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矢口れんと
2023年7月20日 08:46
光、無量に差すれども生涯、照らされなかった言葉をアイビーの蔦這う壁にでかくでっかく 吹きつけた路地裏はあまりに狭いものだから誰の目にも留まらないしこの目にも もはや言葉としては 映らなくなった只管に密度を増してゆく蔦葉らが 投げてくる言葉は唯ひとつ 「ここを去れ」と嘆息との虚しい往来──かつて纏わる煤を友愛の証に換えた煙突掃除夫たちのように