は、他の作家、たとえば埴谷雄高や吉本隆明や安部公房ら戦後文学者との関係で語られることも多く、彼らの作品単品を読むだけでは知り得ない、戦後文学の雰囲気を味わうことになった。懐古趣味というかアナクロニズムな僕にとって、戦後文学さえ比較的「新しい」に分類されてしまうのだが、この辺りまでは強い憧れがある。一時的な消費ではなく、時を隔ててもなお残る愛好の対象としての作家作品。今や時代背景は急加速し、情報の需要も供給も急加速。コスパタイパを意識しなければ台頭できない世になって、これからいったいどんな巨星が生まれようか？と不安になった。
ご支援頂いたお気持ちの分、作品に昇華したいと思います！