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『マスクのコクランレビュー』を読む。【マスク否定編】

マスクに関するコクランレビュー。

ちょっと前から存在は知っており『マスクオタク』を名乗っている私としても気にはなっていました。最近ようやく自分で読む心持ちになりましたので関連記事を書いておこうと思います。

しかし、コクランレビューで対象とされた論文すべてを精査できるわけもありません。結論や個人的に気になった箇所について注目したうえで、所感をまとめてみたいと思います。

タイトルを【マスク否定編】としたのは【肯定編】を書く予定だからです。お好きなほうを読んでいただければと思います。

なお、対象としたコクランレビューのリンクは以下です。
私の今回の記事の引用部は以下リンクからすべて 2023.02.17 に引用しました。(www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。)


◆論文抜粋

論文の概要から『主な成果(条件)』と『著者の結論』の部分を以下に引用します。

Cochrane Database of Systematic Reviews

呼吸器ウイルスの拡散を阻止または低減するための物理的介入

Version published: 30 January 2023
https://doi.org/10.1002/14651858.CD006207.pub6

主な成果

今回の更新では、新たに11件のRCTおよびクラスターRCT(参加者数610,872人)を掲載し、RCTの総数は78件となった。新しい試験のうち6件はCOVID-19のパンデミック時に実施されたもので、メキシコから2件、デンマーク、バングラデシュ、イギリス、ノルウェーから各1件であった。現在進行中の研究は4件で、そのうち1件はCOVID-19の流行と同時にマスクを評価したもので、終了しているが未報告であることが確認された。

多くの研究は,インフルエンザが流行していない時期に実施された.いくつかは2009年のH1N1インフルエンザパンデミック時に、その他は2016年までの流行性インフルエンザシーズンに実施されたものである。したがって、多くの研究は、COVID-19と比較して、下気道ウイルスの循環と伝播の文脈で実施された。対象となった研究は、高所得国の郊外の学校から病院の病棟まで、低所得国の混雑した都心の環境、高所得国の移民の居住区など、異質な環境で実施されたものであった。介入のアドヒアランスは多くの研究で低かった。

RCTおよびクラスターRCTのバイアスリスクは、ほとんどが高いか不明確であった。

著者の結論

試験におけるバイアスの高いリスク、アウトカム測定のばらつき、試験中の介入の比較的低いアドヒアランスが、確固たる結論を導き出す妨げとなっている。パンデミック期間中に物理的介入に関するRCTが追加されたが、マスキングとその相対的有効性の問題の重要性、および特に高齢者と幼児において有効性の測定に大きく関連するであろうマスク着用率の測定が同時に行われたため、比較的少ないものであった。

フェイスマスクの効果については不確実性がある。エビデンスの確実性が低~中程度であることは、効果推定値に対する信頼度が低く、真の効果が観察された効果推定値と異なる可能性があることを意味する。RCTのプール結果は、医療用/手術用マスクの使用による呼吸器ウイルス感染の明確な減少を示さなかった。医療従事者のルーチンケアで呼吸器ウイルス感染を減らすために医療用/手術用マスクを使用した場合、N95/P2呼吸器と比較して明確な差はなかった。手指衛生は呼吸器疾患の負担を緩やかに減少させると考えられ、この効果はILIと検査確定インフルエンザを別々に分析した場合にも認められたが、後者の2つのアウトカムでは有意差は認められなかった。物理的介入に関連する害は十分に調査されていない。

複数の環境と集団におけるこれらの介入の多くの有効性と、特にARIのリスクが最も高い人々における有効性に対するアドヒアランスの影響に取り組む、大規模で適切に設計されたRCTが必要である。


◆重要箇所抜粋

マスクを否定するうえで重要な箇所の抜粋と補足を以下に記します。

◇◇◇

フェイスマスクの効果については不確実性がある。

有意に効果があるという証明が出来なかったと解釈できるでしょう。

◇◇◇

RCTのプール結果は、医療用/手術用マスクの使用による呼吸器ウイルス感染の明確な減少を示さなかった。

多くのサンプル数でも効果が認められなかったということですかね。

◇◇◇

医療用/手術用マスクを使用した場合、N95/P2呼吸器と比較して明確な差はなかった。

N95マスクでもサージカルマスクと同等程度であったと解釈できます。
そして、サージカルマスクの効果は認められていませんので、マスク全体としての効果が認められない、と解釈できます。


◆『コクラン』という権威による結論

私は専門家ではないのでわからないのですが、『コクランレビュー』というのは社会的に強い影響力を持つものようです。

取り上げられた論文やその分析手法に粗があるようなものではない、と一般的には評価されているのでしょう。

そのような権威から『効果があると認められなかった』ということは『マスクは無意味』という解釈が可能かもしれません。

また、有害事象についても取り上げられているため、『無意味どころか有害』という解釈も可能かもしれません。


◆おわりに

以上、引用部がほとんどですが『マスクが無意味』とする方向性でまとめてみました。

そのような主張は多数見られますので、私としてはあまり力を入れて書いていません。

この内容を『決定的』と捉えるかどうかは見る人次第だと思います。

私としてはそのような解釈には至らなかったので、次回の記事で【マスク肯定編】を書く予定です。

興味のある方は読んでいただければと思います。


[2023.02.23 追記]
マスク肯定編を書きました。
興味のある方はどうぞ。


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