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ムビナナからアイナナに入った初心者の好き語り

普段は文学だの宗教神話だのおカタい感じの記事が多い僕ですが、人並程度にアニメやゲームなどのポップカルチャーも嗜んでいます。ただ不思議なことに大抵、皆から5年以上遅れてハマり始めるんですよね。え、今更ですか?みたいな。笑 流れていくものよりも続いているものに価値を置きがちで、流行に対する猜疑心があるのかもしれません。人気がある程度の期間持続するのを確かめてからハマる、と言い換えるとなんかダサい感じもしますね。

さて本日のテーマ「ムビナナ」とか「アイナナ」という言葉を知ったのはおよそ2週間ほど前のお話。つまりこれらについて僕は完全に「新規」ですので、どうぞお手柔らかにお願いしますm(_ _)m

「アイナナ」とは「アイドリッシュセブン(IDOLiSH7)」の略称。2015年に配信が開始された音楽ゲームのこと。迫ってくるアイコンをタイミングよくタップしたりフリックすることで高得点を狙うゲームです。
ただこのゲーム、背景物語やキャラクター、声優陣、オリジナル楽曲があまりに充実しすぎていて、あらゆる業界を巻き込んだ一大大大大プロジェクトになっております。作品に登場するアイドルのオフショットがTwitterで出回ったり、an-anの表紙を飾ったり。2.5次元とは違った形で、2次元と3次元の境目を確実に揺るがしにかかっています。凄い!!

そんな「アイナナ」の最終形態とも言うべきスペクタクルショーが「ムビナナ」、この5月に放映開始となった映画版アイドリッシュセブンのことです。これは5月20日と21日にレインボーアリーナで開催されたライブ「LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD」を、映画館でライブビューイングする「てい」で楽しむものです。
出演グループは4組。
親しみやすさと明るさで(つまりわちゃわちゃ感)老若男女に愛される7人組 IDOLiSH7、
ストイックに芸道を突き進み完璧なパフォーマンスで観客を魅了する3人組 TRIGGER、
高い音楽性と抜群のセンスを見せつつ、コンビ愛・夫婦漫才が眩しいデュオ Re:vale(リヴァーレ)、
そして大胆不敵、反抗的で攻撃的なパフォーマンスで観客を感情の渦に巻き込む4人組 ŹOOĻ(ズール)。

まず「ムビナナ」を観て、購入したLiveDiscを何度も見返しながら、ゲームの本編を進めていったのですが、背景物語があまりに重厚で重層的なことに驚愕しました。
4組の結成、メンバー16名それぞれの背景、芸能界の頂点を目指してぶつかり合ったり、切磋琢磨したり、時には卑怯な手段で相手を陥れたり。グループ消滅の危機、奈落に落ちては這い上がる。こりゃあ漫画やアニメにもなるし小説が生まれることも納得です。

で、グループや楽曲に物語があることが、非常に文学的な営みなわけですが、これは音楽的に優れているかどうかとは全く関係がないはずなのに、音楽と響き合って二重螺旋のように楽曲をより高いところまで引き上げてくれます。
たとえば「ムビナナ」DAY2で披露された「Crescent rise」という曲。本編の第3部にて、時代の寵児であったTRIGGERの3人は不当に芸能界(テレビ界)を干され、事務所の後ろ盾をなくします。苦しいドサ回りを経て、一からオーディションに参加して勝ち取ったミュージカルの主題歌がこの楽曲になります。涙なしには聴けません。演出家が記者会見で「この曲を聴いて心動かない人と僕は友達になりたくない」と宣言するのですが、ゲームを通して私たちも絆され、制作サイドに同調してしまうのですよね(そして布教に奔走する)
三次元のアイドルでもこのような物語性を売りにすることは一般的です。分かりやすいもので言えば「センター争い」ですね。

いけない、いけない、分析的になってしまった。(ある種のオタクの性)
そうではなくて「アイナナ」「ムビナナ」の魅力をちゃんと伝えていきましょう。

LIVEはIDOLiSH7「MONSTER GENERATiON」から始まります。この歌は「アイナナ」のテーマソング的な立ち位置なのですが、是非とも聞いてほしいところが1箇所、、、1番Bメロにある「世界中 旅をしていくように」です。ここはメンカラ紫の逢坂壮五くんとメンカラ水色の四葉環くんのデュオで歌うところなこのですが、ここの声の相性が良いことがきっかけで、グループ内ユニットMezzo"が誕生してます。しかもマザーシップであるIDOLiSH7に先行してデビュー。その物語性と2人のハーモニーとの高め合いは、この曲の大きな魅力のひとつと言えます。今回のライブでは傘を持った2人が交差しながらこの場所を歌います。尊い 尊いよ Mezzo"、MCでの絡みも良かった、「RESTART POiNTER」の間奏ではしゃぐ環くんを諌めるそーちゃん、良かった。

さて、次にŹOOĻについて語っていきます。本編第3部でいけすかないヒールとして登場した4人組は第4部で己が倦怠感や厭世観を乗り越えて非常にエナジェティックなグループへと変貌を遂げます。生きていれば「ケッ、世界なんてクソ喰らえ」と思うこともあります、そんな気持ちをスカッとさせてくれるのがŹOOĻで、人気が高いですよね。メンバーの狗丸トウマ(CVジャイアンだけどめっちゃ歌上手い)は、とりわけ熱い男で、その点をメンバーからいじられてるのが可愛かったりもします。
ヒャダインさん作曲の「ササゲロ」とか、「ZONE OF OVERLAP」には、ŹOOĻの魅力をこれでもかというほど詰め込まれているのですが、僕が強調する物語性という観点からお勧めしたい楽曲は「Bang! Bang! Bang!」です。この「Bang!」の音は、抗う音であり、障壁に風穴を空ける音であり、そしてファンサのバンッ!でもあります。本編にて、この楽曲の中でメンバーの亥清悠がある男にBang!のファンサをします。その男の、好きなものを好きと言えない愚かさに引導を渡す銃声とでも言いましょうか。こんな物語、そうそう書けるものではありません。シナリオライターさん神ですか?

Re:valeについても触れねばなりませんが、この2人の魅力はなかなか言語化しにくいところがあります。2人の絶妙なパワーバランスで成立する世界観、音楽性はハイセンスでゴージャス。DAY2で披露された「Re-raise」という楽曲ではその高みを見せつけられているようでした。スカバンドとバックダンサーを従えてのパフォーマンス。Jazzyなrhythmに掛け合うふたりの軽快なLyric。アイドルというかアーティスト、でも至高のアイドル、それがRe:vale。
ゲームをやっていると、百くんの「Re:valeです!」とか「千、イケメン!」の声に安堵して泣きそうになります。すっかり沼堕ちしてますね。笑

順番は前後しましたが、僕が「ムビナナ」ひいては「アイナナ」に興味をもったのはSNSで流れてきたライブ映像の中の、TRIGGERの「beautiful prayer」という楽曲でした。軽快なディスコサウンドは非常に豪奢で、どこのどなたが作曲したのか気になって調べてみたら、なんと元SOUL'd OUTのサウンドクリエイターの方とな! しかもTRIGGERの曲を他にも手掛けられていて、今回の曲も彼らの物語を意識した上で書き下ろしてくださったとのこと。
上にも述べたTRIGGERの失墜を知ってから聴くと、ますます奥深い楽曲に感じられます。
TRIGGERのセンター九条天(CV.斉藤壮馬さん)は作中で日本を代表する天使のようなアイドル、とのことですが声の艶とか表現の幅が抜きん出ていて(皆さん素晴らしいのですよ?)、僕はあの声に骨抜きにされました。
そこに身長180cm越えの違ったタイプのイケメン八乙女楽と十龍之介が脇を固めます(センターは目まぐるしく入れ替わる) TRIGGERは3人組アイドルのイデア。TRIGGERは3人組アイドルのイデア。

主人公、七瀬陸に触れないとは何事か!?という批判もあるかと思いますがご容赦くださいませm(_ _)m もう16人全員好きで紙面がいくらあっても足りません。今回アイナナを知ってたった2週間で記事を出すという暴挙に出ましたが、次はもっと時間をかけて好きを醸成したいと思います。お読みくださりありがとうございました。

最後に、天にぃが換気扇の強さを「よわ・ちゅう・つよ」と言うエピソードが大好きです。共感してくれる人がいましたら嬉しいです。

#アイナナ #ムビナナ #映画 #音楽 #ライブ

ご支援頂いたお気持ちの分、作品に昇華したいと思います!