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医者はいろいろ麻痺してる。

 一ヶ月前、救急搬送されてそのまま入院した話をしました。その際、これがあったら便利だったな~みたいなものをずらずら羅列で書いたんです。
 まさかその一ヶ月後、自分がそれを参考にすることになるなんて、思いもしなかったんですよ。でもまあ書いておいてよかったなと思う部分もあったんですけど。
 あいかわらず長いんで暇な人だけ読んでください。

 今回は、ぶっちゃけ、手術でした
 入院、次の日の朝から血液検査、同時に点滴開始、午後に手術、4日ほど入院して経過がよければ退院、というスケジュール。
  いまどきは、そう長く入院しないんですよね。ほんとに。
 ことは心臓だってのに。
 まあでも、事前に聞いたお医者の話では、鼠径部からカテーテルを何本か入れて心臓のおかしくなってる回路をビビッと焼き切るだけだよ、簡単な手術だよ、早い人なら一時間程度で終わるし、痛みも、局所麻酔するときにチクッとする程度かな? とかだったので、甘く見ていたんです。
 いや本当に、医者っていろいろ麻痺してるんだな、ってことを実感した次第でした。

 今回も個室があいてなくて大部屋だったんですけど、不景気な病院なので(失礼)大部屋なのに一人でした。ばんざい。窓際。ばんざい。(写真はその窓からの景色です。夜はそこそこ綺麗でした、6Fだし)
 さらに今回は気温的にエアコンの入っていない時期でした。
 まあそうですね、快適だったし。
 夜なんかは冷え込むこともある時期なんですけど、病院では暖房は11月からと決まっているらしく、前回は開けっ放しだった病室の扉も半分くらい閉まってました。
 担当の看護師さんは、朝になると交代です。毎日、「交代しますねー」って挨拶に来てくれます。さらに、3時間おきくらいに「変わったことないですかー?」と優しい声をかけに来てくれます。
 白衣じゃないけど天使です。
 ぶっちゃけ、病院っていたれりつくせりなんですよ、本当に。自由がないってだけで。ご飯も、食事制限のない人はそこそこ美味しいものが食べられるし…デザートもつくし。(ちなみに、産婦人科のごはんはちょう豪華です。お母さんは栄養をつけないといけないので、ものすごい豪華らしいです)
 もともと引きこもりで本を読むか書くかゲームをするくらいしか趣味のない私なので、一日ベッドで過ごすことにはなんのストレスも感じまSEN!!
 むしろ、大歓迎。
 今回は常時点滴ってわけでもなかったので、トイレに行くのもラクラクだし、タブレットを持つときに針を気にする必要もなかったです。

 ただ、医者っていろいろ麻痺してんな…って思ったのは、手術当日のことでしたよね。
 ここで、手術の説明を受けた際のお医者さんの発言を思い出します。
 局所麻酔で簡単にできる手術だよ、痛みも麻酔注射のときにチクっとするだけだよ、発作を誘発させて悪い部分を見つけるからそのときは少し苦しくなるかもしれないけど何があっても即対応出来るようになってるからね、時間も早い人は1時間ていどで終わるし。ただまあ一応は手術だから宝くじに当たるより低い確率で亡くなる人がいるかな…云々。
 みたいな。
 そんな感じでしたね。はい。
 あらゆるリスクを説明されるんだけど、それがいちいち、まあ滅多にないけど、数万人に一人くらい、とついてくる。
 わかりますよ、うん、あらゆるリスクを説明しておかないと、後で何かあったときに困るもんね、と思いながら聞く。
 あとは、血管造影剤で稀にアナフィラキシーショックを起こす人がいる、くらいの説明でした。
 あら時間も大してかからない簡単な手術なのね、痛みもあまりないのね、って印象ですよ!

 ところがどっこい!

 手術の日の朝、シャワー前にあそこの毛を剃られます。まあ別にいつもつるつるなんで私には関係なかったんですけど、看護師さんが「剃りますねー」ってガッとぱじゃまのズボンごとぱんつを下ろしたのにはびっくりしましたよね。「あら、剃ってあるわぁー」って戻されましたけど。
 恥ずかしいと思う暇もない。
 そのまま、シャワーです。相変わらず心電図はつけられてたので、ガシガシ洗いました。ガシガシ。
 シャワー後はもうパジャマじゃありません。
 術衣、という、なんか丈夫な紙みたいな質感の長い服を着せられます。相変わらず前ははだけ気味。これなんとかならんのか。中にTシャツなどももう着れません。とりあえずぱんつは履いてましたけど、ベッドに戻ったらすぐ脱がされました
 おしっこのくだ入れられたんで!!
 看護師さんが来て「おしっこのくだを入れますね~」って言った瞬間、聞いてない! それは聞いてないよ! って思いましたね。
 しかも、おむつ。おむつをされました、おむつを!
 聞いてない!!!
 準備しますね~ってされてる間に、あわててググる私。
 おしっこのくだ…尿道カテーテル…尿道から膀胱までくだを通し、直接尿を排出させる。ちょう痛いらしい…ちょう不快感らしい…。
 えええええ、聞いてない…。
 聞いてないと言っても、入れるものは入れるんです。
 手慣れた看護師さんだったらしく、入れる瞬間はいでぇ!!! って思ったんですけど、その後は別に不快感もなく普通でした。入ってるかよくわかんない。
 想像上だとものすごい激痛だったので、痛みもまあ、一瞬だったな…って思いました。私はわりと、痛みには強いんです。
 おむつのほうが正直に言って、ショックでした。おむつ…。
 しかも、病院側で用意してくれたおむつが最初Mサイズだったんですけど、当ててみて、「大きすぎるからSサイズ持ってきて、在庫あったかしら」とか、看護師さん同士で会話しているんです。その間、私は下半身すっぽんぽんで丸出しにされたまま。おしっこのくだ入ってるし。なんの羞恥プレイだよ、って思いながらベッドに仰臥状態。
 くだ入れられて、おむつをされて、すとんとしたワンピースみたいな術衣を整えられたら、点滴をされます。点滴の針を刺すときには相変わらず、一度失敗されました。こればっかりは本当に申し訳ありませんっていう気持ちになります。血管の細い人ってみんなそうですか? 毎回、申し訳ありません…ってなります。看護師さんが針を刺すたびに謝ってくれるので、なおさらにいえ本当にこちらこそ見つけづらい血管で申し訳ありませんって思います。言わせてもらうと、血管注射なんてへっちゃらなんですよね。何本針を刺されても平気、ブスブス刺していただいてけっこう。筋肉注射は絶対に嫌だけど、血管注射なんてへーーーーーーーーーっちゃらです。採血もついでにして検査に回されます。
 無事点滴も始まり、ぼへーっとしていると母到着。
 手術なので始まりから終わりまで身内に待機してもらわないといけないんですね。まあそれでなくても、毎日母、来るんですけど。
 母に、おしっこのくだを入れられておむつをされたショックを切々と訴えたのに、母は一向に構わない。
 お母さんもあなたを産んだときにカテーテル入れたわぁー、とかなんとか言っている。
 ああ、今からでももう手術なんてやめてこのおしっこのくだ抜いてほしい。何よりおむつとってほしい。普通にぱんつ履きたい。なんならすっぽんぽんでいい。おむつやだ…って思ってたし、あとはもう、おしっこはくだで排泄されるけど、じゃあうんこ出そうになったりしたらどうするんだ…? って、聞けなかったけど思ってました。おなかゆるい日だったりしたら最悪ですね!!!
 そんなことしてるうちに時間が来ます。
 3人の看護師さんがやってきて、ベッドまわりでわちゃわちゃ。私が散らかしたままの(…)ベッドの上のKindleさんやハンカチやスマホをぺぺっと片付けられました。
 片付けって大事…。
 はだけ気味の術衣なので、一応、おふとんをかけてもらえました。おむつだし
 ベッドのままエレベーターで移動です。母は病室待機です。
 エレベーターで1階まで降る途中、乗り込んでくる会ったことのないお医者さん。「これから手術? アブレーション? あー○○大病院から先生が来てたのってそれ? 今日予定じゃないのになんで来てるのかと思ったんだけど、この子難しいの?」と看護師さんに話す先生。
 看護師さんも「いえ普通なんですけど、○○大のほうから先生を寄越すって連絡があったんですよー」とか答えている。○○大は私の母校。折に触れて話をしにいったりする先生には、手術のことを話した。話した際、うちの病院でやれとか言われたけど、遠いんで嫌です、と答えてそのままだった…さては病院に話したな…と思いながら、じっと沈黙。
 ていうか私、おむつなんだよなーと思いながらエレベーターは1階に着き、通院検査らしき患者さんがちらほら順番待ちをしている心電図室前やレントゲン室前を通り抜け、わりと広い、ごちゃごちゃとでっかい機械の置かれた部屋に入りました。
 えー? めっちゃ人いるんだけど? 何? なんでこんなにいるの??
 と思うくらいの人数が室内に待機していて、病室用ベッドからまずは自力で手術用ベッドに移動です。
 手術用ベッドに移動すると、べりべりっべりべりっと術衣を剥がされて!(これがマジックテープみたいなので留められてたんですねぇ…肩のところとか…花宮ちゃんびっくり…)
 ぎゃーん、裸じゃん、なんでよこんな人数の前で! と文句を言えるわけもなく、とりあえず看護師さんがかけてくれたバスタオルで胸部分を隠しながら上体を起こし、背中にべたりべたりと何かを貼っ付けられました。でかいパッドみたいなやつです。
 いちいち、これは何です、これは何です、なんて説明はないんです! 当たり前ですけど!!
 で、仰臥。
 バスタオルをぺっと取られ、胸元からお腹にもべたべた。
 あーもう丸出し、何もかも丸出し、こんなに明るいのに。
 そんなことを考えていると、無情にもおむつも取られます。取られるっていうか、留めてあるテープを取られて、ぺろっとされる状態。
 まあ、足の付け根からカテーテル入れるんだから当たり前と言えば当たり前なんですけど、私も一応まだ嫁入り前の身なんですよねぇ…と思っても、されるがまま。
 ここで、ついてきてくれた看護師さんたちが壁際に下がります。
 足をベルトで固定。ついでに、両腕をぎゅ、ぎゅ、と縛られる。
 え、拘束…? なんで…?? ていうかちゃんと拘束用のベルトがついているベッド…? なんで…? ラブホのコアなプレイ専用ルームじゃん…?
 疑問は頭にいっぱい浮かびますが、文句も言えません。
 されるがまま。説明はなし
 その間、お医者の先生たち(たぶん、3人が医者)が世間話などしていらっしゃいます。
 上半身には変な機械が覆いかぶさってきてます。怖い。モニターには心電図、とりあえずは規則正しいふうにピッピッと音がしています。平常時の状態。
 んで、そんな中、右側にいたお医者の一人が爆弾発言。私に手術の説明をしてくれたお医者。
「今日さ~、実は38度も熱があって…」
 おい~お前~インフルじゃないだろうな~流行ってるの知ってるんだぞ…。
 さすがに、インフルは検査しているでしょう。すぐわかるし。
 しかし38度の熱がある人間に心臓をいじられる私って…?
「先生、大丈夫なんですか?」
 こっちは顔見知りの若医者(あんまり公言したくない知り合い方をした)が、私の足の甲の血管を確認しながら言う。なんかマークつけられたんですよね。そこで脈を取るとかで、ちゃんと取れるか確認してたんでしょうね…。
「まあ大丈夫だと思うよ」
 軽いな!! 今から私の心臓いじるのに!!
 ○○大病院から来たらしい先生はモニターを覗きながら、
「じゃあ結果的に来てよかったかねぇー」
 などと言っている。
 医者ども…私はこれから行われることに対して、多少の緊張と不安と恐怖を感じているってのに、のどかな陽射しが降り注ぐベンチに座って弁当広げながらするような世間話を…!
 とは思うんだけど、とりあえず無言を通す。
 大丈夫なのかしら、私、生きて病室に戻れるかしら、と思ったけど、無言を通す。
 そうしているうちに、では始めます、と言われました。
 あー始まるのかーやだなー痛いのかなー麻酔…とか思ってたら、「麻酔します」と若医者が言うと同時にぶす! っと。
 右足の付け根あたりに、ぶす! っと。
 いったぁぁぁぁあああああああああああああああああぁあぁい。
 めちゃ痛い
 ていうか痛い。まじで痛い。そんなに深く刺す!? ってくらい、深く刺された気がしましたねぇ。
 もう一本いきます、とか言って、またぶす!
 痛いって!!!!!!!! 蹴り入れるぞこら! と思ったけれど、足は拘束されている。なるほど、このための拘束か…。
 鼠径部刺突します、と言われ、何やらされる。めちゃ痛い…痛いって、麻酔効いてる!? って思うけど、我慢する。
 そこからはもう地獄。
 事前の話では、右足から4本のカテーテル、さらに左鎖骨あたりから1本カテーテルを入れて、発作を誘発させ、モニターしながら狂った回路部分を焼く、とかいう説明だったのですが…。
 その、カテーテルを入れるたびに痛い
 激痛。
 ていうかほんとに麻酔効いてる? 効いてなくない?? ねぇ、日常的にわりとロキソニンとか飲んじゃってるから麻酔効きづらい? 痛いって訴えたほうがいいのかな…などと考えている間にも、どんどんカテーテル入れられる。
 痛い。痛い、痛いってば痛いよ!
 何が局所麻酔だから痛くないだこの嘘つき野郎が~と思うものの、手足を拘束されているので自由になるのは口だけ
 さすがにここでお医者を罵るのも違うだろう、と思い、ぐっと我慢する。
 4本…4本で終わりだから…と我慢して我慢して、ひぃ痛い痛いと思いながら過ごすこと…時間はよくわからない
 じゃあ肩のほう…と、お医者に鎖骨あたりを指でぐりぐりされる。
 え、まさかこっちも激痛なのでは…? という不安的中。
 この、鎖骨あたりのときは麻酔の注射もばっちり目視。でかい。ていうか針長い…。こんなの刺されるわけ? ていうか痛いでしょ? 痛いよね? なんかないの、塗る麻酔とかさぁ!
 思ってるうちに、ぶすっと刺される
 もう、前置きもなし。ぶすっ。容赦なし。
 痛い…と思ってるともう一本。ぶす。
 もうほんとに痛いんですよね。何が痛くないだよー、と思いながら、あああ、でも、麻酔注射は痛いって言ってたっけ…などと思い、我慢する。
 刺突します、と言われ。
 また痛いのか…と覚悟を決めたのだけど、あんまり痛くない。
 ん? なに?
 と思ってると、ぐいぐいされる
 痛い。痛いよ、痛いって、何ぐいぐいしてんの、痛いってぇ!!
「あれー入らないな、ここから入らない人いないよねぇ」
 知らん、痛い、やめろ、ぐりぐりすんな、なんか骨に響く
 と思ってると、足のほうからカテーテル入れてた〇〇大病院の医者が、「この子、血管異常に細いですよ。無理そうなら左足側から入れます?」とか言い出す。
 やーめーろ~。
 血管が細いことは事前に言ったろうがぁー。採血のたびに1~2回は失敗されるくらい細いって言ったら、カテーテルを入れる血管はみんな太いんで大丈夫ですよ、とか言ったじゃねぇかぁーと思いながらも、耐える私。
 私ってこんな忍耐力あったんだ…と思いながら、ぐいぐいされるのを耐える。痛い…ほんとに痛い…やめて…。
 思わず、「いた…ぃ…」って声が漏れたのを聞き逃さなかったらしい若医者が、「○○ちゃん大丈夫?」とか声をかけてくる。
 やめろちゃん付けで名前を呼ぶな、お前に本名がバレたのはなかったことにしたいんだ、と思いながらも、耐える。
 「あれ、○○くん、知り合い?」とかなんとか、また世間話始まる…。
 さすがに、出会い系で知り合って何度かイケナイ遊びをしました、とは言われなかったけど。「はい、まぁ…何度もメール送ったのにずっと無視されてたんですよねぇ」とか言う。「じゃあ感動の再会?」とか言ってる。

 医者ぁ!!!!!!!!!!!!!💢

 痛みでだんだん気が遠くなってくる私
 その間にも、足のほうから入れたカテーテルで何かをされているらしく、発作が起きる。心臓がバクバクバクバクする。心電図の規則正しかったピッピ音が異常に速くなったりする。
 ただ、痛みのほうが強いからそんなの気にならない。人間って別のところに痛みを感じてると、他のところが気にならなくなるのよね…。私はそれを痛いほど知ってる。だって高校のとき、パニック障害の発作の吐き気やら何やらを我慢するためにずっと腕に爪を立ててたもん…。
 それを繰り返し、モニターかなんかを眺める医者。
 とにかく私は仰向けでいるしかないので、足側で何が行われているのかさっぱりわからない。ただときどき、足の甲の血管部分を確認される。
 そのうち、足側から入れるカテーテルの準備があるか確認する医者、準備がないと言われると、「どうするかな~、肩のところもう一度試してみるか」とか言い出す。
 や~め~ろ~💢
 若医者が「麻酔一時間前なので打ち直したほうがいいんじゃないですか?」とか言う。
 また麻酔? てか一時間も経ってるの??
 しかし容赦なく、ぶすっとされる。
 痛いんよね~やめてよ~。痛いのよ~。
 もう目を閉じちゃう。痛いもん。
 そしてまた、ぐいぐい。やっぱり無理かなー、ぐいぐい。
 痛い…骨に響く…鎖骨に響く…めちゃ痛い…。
 じっとりと冷や汗をかき始める私。
 まぶたの裏に空ちゃんが浮かぶ。ああ空ちゃん、私、あなたのもとに無事帰れるかしら…? 空ちゃん、私が死んだら少し悲しんでね、でもその後は元気に長生きしてね…私がいなくてもみんながかわいがってくれるからね…。
 はっきり言って、走馬灯状態。
 そのくらい痛い。
 痛いのは麻酔だけとかどの口が言ったんだ。生還したらその口、テグスで丁寧にまつり縫いしてやるからな…💢
 という恨みがましい気持ちを抱えながら、耐えた時間はおよそ4時間
 もう、焼灼(っていうらしい)のときに文字通り皮膚の下、胸の中でビビって音がしたとか、わりとどうでもいい。なかなか出来ない経験だろうけど、本当にどうでもいい。
 その、ビビっが3回くらいあった後、まだ地獄が待ってた。
 焼灼が上手くいったかどうかをテストするための措置だろうかと思うんだけど(なにせ、予想するしかない。だって何をするとかぜんぜん言われないんだもん)、終わり際に何かをされて、全身になんとも説明し難い不快感がざわわわわっと広がったわけですよ。
 痛みは我慢できるけど、これは我慢できない。
 ぶわっと全身から冷や汗が吹き出したのがわかるくらいの不快感
 それを3回繰り返されて、それでも3回は耐え、もう一度やられたら我慢しない、私は大声出して暴れる、と心に決めたとき、ようやく「終了」のお声…。
 壁際にいた看護師さんがぱぱぱっと駆け寄ってきて、タオルで汗びっしょりになった顔を拭ってくれました。「よく頑張ったねぇぇ」と、泣きそうな声で言いながら、首とか胸元とかも拭ってくれる。汗びっちょり。
 カテーテルがいつ抜かれたのかもよくわからず、どうやら傷口を少し縫ったらしいんだけどそれもわからず。
 もはや茫然自失
 汗を拭ってくれる看護師さんに、ありがとうございます…とか言う声もかすれて出ない。力も入らない。
 足の拘束を解かれても、蹴りを入れる元気もない…。
 若医者が「今、腕も解くから待ってね」とか言いながら、ベルトを外してくれる。汗びっちょりをとりあえず拭ってくれる。
 背中にもべたべた貼った何かを取らなきゃいけないんだけど、右足は動かせないから、と、看護師さんと若医者でまず右側に身体を傾けて、次に左側に身体を傾けて、として、取ってもらう。
 ぐったりしたままの私をさすがに気づかう医者ども。
 医者ぁ💢
 看護師さんがぺぺっとおむつを直してくれて、術衣は脱がした状態のまま、ベッドに「よいしょ」と移動させられる私。えーこのまま病室に戻るの? 裸なんですけど…?
 おふとんをかけてもらう。
 ああでも辛かったよ、終わったのね、本当に終わったのね…。
 ガラガラとベッド移動中にも、看護師さんたちがかわるがわる、本当によく頑張ったね、痛かったでしょう、辛くて途中で声を上げる患者さんも多いのよ、と労ってくれる。天使…。
 あの状況で世間話とか医療従事者みんな頭オカシーとか思ったけど、看護師さんたちはやっぱり天使だ、よかった…!
 病室に戻ると、術衣とは違うワンピースタイプのパジャマみたいなものを着せてもらえた。何をするにも、手を貸してもらわないと出来ない。
 母は、あまりにも時間がかかるのでうろうろうろうろしていたらしい。
 その母にも、看護師さんが、「娘さん、本当によく頑張ったんです」と説明する。
 喉元すぎれば熱さも冷たさもけろりと忘れる母なのだが、そのときだけは労ってくれた。うん。

 そんなこんなでその夜は、右足を曲げるなと言われたので体勢を変えることもままならず、辛い一夜だったのです…。

 そんで翌日、抜糸されたときの痛みも異常だったけどねぇ?💢

 ほんと、医者の言う「痛くない」は絶対に嘘だな、って実感した入院生活でありました。
 そう言えば歯医者さんとかでも、「痛かったら左手上げてくださいねー」って言われて、痛いって思って手を上げても「もう少しなので我慢して~」って言われますよね。じゃあ上げる必要ないじゃん!?
 言っておきますよ!!
 カテーテルアブレーションの手術は、痛みと不快感との戦いです!
 まじで!
 意識がある分、つらい! いっそのこと全身麻酔でやっていただきたい!

 少なくとも私が入院前にグーグル先生に聞きまくったときには、カテーテルアブレーションは難しい手術じゃない、痛みも少なく回復もはやい、患者の身体に負担も少なく○○(なんか上室性不整脈とかいろいろ病名)の根治に効果的な方法、とか、いろんな循環器科のサイトに書いてあったけど、めっっっっっっっっっっっっっちゃめちゃ痛いですからね。
 循環器科の医者ども、カテーテルアブレーションの手術受けた経験のある人間が何人いるんだ…? お気軽に「痛みも少なく」なんて書くんじゃないわ!
 経験者として言わせていただきますが、ほんとに痛いですからね!!!!

 どうぞ、ご参考までに。

 あ、あと、おしっこのくだは、女性より男性のほうがより痛いらしいです。尿道が長いから。

 手術から10日ほどが経ちましたが、相変わらず足の付根んとこの傷は治っておりません! 大丈夫かな、これ!?
 治りにくい体質なんだよね、傷も!! いちおう出血はしてないから大丈夫だよね? ちょっと痛くて黄色い汁出てるけど…と、病院に問い合わせる気にもなれない。

 カテーテルアブレーションを受けても不整脈再発する人がいて、2度、3度とアブレーションをする人もいるらしいけど、私は二度とごめんですね!
 もう一度あれを経験するなら、ぺっと心臓止まって死んだほうがマシです。
 メンヘラ舐めんなよ( •́ฅ•̀ )
 こちとら、「今度こそ死ぬかも」という恐怖とか、「ああもういっそ殺してほしい」という恐怖と苦しさを伴う発作と共存し続けてウン十年なんじゃ。
 今更、心臓が止まっても怖くないわ。死ぬほど苦しいけど絶対に死ねません、っていう発作よりも、苦しんだけど最終的に死にました、なほうがずっとマシなのよ。

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