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『欧米は脱コロナしている!日本も脱コロナ!』について考える。

noteを見ていると、たまにタイトルのような意見『欧米を見習って日本も脱コロナしよう!』を見ます。

どのような論拠によるものなのか、記事を見てもいまいちわかりません。

『欧米はマスクしてない!日本もマスクを外そう!』とかもそうですが、それ以上に踏み込んだ分析は無いのがほとんどです。

まあ、論拠などなくても『いい加減めんどくせえってばよ。。』みたいなので全然いいと思いますが。

◇◇◇

それはともかく、今回の記事では『コロナにおいて欧米を見習うこと』について書いておきたいと思います。

先に結論を書いて置くと『そんな簡単なもんじゃないと思いますよ。』です。


◆コロナ騒動における欧米日の評価

コロナ騒動開始からのG7各国の死者数(100万人あたり)について確認します。
わかりやすいように日本以外はグレーのラインにしています。

Coronavirus (COVID-19) Deaths - Our World in Data
[2022.09.01 引用]
https://ourworldindata.org/covid-deaths

これを見ると、最近こそ日本がG7各国を上回るようになりましたが、過去(累積)の被害で見ると圧倒的に日本は優秀です。

今、一時的に欧米のほうが被害が少なく『脱コロナ』しているからと言って、それを見習おうとするのは早計です。

◇◇◇

なぜ今になって日本が欧米を上回る被害を出しているのかについては分析が必要ですが、普通に考えて日本が『感染拡大期にワクチン接種を進めていること』と『抗N抗体保持率が低いこと』ではないですかね。

アメリカなどでは『抗N抗体保持率が高いこと』がニュースなどで確認されています。

つまり、欧米は過去の累積の感染者数が多いという事から、いわゆる獲得免疫なり交差免疫の影響で今現在の被害を抑えられている。という可能性があります。

◇◇◇

日本はそうではありません。

個人的にはほとんどの人が既にウイルスに曝露していると思っていますが、抗N抗体保持率が低いことから、おそらく高い抗体レベルを得る前に治癒していると推測します。

その状態で欧米と同じように『脱コロナ』したらどうなるのか。
おそらく良くはならないでしょう。

欧米が今のように『脱コロナ』出来ているのは、過去の大きな被害があってのことではないでしょうか。
(しかし、死者数で見れば今でも日本でのデルタの時以上の死者数をコンスタントに出しており、後遺症も問題になっています。)


◆日本が参考に出来るのはどこなのか?

そもそも欧米と日本はコロナ被害の規模やパターンが異なります。

ざっくりと見て『欧米』と『東アジア+オセアニア』では大きくパターンが異なることがわかります。

前者はオミクロン前に大きな被害を出しており、後者はオミクロンから大きな被害を出しています。(とはいえ、欧米に比べて累積の被害は圧倒的に少ないです。)

この違いの原因についてハッキリしたことは言えないですが、従来型のコロナウイルスなどによる交差免疫の影響などが推測されています。

オミクロンはそれ以前と比べて多数の変異箇所があるので、そのような効果が薄れたということかもしれません。

◇◇◇

原因はともかく、相対的に比較するなら『東アジア+オセアニア』かと思います。
そのあたりの被害の少ない国について、死者数(100万人あたり)を確認します。抽出したのは以下の国です。

  • 日本

  • 韓国

  • 台湾

  • シンガポール

  • オーストラリア

  • ニュージーランド

Coronavirus (COVID-19) Deaths - Our World in Data
[2022.09.01 引用]
https://ourworldindata.org/covid-deaths

上記を確認すると、この中でも日本は被害が少ないほうです。

強いて挙げるとシンガポールは直近のオミクロン(おそらくBA.5)での被害をかなり低く抑え、現在ほぼ終息させています。

◇◇◇

シンガポールのコロナ対策について調べたところ、『ようやく最近(8/29)になって室内のマスク着用が任意となった』という情報がありました。

つまり、つい最近までずっと室内はマスクが義務だったわけで、なかなか厳しいコロナ対策が行われていたようです。
ただし、8/29以降も公共交通機関や病院などはマスク義務が続いているそうです。

シンガポールが従来から『脱コロナ』だったら、参考になる対象になったと思うんですけどね。


◆おわりに

日本では今回のオミクロン(BA.5)が終息するころには、抗N抗体保持率はかなり上がっていると思います。

今の大量感染での免疫が次の変異株に有効であれば、次は大きな被害にはならないでしょう。感染対策は無関係に。

そういう意味で、今のピークがひと段落して『脱コロナ』するのは、結構良いタイミングのような気はします。日本は欧米の後追いでしょうから、どうせいつかはそうなるでしょうし。

◇◇◇

しかしそれ(今のBA.5の被害)は、今後日本でも『コロナ後遺症(long COVID)』が増加していくことを意味するでしょう。

オミクロン前の日本の感染者数程度では、それが問題視されるほど絶対数が多くはなかったはずです。

今後、交通事故の増加など様々な社会問題として顕在化し、より注目されていくのではないでしょうか。

引き続き、専門家の方々に期待したいですね!
(最近こればっか。)

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