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RIPPLE〔詩〕

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あさのおとずれ【詩】

あさのおとずれ【詩】

「あさのおとずれ」

 弥勒の閉じられた眼が
 玄関と錆びた自転車のあいだに
 ひろく たかく 澄み渡ってゆく

 初夢は……見なかった 代わりに
 加湿器の給水マークと
 窓の結露がせめぎ合っていた

 なにもかもが きらめいた あさ

 光と風と水さえあれば
  夢の世界は現れるのに
 光と風と水があるだけでは
  朝の世界はあらわれない
    (夜が明けるだけでも)

 午前7時から 2時

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