あふれだす役者、今後の未来

このページを開いたアナタは、私と同じ「役者(声優)」が好きなのだろう。

今回は、一部の間で掘り起こされ話題になった大塚明夫さんがお話した記事についてお話していきたい。

大塚明夫さんのお名前を声優やアニメ・ゲームを齧っていれば知らない人は少ないはずだが一応紹介しよう。

大塚 明夫(おおつか あきお)
1959年11月24日生まれ、役者としての活動は1988年からである。

父は同業者の大塚周夫で2015年に亡くなっている。

代表作は、メタルギアソリッドシリーズの主人公、ソリッド・スネークやブラックジャックの主人公ブラックジャック役の他、老若男女知っている人気作に多数出演している。

最近ではテレビドラマにも出演し、ダンディなルックスで話題となっている。

ざっくりと説明するとこんな感じだろうか。
もっと知りたい人は自分でwikiで検索してほしい。

まぁ、ともかくすごい人だということが知らない人には伝わればいい。

そんな彼が出した本「声優魂」の一部抜粋が話題を呼んだのだ。



・声優が声優になる本を書く中、大塚明夫が書いたことは… ・


まずこの記事を読んだことが無い人は、読んでから進んでほしい⇩


一時期こぞってベテランの声優さんたちが「声優について」の本を出版した。

私の知っている間だと、岩田光央さん 関智一さんである。

こういった中身は「僕は昔こうやって、こんなことがあって声優になった~」「今からの声優業界はこうなるかも~」といった内容が多い。

批判しているわけではないが、やはり将来声優になりたい子に向けたポジティブな文章が目立つのだ。

しかし、私は大塚さんの抜粋文章を見て驚いた。



声優にはなるな



と書いてあった。



・職業じゃない。 現実と理想は全然違う・


声優が職業の一種になっている。とても頷ける。

過去の記事にも書いたが、昔声優という職業は「役者が一番やりたがらない影の仕事」だったのだ。それが声優と呼ばれていただけであり、メインは舞台やミュージカルといった表舞台に憧れる人達が、下積みやお金を貰う為に行っていた仕事である。


それが時代が変わり、歌い・踊り・アイドルのようにちやほやされ、日に当たるようになった。

これかが悪いわけではない。しかし現代職業の一種と思う人が増え、他の会社と同じく事務所に入れば月給としてお金がもらえると考える人間がいるということだ。

流石に私はこの言葉に愕然としたが、実際いるそうなのだ。

その事実を目の当たりにし、去っていく人も多いのだとか。

なので大塚さんは 「声優になりたい」。そう思うことは自由だが、「声優になる」ことを「職業の選択」のようには思わないほうがいい

と語っている。

声優という言葉は、あくまでも肩書なのだ。



・新人が出られずに有名俳優にばかりに行く理由・


近年少し増えてきたが、なぜ有名な映画に声優が起用されないのか。

ぶっちゃけ制作側からすれば

「ギャラが予算内に収まり、かつ良い芝居ができる人間」
であれば誰でもいいのだ

おまけにそれがテレビに出て宣伝してくれて、人気がある俳優・女優だったら制作側にも好都合というわけだ。

それで見に来る人たちがいるのだから。

話が少しズレるが、最近この風潮はゲームや有名漫画を原作にした実写映画にも関係しているかと考える。



・増えすぎた声優業界 固定の役者が増えている理由・


1960年頃から洋画や海外ドラマの吹き替えが多く制作され「声だけの芝居をする役者」が大勢求められるようになった。その時は50しかない椅子に、50人の役者が余らず座っているような状態だったが、現在は 300脚の椅子をつねに1万人以上の人間が奪い合っている状態だという。


この頃に比べてアニメや映画、今ではアプリゲームといった作品に声優が起用され、「椅子が増えているじゃないか」と考える人がいるかもしれないが、実際そうではない。

アニメでもアプリゲームでも人気の声優が起用される。売り上げに関わるからだ。

現在どちらにおいても固定の声優さんが多い気がする。男女関係なくだ。

理由は簡単で
知名度があり、そのファンがお金を出すからからだろう。
新人にとってはいつまでも狭い門でしかないのだ。

その現実を知っているからこそ、大塚さんは「ならないほうが良い」と語っているのだろう。



・結局は運しかない・


声優という肩書きでは仕事は作れない。ただ待つしかない

脚本を書いてしまえば「脚本家」という肩書きになるし、歌を歌えば「アーティスト」という肩書きになる。

なので「声優」という肩書きで仕事をするにはただ「待つ」しかない。

誰かが「これをしゃべってくれ」と言ってくれない限り、存在できない仕事。

つまりはこの世界は結局「運」次第なのだ。

技術を磨いて努力することはできるが、それが必ず報われるか…という質問には、簡単に首を縦に振ることはできない。

それでもあなたは、声優になりますか?


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