人間の根底は善なのか、悪なのか

皆さんは元々人間は善だと思いますか？それとも、悪だと思いますか？
と聞いてもパッと浮かばないかも知れませんね。

善い行いをしてきた方は善だと考え、悪い行いをしてきた方は悪だと考える、という様な単純な話ではないと思います。
きっと、人生における経験や周りの環境等が相まって考え方が決まっていくのだと思います。

結論から先にお話しさせて頂くと僕はは人間の根底は悪であるという考えをしています。
どちらの考えもあると思いますし、正解がある内容でもないと思いますので、個人的な意見として読んでいただければ幸いです。

「善」とは何か

「善」とは何なのでしょうか、難しい問いです。

"善は、道徳的な価値としての良さ。道徳的に正しい事、多くの人が是認するようなもの。 善とは社会的な規範に是とされる存在、行為などである。"

wiki上ではこの様に書かれています。
では、よく善と比較される「偽善」は？

"「心や行いが正しいように見せかけること」、「見せかけの善行」"

と、されています。
さて、この「善」と「偽善」という二つの言葉のどこに差があるのか、簡単に言えば「上べであるかそうでないか」ということでしょうか。

ただこう見ると偽善⊂善であるのでは…？と思えてきますが、論点が逸れてしまいますのでここでは完全に別のものとします。

では、そうした時に生じる問題、果たして善、或いは偽善というものはそもそも存在しているのか…？という事です

人間の根底を善とするならば、善を根本とするでしょう。
逆に人間の根底を悪とするのならば、偽善を根本とし、真に善というものはないのでは？と考えるのが筋だと思います。

僕は先程も言った通り悪を根底と考えているので善は存在しないと考えています。

善事における行動原理

皆さんは俗に言う「善事」をする時、その行動原理はどこにありますか？
例えば老人に電車やバスで席を譲る時、落としたものを拾って渡したり届ける時、何を考えていますか？
どうして人は無条件に、労力や時間を賭して他人へその様な行動を取るのでしょうか。

これが友達や家族等の身内に対するものであれば単純です、それは友情や愛情によるものだと言えるからです。
しかし、それは善意とは言えない全くの別物であると考えます。
なので善事、と言っても赤の他人に対するものです。
人間は赤の他人に対して善意に基づき善事を行う。

僕には一般的に言われる「善意」というものがあまりにも非論理的に思えて仕方がありません。

僕が思うにここにある行動原理は、自分を善く見せようとする、他人へ恩を売る、そして最も大きいと思われるものは「植え付けられた道徳」だと思います。

日本では、一般的に親や学校等で徹底的にこういう時はこうするべき、という様な道徳的考えを植え付けられ、まるで善事をするのが当たり前かのように植え付けられます。
これが積み重なり、まるで他人に親切にするのは当たりという様に義務的に善事を行う様になっていくのです。

海外でも宗教によって同じ様な事が起こっていますが、日本が特にこの様な傾向が強いと思います。
だから日本人は親切、優しい、そう思われているのでしょう。
ただ実際は、特段日本人の性格がいい訳ではなく、ただただまるで義務のように、善事をこなしているお陰であると言えると思います。

最終的に得なのは

そしてこれを踏まえて先程の問いを改めて考え直してみましょう。
善、善意、それは何か。
僕が思うにそこに他人に対する無条件の慈悲ではなく、自己利得や自己満足、見返りを求める精神、そして義務的な植え付けられた「道徳心」の寄せ集めだと考えます。
つまりそこに偽善と善の差異はなく、善とは偽善であり、偽善は善であるという事です。

聞こえは悪いですが考えてみてください。
結局の所行動原理が何であれ、善事をされた方は助けられているのです。
それで善事をした方もまた、満足感を得られているというのであれば、それはただ単な善意に基づいていると考えるよりも得ではないですか？

言いたかった事

話が逸れてしまった様に思えますが最終的に言いたかったことはこうです。

僕は人間の根底は俗に言う悪だと思い、人間は利己的な生き物であると思います。
矛盾しているかも知れませんが、その悪とは悪い事だとは思っていません。
俗に言われる悪、それは生物的に正しいのです。利己的である事は悪ではありません。
そして偽善であれ善は善、人を助けていることに変わりはありません。
あなたがしていることは正しい事でも間違ったことでもなく「善い事」なのです。

行動原理等気にせず、自信を持って善事を行える、そんな社会を僕は望みます。
他人に自分の感情や行動原理が読めることは"今の所"ありません。
僕は結果主義ではないですが、どちらにせよ人類が幸せであればそれで良いと思います。