マスクのデメリットのひとつとして『ウイルスの再吸引』という考え方があります。理論上は正しいと思うものの、論文などでその考え方に触れているものを、これまで私は知りませんでした。
今回、論文中で『フォーゲン効果』という仮説として『再吸引』に言及されたものを見ましたので、重要箇所を引用しながら所見を記したいと思います。
おおもとの論文は以下です。私の記事中では『要旨』と『フォーゲン効果』の箇所のみを抜粋しますので、興味のある方は全文どうぞ。
ちなみに、始めに個人的な所感を書きますと『フォーゲン効果はあるが、論文の根拠としては弱い』です。引用部も長いので、面倒な人はとばしてください。
なお、論文についてはすべてwww.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。(単純な変換ミスについてはこちらで訂正しています。)
◆論文・要旨
アメリカ・カンザス州の統計データを用い、マスク義務の有無における死亡者数の比較から、マスク着用のリスクが高いこと(フォーゲン効果の可能性)を示しています。
◆フォーゲン効果(フェーゲン効果)について
説明は以下です。仮説、可能性とされていますが、理論上起きているのは間違いないでしょう。引用部のあとで要約します。
◆フォーゲン効果・要約
感染者はマスク着用により以下のようなデメリットが生じている可能性があります。
1.自らの吐き出した飛沫を、より細かいリスクの高い微粒子として再吸引する可能性がある。(肺胞まで届きやすくなる。)
2.再吸引によりノーマスクの場合と比較し、全体の吸引ウイルス量が増える。
3.吐き出し時、マスク(濾過フィルター)を介すことで、より細かいリスクの高い微粒子として排出される可能性がある。
No.2については結構前から指摘されていたことです。No.3については『ウレタンマスク』で似たようなことが指摘されていました。
今までコロナ前から『風邪気味の場合はマスクを着ける』ということを当たり前のようにやっていたわけですが。少なくとも本人の回復ということを考えると逆効果の可能性があるということですね。
◆論文の気になる点
フォーゲン効果については個人的に納得できるものです。しかし、死者が多いという根拠として、その影響が大きいかというと疑問があります。理由は以下のようなことです。
・『フォーゲン効果』が有意に働くほど性能の良いマスクを正しく着用できていたとは思えない。
不織布でもフックやパッドを使わないと隙間がガバガバなので、おそらく5割以上の人はフェイスガード程度の効果しか出ていない。特に対象の期間が比較的コロナ初期であることから尚更。
・病院での治療方法の差が考慮されているか不明である。
地域でマスク義務の有無が異なるほどコロナ対策に差があったとしたら、病院でのコロナ治療方法にも差があったかもしれない。
憶測だが『マスク義務なし』の地域では、医者の裁量で効果の高い治療が行われていた可能性がある。
・PCR陽性が確定し、施設隔離、または、入院した段階からすべての対象はマスク着用が義務付けられていたかもしれない。(というか、そう考えるのが自然)
その場合、『フォーゲン効果』の影響がどの段階から生じていたものなのか整理し、考慮する必要がある。
◆おわりに
個人的に『フォーゲン効果』は間違いないと思っているので、リスクの定量化を期待したいです。特に、飛沫からウイルス単体に近い大きさに分離した際に、どの程度の期間感染力を持つのか(飛沫の大きさと環境の影響)というのはかなり重要かと思います。
『理論的に起こり得る』=『リスクが上回る』と確定したわけではないですが、結果によっては『周りのためにマスクを着ける』という理屈も破綻するので評価を進めて欲しいですね。
◇◇◇
マスクについては国により義務化されたりしてるわりに、その根拠についてたいした情報がありません。マスクオタクとしては大いに不満です。
2年も経ってまだ曖昧というのは信じられないです。むしろ意図的に曖昧なままにして対立の種にしているのではないかと思えるほどです。
困ったものですね。本当に。
[2024.03.13 追記]
なぜか最近この記事が読まれているようなので、再考した記事のリンクを載せておきます。両面から考えたい人はどうぞ。